第6話:ギルド登録
さて、ナンパ男たちを撃退した咲楽と紫音はオーリアさんに連れられギルドを訪れたようです。
追記
2月16日
ユニークが1000…だ…と!?
ありがとうございます!ありがとうございます!!
ギルドの中は騒がしかった。
全体的には男たちが多く、比率としては大体7:3ぐらいだろうか。
もちろん、男のほうが7だ。
「おぉ、今日も人が多いな…」
「いつもこのぐらいいるのですか?」
「多いときはもっといるし、少ないときはこの半分ぐらいか…まぁ、それぐらいはいるな」
「なるほど…」
今、パッと見で数えてみると大体70人ぐらいいる。
しっかりと数え切れていないのでもう少し多いのかもしれない。
「さて、魔物の素材を買い取ってもらうにはまずはギルドに登録しないとな」
「ギルド登録!何それ、面白そう!!」
紫音がまたもや興奮する。
「紫音様、落ち着いてください。魔物の素材を買い取ってもらうには、ギルドに登録する必要があるのですか?」
「いや、必ずじゃないが今後もギルドを活用するなら登録しておいた方がいいな。ギルドでクエストを受けて魔物退治とかしたほうが報酬と魔物の素材が手に入ってお得だしな。登録には銀貨が1枚かかるところがちょっとあれだけどな…ギルドもタダじゃないってことだ」
「そうですか…今は、お金の持ち合わせがないので先に魔物の素材を売りましょうか」
そういい、素材を売却できるところへ連れていってもらおうとするがオーリアさんに呼び止められる。
「おいおい、金持ってなかったのかよ…仕方ねぇな、ちょっと待て…ほら、銀貨2枚だ。貸してやるからこれで登録して来い」
そう言いながら、彼女は腰のポーチから銀色に輝く丸い形をした硬貨を2枚取り出す。
これが銀貨だろう。
「ありがとうございます。魔物の素材を売った後お返しします」
「あぁ…まぁ、足りなかったら後日でいいよ。私は結構な頻度でここに来るからその時で構わないからさ…」
礼を言い、後で返す旨を伝えるとそういい返された。
オーリアさんは、私たちがギルドに登録するだけしてお金を返さないとは考えないのだろうか…
試しに聞いてみると
「ん?あぁ、まぁ、考えてないわけじゃないけどよ、あんたらは良い奴らっぽいし大丈夫だろ」
そう言われると返しようがなかった。
借りたお金は絶対返そうと思い、オーリアさんの後ろをついて登録するためのカウンターまで案内してもらう。
そこには、エルフの受付女が立っていた。
薄い緑色の髪をした垂れ目のオーリアさんにも負けないぐらいの美人だ。
この人が登録してくれる人だろう。
「あら?オーリアさん今日はどうされたのですか?」
「あぁ、今日は後ろのサクラとシオンのギルド登録をしに来たんだ。こいつはこのギルドの受付所のシリナだ。」
「よろしくね、サクラさんにシオンさん。じゃあ、サクラさんとシオンさん早速だけどギルド登録をしましょうか。オーリアさんからは何か聞いてるかしら?」
「登録に銀貨1枚がいるということ以外は特に聞いていません」
「そう、じゃあまずはこの書類を呼んで内容に納得できたら下の部分に署名してくださるかしら」
私たちはこの世界の言語を知らないので、もしかしたら文字を読めないのかと思い紙を眺めて見てみると不思議と読むことができた。
文字自体はよくわからないのだが何故か読めるのだ。これがご都合展開なのかな?
内容を要約するとこんな感じだった。
1、クエスト中の事故で受注者がなくなった場合、ギルドは一切の責任を負わない。
2、クエストを受けるときは難易度に応じた契約金を払うこと。
3、契約金はクエストを失敗した時に違約金として依頼者へ渡される。
4、ギルドに入った後に迷惑行為や犯罪を行った場合、即刻ギルドに登録してある情報の抹消およびギルドカードの停止、冒険者としての資格剥奪。
その他にも細かいことは書いてあるが大体こんな感じだった。
私はその内容を呼んだ後、紙に署名をした。
こちらの言語の書き方は分からなかったので、ローマ字で書いてみた。
ちなみに、筆記体だ。
「へー、綺麗な字を書かれるんですね…どこの文字ですか?」
「ずっと東の遠い国のものです」
「これはサクラって書いてあるのかしら?」
「そうです」
「本人の署名なら何でもいいからこれで大丈夫っと…シオンさんは書けた?」
「これでいいですか?」
「シオンさんも咲楽さんと同じような文字なのね…よし、じゃあカードを発行するからついてきて」
どうやら本人の署名ならいいみたいでローマ字で書いていても大丈夫なようだった。
私たちは、書類をシリナさんに渡しその内容のチャックを受けた後ついてくるように指示される。
カウンターから出てきたシリナさんは二階へと上がっていくのでそれに倣ってついていった。
二階に上がると会議室と思われる大部屋やいくつかの小部屋があった。
そのうちの一つにシリナさんが入っていったので私たちも入室する。
中ではシリナさんが何やら水晶玉みたいなものを用意していた。
「さて、じゃあサクラさんかシオンさんどちらでもいいから水晶に触れてもらえるかしら?」
「では、私から…」
そこで、メイド服の袖を引っ張られる。
見てみると紫音が掴んでいた。
かわいい。
「咲楽、私が先にやっちゃダメ?」
上目使いでそう迫ってくる紫音。
断れるわけがなかった。
「紫音様がお先にどうぞ」
「やった!こういうのちょっと憧れてたのよね!」
本当に楽しそうに笑う紫音を見ているとこっちまで楽しくなってきてしまって、少し微笑んでいるのが自分でもわかる。
「じゃあ、シオンさんこの水晶玉に触れてもらえるかしら?」
「はい」
紫音が水晶玉に触れる。
すると、水晶玉の周りに幾何学な模様が浮かび上がる。
そして、水晶玉の中では青白い線で文字みたいな何かが踊っていた。
10秒ぐらい続いただろうか、幾何学模様が空気に溶けるようにして消えた後水晶玉に触れていた紫音の手にカードみたいなものが握られていた。
「そのカード少し貸してもらえるかしら?」
「…あ、はいどうぞ」
紫音ができたばかりのカードをシリナさんに渡す。
「えぇーと、何々…まぁ、シオンさんすごいですね!レベルが8です。魔力総量も高いし、シオンさんは魔術師なんかの職業がいいかも知れませんね」
「えっと…レベル8?魔力総量?」
「冒険者カードについての説明はサクラさんのカードを作ってからお話ししますね。さて、次はサクラさんです。手を水晶玉においてください」
私は言われた通りに手を水晶玉にあてる。
先程と同じ幾何学模様が出て、水晶玉の中に変な文字が出た後私の手にはカードが握られている。
そのカードをシリナさんに手渡す。
「えぇーと、サクラさんのは…っえ!?レ、レベル12!?魔力総量も普通の人より多いしほぼ全ての能力が万能…サクラさん凄まじいですね、初めからレベルが二桁の人なんて初めて見ました」
「えっと…レベル10以上っていうのはそんなにすごいのでしょうか?」
「はい!この辺りでいうと獣の森に棲むブラッドタイガーを一人で倒せるぐらいですかね!!」
ブラッドタイガーを知らないのでそれがすごいことなのかいまいちピンと来ない。
先程倒したトラ=ブラッドタイガーなのだとしたら私的にはあまりすごいようには感じない。
あれぐらいできないと紫音の護衛は勤まらない。
まぁ、とりあえずレベルが10越えなのが珍しいということだけわかったから良しとしよう。
「はぁ、少し興奮してしまいました。では、ギルドカードについてお教えしますね」
そして、ギルドカードの説明が始まった。
いかがだったでしょうか?
誤字脱字や文章がおかしいところなどがあれば報告お願いします。
次回はギルドカードに対する説明を交えつつ進めていきます。
次回の更新は2月19日です。