小細工
赤城に復讐したあの後、
「スゲーな、七風!」「やるな!」「かっこいい!」周りの人が次々に声を掛けてくれる。素晴らしい!この世界は素晴らしい!
...なんてことあるはずない。トップカーストの奴をあんな風に負かしたからなのかはわからないが、視線が痛い。
「やっぱこうなるのか...とほほ」
小声で俺は言った。
あの後、赤城はグルグル巻のまま保健室に行ったそうだ。なんか大声あげてたけど気にしない気にしない。そんなこと思っていたら、前からリルが走ってきた。
「あんた、勝ったんだって!?」
「楽勝でしたね」僕はかっこよく決めてみた!かっこ良かったよね?ね?
「嘘つき!どうやって勝ったのかもちゃんと聞きましたよ〜わたし」
「そんな出回ってるんですか、はぁ」
「あんな勝ち方したらすぐ広まるわよ…」
「まぁ、リルさんのおかげですけどね」
「あら、ちゃんとお礼言えるのね」
「当たり前じゃないですか」
「初めてあった時のあなたに聞かせたいわ…」
そんな時だった。
「おいおい、まだ訓練は終わってないぞ?」
そんなことを言ったのは、クラス三強の2人、青瀬と黒河だった。
「まだやるんすか?」やですよー、卑怯出来ないじゃないですかー。
「だめだ。あんなこと友達にされて、許せるわけないだろう?」青瀬さん?やめて下さい、死んでしまいます。
「同感だ。2対2でチーム戦しようじゃないか?」
へ?ちーむせん?
「それはいい。お前はそのチビと組め。」
リルと?無理だろ!ふざけんな!
「やってやろうじゃないの。三強さん?」
僕より先に、リルが言った。
「リールーさーん!?」
「いいじゃない。チビに負ける男も見てみたいわよね?」
「まあ、そうですけど...本当に勝てるんですか?」
「まあ、私の話を聞きなさいって」
「信用しますからね」
「ええ。いいとも」
こうして、僕らの新しい戦いは始まった。