募集のエルフ
また短いです…
なんか多分一話ごと短くなってくんじゃないでしょうか?
私は魔王軍の採用面接に来ていた。
私が希望したのは士官見習い。外部の人間が受けられる採用試験の中で最も高い地位の職だ。
「次の方〜どうぞ〜。」
さて、無事魔王軍に入れるだろうか。
「では、魔王様の考えに共感して魔王軍に入ろうと?」
「はい。」
そう、そのためにここに来た。
「エルフは魔王と戦っていますが…信用されないのは分かっています。でも、命をかけてもやりたいことが始めて出来たんです。」
「なるほど、ちなみにどのような部分に共感されたのですか?」
「はい。私が街に出た時…差別されている人達を見たんです。」
私の見た光景。それを見て感じた事、やりたい事。
「だから、魔王様の考えに共感しました。」
「そうですか…」
やっぱりエルフだから、ダメだと言われるのだろうか?そしたら、母と縁を切ってしまった私はどうすればいいんだろうか。
「合格です。」
へ?
「あの、それは嬉しいんですけど、本当にいいんですか?私、魔王様と敵対してる種族のエルフですよ?内通者とかかもしれませんよ?」
本当?本当にいいの?ダメ元だったんだけど、本当にいいの?
「ええ。」
「な、何で?」
ふふ、と面接官の女の人が笑う。
「私は相手が嘘をついているかどうかが分かるんですよ。それに、あなたの目は」
彼女は言った。
「すごく、真剣でしたから。」
所変わって新たな私の上司の部屋。
「はあ?」
私は衝撃の事実を知った。
「え?エルフって普通に魔王軍にいるよ?」
この一言である。
…私の!決意は!何だったんだよ!
「あと、上司には敬語ね?」
あ、はい。
「と言っても大体がダークエルフだから、厳密に言えば君たちとは種族が違うんだけどね〜。だから決意も無駄じゃなかったって事だよ。」
そうなんだ…。
「でも、なんか力抜けました…」
上司は楽しそうに笑う。名前は…そうだ、カラアさんだった。カラアさんは楽しそうに笑う。
「あんまり力入れすぎててもいい事ないからね。気楽にいこう?」
「はいっ!」
この性格を私が厄介に思うのは、もう少し後の話。
ありがとうございました!
次回もよろしくお願いします!