72話
元セイケイの女はニタニタ笑いセイにゆっくり近づいていく。
「グウゥゥ!『くそ、今は逃げるしかない!』」
セイは自分が動くと卵が追尾してくる事を確認すると、全力で逃げようと走り出したが元セイケイの女は余裕を崩さない。
「ぷは!逃げろ逃げろ、チキン野郎逃げれるならなぁ!」
セイは声を無視して走っていたが突然衝撃が襲う。
バチン!
「クキュ?!『ぐは?!』」
静電気を受けたような感覚がしたと思た瞬間に何かに弾かれるようにセイは吹き飛ばれた。
体格の良い男は諦めの悪いセイを哀れんだ。
「…………無様だな、新入り貴様が止めを刺せ。」
「あぁ?俺が殺るに決まってるだろが!新入りは後ろで見学でもしてろ!!」
「………………分かった。」
(…………なんだ?この違和感は、この新入りからか?)
黒ローブの新入りはフードで顔を隠していたがクスリと笑う口元がやけに印象に残り体格の良い男は疑惑の視線を送った。
元セイケイの女は新入りがセイに近づこうとするのを払いのけて倒れ伏しているセイを見下た。
「くくく、じゃあな卵はスクランブルエッグにでもしてやるよ!!」
振り降ろされたナイフは倒れ伏しているセイに迫ったがセイには異常な反射神経がある。
「コン!『よし避けれた!……あ。』」
振り降ろされたナイフは避けた筈が目の前に迫って来ていた。
斬りつけたのなら避けた筈のが、だ。
「ナイフは投擲物だぜ?」
眼前でのナイフの投擲、目視での反射運動は悪い方向に働いてしまった。
ザクドシュ!
ナイフは突き刺さり更にセイは衝撃で吹き飛ばされた。
バチン!
「キュウウン………『な、何が起きた?』」
「ありぁ?もう少し速く投げとけば良かったデスかね。そこのデカブツは運無かったデスね。そこのカマ野郎はどうデス?」
セイの脇には緑の液体とガラス片が今光となって散っていく回復ポーション。
そして腹部に赤いエフェクトの一閃が刻まれ倒れ伏してた体格の良い男。
「て、テメぇ何て事してくれやがる!!だいたい見れば分かるだろが女だろが!」
「アバターはデスね、私が言ってるのは現実の性別デスよ。アカハッカーの【モゾウ】さん。」
黒ローブの新入りは肩に大鎌を担ぎ歌うように気楽な口調で告げると、元セイケイの女改めモゾウは驚愕するがそれは一瞬で、直ぐ様攻撃にでた。
「?!!、ち、死ねぇぇ!!」
『はい、残念~。』
スウ………
「【ミストサクリファイス】」
「くぼっ?なんだこいつは…………」
モゾウは確かにナイフを突き刺さした筈であった者は黒の霧に変わるとモゾウの身体中に付着して欠損ダメージの赤のエフェクトが点々と煌めいた。
「ダミー消える時一番近くの者にダミーが受けたダメージを押し付けるスキルだよ。その変わりスキル注意は私のHPが1/5に成るんデスさっきのデカブツが良い一撃入れてたから運が無かったみたいデスね貴方は。」
「ちっきしょう…………。」
「クゥ『助けてくれたのか?』」
バサ!
黒ローブを脱ぎ捨てた新入りはそのローブでセイを包みこんだ。
「冗談、君には最高の舞台で死んでもらうんデス。だからフレイヤの元にお届けデス。あ、私の事は〖ヘル〗様と呼ぶんデスよ。」
「クゥン?!『おわ、振り回すな?!やめ、やめろう!!』」
ヘルはブンブンとセイ入りのローブ袋を振り回しながらフレイヤがいる方向に走りだした。




