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お嬢様とメイドの異世界探求譚  作者: 餡蜜
第一章:異世界転移編
18/20

第16話:緊急クエスト!

さて、ここまで来ましたか…

そろそろ第一章完結。

頑張ります。

文字数は約3200です。

 流石は冒険者といった感じだろうか、一時間もしないうちにそれぞれが準備を終え門の前に集まっていた。一様に緊張の面持ちで魔物が来る時を待っている。

 1時間ほどたったぐらいだろうか、森から魔物の混成部隊が現れた。連携を取ったのかは不明だが、見ただけでもゴブリンの上位種ホブゴブリン、ブラッディタイガーの下位種ブラッドウルフ、全身が岩のように硬い体毛で覆われたロックベアーがいることがわかる。


「来たぞぉおおおおおおおおおおお!!!」


 誰かは分からないが男冒険者の怒号が響く。

冒険者たちは一斉に武器を取り出し走り出す。それと同時にその後方で魔法使いと思われる人物たちが詠唱を開始しする。


「極寒の大地ち吹きすさぶ一陣の風よ、凍てつく大地を破壊しながら彼の敵を撃ち滅ぼせ!【メルギュス・ストーム】!!」

「炎獄の焔よ、全てを焼き付くして灰塵と化せ!【フレア・インパクト】!!」


 直径1mもある火球や、氷の弾丸、竜巻が発生し魔物を巻き込む。今ので十数体の魔物が巻き込まれ動かなくなる。それを撃った魔法使いたちは皆息切れを起こしている。中には地面に膝をついているものまでいる。

 あれで魔力がかなり減少したのだろう。

 しかし、まだ魔物は大量にいる。


「【ファイヤバレット】!」


 紫音が魔法を唱える。1㎝大の蒼炎の火球が空中に大量に現れ魔物の群れへと飛んでいく。それはまるで銃弾の嵐の様だった。

 紫音の魔法に当たった魔物が吹き飛んでいく。一度の魔法で7匹の魔物を紫音は葬った。

 私も仕込み刀を腰に構えて駆けだす。

 紫音も魔法を放ち魔物の群れをどんどん削っていく。私も魔物の群れに突っ込んでいき刀を振るう。


「ギギギ、ギガァー!!」


 一匹のホブゴブリンが錆び付いた鉈を振り上げ切りつけてくる。当たったらひとたまりもない攻撃を危なげなく躱すと、すれ違いざまに顎に掌底を当て吹き飛ばす。吹き飛んでいったホブゴブリンは後ろの魔物を巻き込み吹き飛んでいく。

 まだ、【身体能力強化魔術】は使わない。

 まだ何があるかわからないので温存するに越したことはない。

 次々とロックベアーやブラッドウルフを切り倒していく。

 ナイフなどの武器も出し惜しみしない。片方のナイフの柄に鋼糸を巻き付けそれを地面に突き刺す。鋼糸を手で操り魔物の首に巻き付けると思いっきり引く。魔物の首で鋼糸が締り魔物の首を飛ばす。そのまま鋼糸を引っ張りナイフを回収する。

 時に仕込み刀でロックベアーを一刀両断し、時にナイフでブラッドウルフの目を潰して視界を奪う。

 紫音にも気を使い、紫音の方に魔物が行かないように動く。

 紫音も私の動きを察しているのか私の陰に隠れるように移動しつつ魔法で魔物の数を減らしていく。

 そうしながら少しずつ魔物の数を減らしていく。

 それから1時間ほど経つと魔物の数はかなり減っていた。


「よし、あと一頑張りだ!気張れよお前ら!!」

「「「「「うおぉぉぉおおおおおおお!!!!」」」」」


 冒険者たちの気合の叫びが上がる。

 魔物もかなり少なくなっており、そこらかしこに魔物の素材が転がっている。

 魔物たちもここまで数が減ると森へ逃げ出す者もおり、その魔物を追いかけて数名の冒険者パーティが追いかけていくのも見て取れた。


「あぁー、疲れたー!」


 紫音が声を上げて地面に座り込む。


「森へ逃げた魔物は他の冒険者に任せて私たちは素材でも集めますか?」

「そうね、私結構魔力使っちゃったから咲楽お願いできる?」

「わかりました」


 落ちていた素材を集める。毛皮や骨など売れそうなものを集めながら投げたナイフを回収していく。周りの冒険者も素材や魔石を集めるものもいて小競り合いが発生しているところもあるが私たちには関係ないので無視しておく。

 皆が緊急クエストが終わって一休みついている、座って談笑している者もおりすでにクエストは終わったとばかりの雰囲気だ。

 その時―――


「ぎゃぁああああああああ!!!!」


 森から絶叫が迸った。

 突然聞こえてきた悲鳴にその場にいたものは顔を緊張させる。

 森からものすごい勢いで何か(・・)が吹き飛んできた。地面を数十メートル転がるとそれは静止した。それは手足がありえない方向に降り曲がった冒険者の男だった。


「ゴガァアアアアアアアア!!!」


 森の中からこの世のものとは思えない雄たけびが響き渡る。

 バキバキ!と木を破壊する音が聞こえてくる。

 森の中から赤色の巨体が出てくる。全長2mほどで太い腕には棍棒らしきものが握られている。―――オーガだ。

 冒険者たちが一気に臨戦態勢になる。中には逃げ出す冒険者がもいた。


「オーガだぁあああああああ!!!」


 冒険者の叫び声が上がる。

 オーリアさんと話し合っていた男がオーガに駆ける。その後ろを彼のパーティメンバーとオーリアさんが続く。

 オーガも近づいてくる冒険者たちに気が付いたようで振り向く。

 右上に持った棍棒を頭上に掲げ先頭の男めがけて振り下ろす。―――速い。

 男に当たる前に後ろから盾を持った男が飛び出す。オーガの振り下ろした棍棒を受け止める。


「ぐおぉおおお!?」

「大丈夫か、アルフ!?」

「なんとか!」


 その受け答えをしている間にもオーガは動く。左足を思い切り地面に叩きつける。瞬間、地面が揺れる。オーガのスキル【アースクエイク】だ。


「うお!?」

「きゃ!!」


 地面の揺れによって後ろから走ってきていた男の一人が体勢を崩す。後ろで紫音がこけそうになっていたがすぐに私が支えた。


「あ、ありがと咲楽」

「どういたしまして」


 オーガに視線を戻すと、オーリアさんたちがオーガを取り囲むように立っていた。盾使いのアルフという男が巧みにオーガの攻撃を受け流しながら他の冒険者が傷つけていくというヒットアンドウェイで徐々にオーガの体力を削っているようだ。オーガの一撃は大地を砕き木々を粉砕する。そんなものを喰らえば人体はひとたまりもない。先程森の中から飛んできた男の様に全身の骨が砕けるだろう。下手したら死ぬかもしれない。それでも、危なげなく避けていく。

 オーガの身体はどんどん傷がついていき、もはや傷ついていない箇所を探す方が難しいぐらいだ。

 そして―――


「グガッ!?」


 オーガが膝をつきバランスを崩す。


「よし!畳みかけろ!!」


 剣士の男が声を上げる。

それに伴い彼らが一斉に動く。


「ツインスラスト!!」

「シールドバッシュ!!」

「【アイススピア】!!」


 冒険者たちの一斉攻撃が突き刺さる瞬間、オーガが口の端を釣り上げ―――嗤った。

 瞬間、私の中で嫌な予感が爆発した。

咄嗟に紫音を抱きかかえる。


「ゴッガァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


 オーガの口から大音量の咆哮が放たれ、頭上に掲げた棍棒が地面を叩き割った。

 直後、オーガを中心に地面が爆発する。

 爆発の影響でオーガを攻撃していた面々が吹き飛ぶ。

 大体半径7mぐらい円形に吹き飛んでいる。


「う…ぁ…」

「い…いま、の…は?」


 吹き飛ばされた面々がうめき声を上げる。その中で一人剣を杖代わりにして立つものがいた。――オーリアさんだ。

 地面が爆ぜる瞬間、バックステップをしていたためなんとかダメージを少なくすることに成功したのだろう。だが、立っているので精一杯といった様子だ。


「グオォ…」


 オーガが緩慢な動作で棍棒を担ぎ直す。そして周囲を一瞥してオーリアさんが立っていることに気が付くとそちらに向けて歩き出した。


「咲楽」

「なんでしょうか」

「オーリアさんを助けられる?」


 静かに紫音が問いかけてきた。その眼ははっきりとオーリアさんを助けてほしいと物語っている。

 軽くため息をつくと紫音の問いに答える。


「可能です」

「お願い、オーリアさんを助けて」

「わかりました」


 次の瞬間、私はオーガに向けて走りだした。

 オーリアさんに向かって歩いていたオーガもどうやらこちらに気づいたようだ。オーガがふいに視線をずらしたのが気になったのかオーリアさんもこちらを向いて驚愕に顔を染めた。オーリアさんが何か叫んでいるような気もするが、生憎それを気にしている余裕はない。

 仕込み刀を握る手に力を籠めオーガに肉薄する。


いかがだったでしょうか?

誤字脱字報告よろしくお願いします。

諸事情により次回の更新が1週間遅れます。

次回の更新は5月6日です。

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