第2話:異世界アストラル2
物語が前へ進まない…
まぁ、のんびり行けばいいかw
咲楽さんの支援絵いただきました。
詳しくは登場人物紹介を見てください。
「異世界?…それってよく小説とかに出てくる魔法と剣の世界だったり、ドラゴンとか吸血鬼とか鬼とか地球では架空の生物のはずが実際にいたりする地球とは別の世界のことって言う解釈で大体あってる?」
「そうですね、紫音様のイメージで大体あっているかと…」
その後、私は手紙のことを大まかにだがまとめて話した。
まず、自称神のシンラと名乗る―――手紙の字体とか内容とかから察するに―――女神が私たちをこの世界にアストラルに連れてきたこと。
次に、その自称神が私たちの死ぬ未来を見たらしくここで死ぬには惜しい能力とやらを持っているからアストラルに連れてこられたこと。
最後に、アストラルから地球(神が言うにはアルテラ)に帰る方法はあるがこのまま帰っても近いうちに死んでしまうからアストラルにいたほうがいいとのこと。
「へー、そんな手紙があったんだー」
「はい、私が読んだ後すぐ燃えてしまいましたが…」
「ん、まぁ、咲楽のいうことだから信じるけど突飛な話よね…」
「そうですね、到底信じられるような話ではありません…ですが、この辺りを少し調べてみたのですが地球には無いモノばかりで正直困惑しています」
紫音様は少し地面を見渡し生えてる草を見た後、今度は城壁らしきものに目を向け…
「確かに草の形も見たことのあるモノとは何か違うし、それに、あの…城壁?みたいなものが地球にあるかといわれればない、って断言できるもの」
「紫音様、相変わらず冷静ですね」
私は、紫音様の肝の据わりように軽くため息をつく。
紫音様はお嬢様然としておりながらも多少のことでは動揺しないが、今回の異世界転移では流石に動揺すると思ったのだが全く動揺していなかった。
それどころか、少し嬉しそうであった。
紫音様は、私のほうを向き微笑み言葉を紡いだ。
「こう言っては何だけど少し憧れてたのよ…異世界に行くってことに。ほら、私って自分で行っては何だけどお嬢様じゃない?だから家関係の柵も多かった。自由にできるのは咲楽といる時ぐらいだもの…だから、家の柵とかも何もない世界に行ってみたいって願ったことがあるの。その時は、咲楽と一緒に行きたいと思っていたからその願いが叶ってうれしいの。まぁ、お父様とお母様には申し訳ないのだけどあんな退屈な家より咲楽といるこっちの世界のほうが面白そうじゃない?」
「私は、紫音様のメイドです。私が蒼前家使えのメイドなら、元の世界に帰るように説得しなければならないのですが生憎と私は紫音様のモノです。紫音様の決定なら逆らえませんね」
私は微笑みそう言った。
紫音様はどうやらその返事に満足したらしく、うんうんと首を振っている。
「さて、もう少し現状について考えていきましょうか」
「かしこまりました」
しばらく紫音様と現状把握のため会話をしていると、紫音様の背後にあった森からナニか大きな生物のようなものが出てくるのが見えた。
ソレは2~3mほどの大きさのトラのような何かだ。
ここからではあまり詳しくは察せれないが、口から生えている牙は異様に発達しており、その牙は赤い何かで濡れていた。
ソレはのそりと森から姿を現すと、キョロキョロと辺りを見渡す。
何度か周囲を確認した後、ゆっくりとこちらのほうを向いた。
直後、ニタァっとその顔を歪ませ私たちのいる方に走ってきた。
「紫音様!私の背後に隠れてください!!」
「え!?どうしたの咲楽!?」
咲楽はとっさに叫び紫音様の前に躍り出る。
メイド服のスカートに手を伸ばし左右に付けられているボタンを片手で外していく。
すると、メイド服のスカートが前と後ろで分割され健康的で美しい太ももが横からチラチラと見える際どい服に変わる。
例えるならそう、チャイナドレスのような衣装に変わるのだ。
いざといったときに動きを阻害しないために咲楽が特注で作らせた戦闘用のメイド服だ。
治安のいい日本ではあまり使われなかったが、海外などでは結構使われておりその足の犠牲になった人は両手の指では足りないとか…
戦闘準備が終わった時には咲楽とトラらしきものとの距離は正確かどうかは分からないが600mほどになっていた。
(結構早いですね…さて、どうしたらいいのでしょうか…)
咲楽は、目の前に迫る危機を回避するために思考を加速させていく。
いかがだったでしょうか。
誤字脱字報告よろしくお願いします。
次回はVSトラの戦闘をお送りいたします。
次回の更新は1月29日です。