特訓の成果
「ふぁーあ」
僕は大きく口を開けて欠伸をする。
「大丈夫か?今日は戦闘訓練だぞ?」
たまたま廊下で東訓練監督と出会った。
「いえ、大丈夫です」
僕は眠そうな声で言った。
「退学しないように頑張るんだな、ハッハッハ」
嘲笑うかのように東訓練監督は言った。
悔しい。だけど今日は違う。リルと僕はあんなに特訓したんだ。やれる。
「頑張ります」
僕はそう言って、その場を後にした。
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「今日は戦闘訓練だ!対戦表はここに貼ってある!各自で見るように!」
「「はい!」」
こうして、特訓後初の戦闘訓練が始まった。
「さて、僕と当たるのは…は?」
僕と当たるのは、クラス内の三強だった。
「やあ。よろしくな、27連敗くん」
初戦で当たるのは、三強の1人の赤城だった。
「よろしくね」
僕は唇を噛み締めて言った。
悔しい。絶対見返してやる。
「おい、赤城と七風、もうすぐお前らだぞ」
「わかった。じゃあ行こう、27連敗くん」
こいつ絶対許さん。ボコボコにしてやる。
そんなこともあり、僕達の戦闘訓練が始まろうとしていた。
「僕が訓練フィールド決めていいかな?」
「いいよ。僕の苦手なのは高低差のあるフィールドだよ」
赤城はわざわざ苦手なフィールドを言ってきた。よっぽど自信があるらしい。
「じゃあ、4柱フィールドで」
4柱フィールドとは、真ん中に4つ柱が立っているフィールドだ。
「いいのかい?高低差があまり無いけれど…」
「大丈夫だ。ここは僕の好きなフィールドなんでね」
「それで勝てればいいね」
ぶっ殺してやろうかな、こいつ。
「では、両者準備しろ」
東訓練監督が言った。
僕達が位置につくと、東訓練監督は合図を出して、
「では、始め!」
それと同時に僕は後ろの地面に糸を刺して、
「かかってこいよ、赤城」
と煽って言った。それが悔しかったのか、赤城は
「ぶっ殺してやる!」
と、怒り狂って4つの柱の真ん中を人1人分の穴を開けた。まあ、後ろの糸で逃げるんですけどね。
「逃げんじゃねえ!」
赤城さんがおこだけど、逃げましょっと。
こんなことをしながら、僕はある準備を進めていた。
赤城の能力は、火。奴はそれで粉塵爆発などで戦う。あの穴もそうだ。
そんなことを考えて準備が終わったとき、僕は端へと赤城に追い込まれていた。
「もう逃げらんねえぞ!ぶっ殺してやる!」
その瞬間、僕の必殺技が放たれる!
「スパイダー・ネット!」
僕の蜘蛛の巣で赤城はグルグル巻にされた。
「小細工ばっかで、逃げやがって!」
うるせー。真っ正面からやって勝てるわけないだろ!そんなことを思いつつ、赤城を4つの柱の真ん中に蹴ってやった!案の定赤城は自分の開けた穴にホールインワン。
「糞がぁ!死ね!クズ野郎!」
赤城さん、顔真っ赤ですよ。
「おっつかれー!僕の勝ちかな?糞雑魚脳筋くん!」周囲から笑い声が漏れる。それで赤城は別の意味で顔を赤くした。
「糞がぁー!」
こうして俺の赤城へのささやかな復讐は幕を閉じた。