抜けているのは遺伝ですね!
「親父、1つ問題があるぞ?」
息子のレインから質問があった。
「なんだ、レイン?」
「うちの領地には寂れた漁村しかないけど?」
んっ?お兄様は何を言っているのかな?かな?
「南の漁村も、少しずつ開拓して大規模な塩を作る施設を建造中だろう?それがどうした?」
お母様……ママが、あっ!とわかったよう声を上げた。
「あ~そうね~、レインの言いたい事がわかったわ」
「一体どうしたのだ?」
まだ分からない父と娘のシオンは首を傾げた。
「だ~か~ら~、どうやってエルフ領に行くのかって話だよ!」
お兄様は何を言っているの?船で行くに決まって……?
!?
あーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
父と娘の声がハモった。
「「船が無いじゃん!」」
そうなのだ。近海の浅瀬に行く漁船はあるが、遠洋のガレオン船が無いのだ。っというか、大型船の停泊する港が無かった。
「しまったなー?どうしよう?」
のほほんと言う父親に、シオンもどうしよう?と首を傾げる姿は可愛いぞ!………ではなく、見切り発車の父に頭を痛めるレインだった。
「まったく貴方ってば、肝心な所が抜けているんだから。大方、過去に港を作ろうって話があったときの記憶がごっちゃになったのね」
「あー!そうだった。漁村の奥の岬がちょうど港に適しているのでどうしようって話と勘違いしてたな」
この似た者夫婦に、さっきから頭を抱えるレインが言った。
「という訳だから、今回の話は無しの方向でいいよね?」
う~んと、考えるシルフィード一家
「そうすると鍛冶職人や専門職の不足はどうしようか?」
とまぁ、問題が戻ってくる訳だ。
『1つ方法があります!』
シルフィーが意見を出した。
「何?シルフィー?」
『私が皆さんを背に乗せて飛んで行くのです』
!?
「その手があったか!?」
「でも、そんなに長距離を飛べるの?」
『問題ありません。所々に小さな無人島もありますので、休憩しながら飛んでも3日で着きますよ』
「それは凄いな!船なら7日は掛かるだろうから半分の日程で行けるのか!?」
「しかも帰りは転移で一瞬ですしね」
和気あいあいと、場が和んだ時にシルフィーは続けた。
『私の背には無理すれば3人乗れますが、長距離なので2人が限界ですね』
「じゃ!私が行くよー」
シオンが手を挙げた直後にダメ出しされた。
「「ダメだ!!!」」
仲が良いのか悪いのか、父と兄が同時にハモった。
「どうしてよ!?」
シオンも憤るが、危ないから!と言われて応じてくれない。
『あの~申し訳無いのですが、ダンジョンマスターが居ないと転移出来ませんので、マスターは確定ですが……』
シルフィーが申し訳無さそうに言った。
「「なんだとう!!!」」
『ひぃぃぃ!すみません!すみません!』
二人の気迫に謝るシルフィーにママが怒った。
「こら!シルフィーが怯えているでしょう!いじめたら………許さないわよ?」
二人共、最敬礼のお辞儀をして謝った。
「「申し訳ありませんでした!!!」」
お前達!仲が良いよな!!!
またまた二人してハモったのでした。
こうしてシオンのエルフ・亜人連合国へ行くことが決まった。
愚者の声
「と、言う訳で船旅は無しになりました!」
シオン
「ふん!空の旅を満喫しますわ!」
愚者の声
「ふふふ………お気をつけて」
シオン
「なんですの?」
愚者の声
「ふふふ………」
シオン
「???」
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