12.笑顔
さて、戦闘回です。
戦闘無いけど。
「こんばんは、ゴルバさん。」
「こんばんは、フレイ。今日は友達が一緒ですね。」
「はい。こちら来訪者のマロン。マロン、こちらは神父のゴルバードさん。」
俺が両者を紹介すると、まずマロンが自己紹介をした。
「マロンです。盗賊をしています。」
「ほほほ、神父のゴルバードです。ゴルバとお呼びください、マロンさん。」
「はい、分かりました。」
自己紹介が終わった後、俺たちは神へ祈りを捧げた。
俺はいつも通り左から順に祈り、最後にもう一度救恤と知恵の神――ミーティアの前に行く。
今回渡すのはホーリーライフポーション☆3SSである。
前回同様、5本並べて祈った。
目を開けると4本のホーリーライフポーションが並んでいた。
「フレイ君、終わったかな?」
「うん。マロンはどうしたの?」
「えっと、エルティアに祈ってみたよ。ちょっと思う所があったから。」
「そっか。じゃあゴルバさんに渡すものを渡したら、行こっか。」
「そうだね。」
俺らはゴルバさんのもとに向かった。
「ゴルバさん。実は渡したい物があるんです。寄付とは少し違いますけど。」
俺はそう言いながら、亜空庫からホーリーライフポーションを取りだし、見せる。
「おぉ、これは聖水?いえ、聖なるポーション、ですか。珍しい物を持ってますね。」
「えぇ、実はさっき作りました。」
「ちょっ、えぇ!!作ったの!?今☆3SSどころか☆2すら見かけてないんだけど!!」
「マロン、騒ぐなよ。」
「ああ、ごめんなさい。でも明らかに常軌を逸してるからね。」
「ほほほ、確かに来て2日目の来訪者が作るような代物ではありませんな。そうだ、実は依頼したい事があるんですよ。」
「依頼、ですか?」
あれ?なんかクエストの予感。
「ええ、実は最近、共同墓地で不気味な音を聞くという話しがありまして、スケルトンが出たのではないかと。」
「スケルトン、ですか?」
「ええ、本来ならもう少し調べてからギルドに依頼するのですが、今回はこのポーションもありますし、一度調べて来て貰えますかな?」
ピコン!!
Oクエスト、『不気味な墓地の探査』が発生しました。
発生条件:死霊系に効果のある武器またはアイテムの保持、神父ゴルバードの好感度100%、転職を果たしていること
クエストを受諾しますか?
「分かりました。その墓地を調査すれば良いのですよね?」
「ええ、出来れば原因の排除が望ましいですが、今はなかなか難しいでしょうから。」
「分かりました。期限などはありますか?」
「そうですね、今日は難しいでしょうから、明日の夜ここに来てください。その時に案内しましょう。期限はそれから10日でどうでしょうか?」
「分かりました。マロンは大丈夫?」
「え?うん。大丈夫行くよ。」
「では、お願いします。」
その後俺らは教会を後にした。
◇◇◇
「なぁ、マロン。」
「なぁに?」
俺らは南の草原に向かって歩いていた。
「とりあえず今日は南の森でレベリング。明日はクエストでいいか?」
「そうだね。折角のクエストだし、一緒に行くよ。」
「あぁ、サンキュー。」
「それにしてもOクエストか。なんだろうね?」
「エリア開放クエスト、OPENクエストじゃないか?」
「ああ、なるほど。でも転職が条件だと高レベル帯だと思うから私も転職した方が良いかな?」
「いや、普通に最高レベルまで上げた方がスキルが倍貰える。こっちの方が後半はお得だ。SPはJSの獲得とスキルを進化、派生させるためにとって置いた方が良いらしいよ。」
「そうなんだ。ありがとう。良い情報だね?」
「気にするな。フレンドとの普通の会話だろ?まあ、プレイヤーのフレンドはマロンだけだけど。」
「そっか、じゃあ当分は独占しよっと。」
そんな感じの話しをしながら歩いて、南の草原に着いた。
軽く生命草を採り、スローラビットを狩って、森へと進んだ。
「うん、やっぱり暗いね。なんがでるかな?」
「さあな、兎なら楽だがな。」
俺はマロンから借りた短剣を構えながら空間把握を使った。
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空間把握:半径(レベルの二乗×10)メートルの球状の空間内の全てを把握出来る。範囲の大きさによって消費魔力量が変わる。
消費魔力量:半径の値/m
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今は最大の半径160メートルにしてるので毎分160ずつ魔力量が減っている。
消費魔力がバカに出来ないが今の魔力量ならおよそ30分は持つ。
やはり夜はモンスターが多い。
今確認できるだけでも、50匹は居る。
さぁ、狩りの時間だ。
◇◇◇
「うん、分かる範囲には居なくなったかな?」
始めてからかれこれ3時間。空間魔法のレベルも6まで上がり辺り一帯のモンスターは殲滅した。
主にマロンが。
え?自分でやれって?
無茶だよ。
木の上で気配を消すみたいなスキルと不意討ちで威力を上げるスキル、さらに落下速度、アホみたいな速力、確実にクリティカルヒットさせるプレイヤースキル(システムのスキルとは別)。
フォレストラビットを一撃で沈めるんだもん。
な?やることないだろ?
ちなみにこの空間把握、気配察知やら感知やらのスキルと違い、気配を殺しても何処に居るか直ぐに分かる。
闇夜の暗殺者、ハイドオウルなんかは専ら俺が狩った。
まあ、何だかんだでレベルが上がっている。
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名前:フレイギュラント
種族:ハーフヴァンパイアLV20→23
第一職業:調薬師LV5
第二職業:祈祷師LV3
生命量:1750/1740(+10)→1870/1860(+10)
魔力量:4760/4750(+10)→5060/5050(+10)
筋力:111(+10)
体力:20(+10)
速力:35(+10)
知力:30(+80)
精神力:30(+10)
器用:107(+20)
幸運:100(+10)
括弧内はスキルやアイテムによる上昇値。
STP:190→220
SP:470→500
攻撃力:0+12(+10)
防御力:0+3(+10)
魔攻力:0+7(+10)
魔防力:0+4(+10)
RS:【吸血LV3】 【夜目LV1→3】 【魅了LV1】 【再生LV1→2】【】【】
JS:【調薬LV15】【祈祷魔法LV5→6】【】【】
PS:【救恤と知恵の神の寵愛LV2】【調薬の心得LV1】【】【】【】【】【】【】【】【】【】
AS:【空間魔法LV4→6】【鑑定LV6→7】【採取LV2→3】【錬金術LV1】【商いLV1】【料理LV2】【】【】【】【】【】
控えスキル:
称号:夜の住人 向こう見ず 無防備の討伐者 最良の獲得者 薬師の弟子 生産職の原石 ミーティアの信仰者 神に捧げし者 神父の友誼 女神に寵愛されし者 称号保持者 最良の調薬者 価値を超越せし者 試行する者 見習いの卒業者
所持金:80700ティナ
所持レシピ数:12
空間魔法:空間に干渉する魔法。
取得魔法:LV1亜空庫 LV2空間把握 LV3空間切断 LV4空間匣 LV5物質転移 LV6短距離瞬間移動 LV7???…………LV10???
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さて、生命量も魔力量も全回復したようだ。
「マロン、回復したよ。」
「オッケー。じゃあそろそろ戻ろっか。」
今俺たちはセーフティエリア、攻撃を受けても生命量が減らない場所で休憩をしている。
なんでもこのゲーム、空腹度というパラメーターがあって無くなると餓死するとか。まあ、その前に空腹ペナルティでステータスが下がるから分かるらしいけど。
ちなみにハーフヴァンパイアの俺は、吸血すれば腹が溜まる。うん、狩りの最中にガンガン吸ったわ。問題ないな。
「そうだ、マロン。」
「なに?」
「ボスに挑まない?」
「いいよ。」
その時のマロンの笑顔はちょっと可愛かった。
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名前:マロン
種族:黒豹族LV17
職業:盗賊LV17
生命量:1680/1680
魔力量:210/210
筋力:20
体力:40
速力:300
知力:10
精神力:20(+2)
器用:60
幸運:40
括弧内はスキルやアイテムによる上昇値。
STP:0
SP:320
攻撃力:15+2
防御力:5+3
魔攻力:0+1
魔防力:5+1
RS:【柔軟LV3】【潜伏LV4】【夜目LV5】【登攀LV4】【】
JS:【盗取LV5】【】
PS:【毒耐性LV2】【麻痺耐性LV2】【睡眠耐性LV2】【忍耐と勇気の神の加護LV1】【】【】【】【】
AS:【空間魔法LV3】【鑑定LV5】【短剣術LV6】【隠密LV6】【不意討ちLV5】【投擲LV3】【】【】
控えスキル:
称号:夜の住人 向こう見ず 情報屋 忍 暗殺者
※フレイギュラントはこれを知りません。
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