8.情報屋
短いです。
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「ねぇ、ちょっと待って。」
中央広場を抜けて、エリスさんの薬屋を目指していると後ろから、綺麗な声が聞こえた。
俺は、後ろに振り返る。
「何ですか?」
そこに居たのは、長く艶のある髪と“尾”が特徴的な美女だった。
顔の横に耳は無く、頭頂に黒い猫の耳のような物が生えている。
身長は160センチメートルくらいで、胸は少し小さい。ギリギリCくらいかな?肌は少し黒い。おそらくはネコ科の獣族だろう。20、21才くらいかな?同い年だろうか?
「うーん、何て言えば言いかな?えーと、とりあえず自己紹介から始めない?」
「良いですよ。俺は人族のフレイギュラントです。生産を中心にしています。貴女は?」
「私は、マロン。見ての通り獣族で情報屋をやってます。あっ、職業じゃないよ?」
「では、マロンさんで。それで、何ですか?」
俺は、もう一度最初の質問をする。
「言った通り、私は情報屋。情報を買ったり、売ったり、仕入れたりするのを生業にしてるの。それで、南に行くプレイヤーはたまにいる。薬屋が在るからね。でも、あなたは南側から来て、スローラビットを買って、教会に行って、出てきた。で、今はまた南に向かってる。あなたが教会にいる間にワールドアナウンスが鳴ったし、その後教会の神父さんと親しそうなあなたが出てきた。なにかありそうだから、呼び止めたの。」
…………。ふむ、とりあえず亜空庫はバレたな。ワールドアナウンスの件は確証は無い。だが、時間的に街にいるプレイヤーは少ない。理由は夜は、夜目などのスキルやランタンが無いと狩りが出来ないから。ちなみにβでも夜目は見つからなかったらしい。種族スキルや上位スキルらしい。俺は持ってるけど。
面倒なのは他プレイヤーに付き纏われること。リアルの仕事的にも面倒だ。
情報屋をやるってことはそれなりに信頼できるだろう。商人とアングラな職は信頼が命と言うらしいし。
それに“マロン”は聞いたことがある。βでも最強クラスの攻略組で、且つ情報屋だったらしい。なら、この人を味方につけるのが得策かな。
「良いですよ。情報を“売れば”良いんですよね。」
「はい。高く“買い”ますよ。」
こうして、俺は情報屋マロンと知り会った。
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