67話
冒険者ギルドの受付で男は現在の状況に悩んでいた。
というのも依頼を受けるでもなくロビーにあふれかえる人々のせいであった。
「はぁ。」
「どうしたい?ため息なんてついてお前もライブ楽しめよ。」
「しかし転生者てのは以外に面白奴らだな、歌って踊るとかショボいと思ったらマジ可愛いしよ。お、ジョアンちゃーん!!」
だからと言ってギルド職員の女性をライブメンバーにいれるなよ!!と内心叫びたい気持ちで一杯に男はなっていた、空いた仕事は他職員がしなくてはいけない為ストレスがたまっているのだ。
そんな有様を冷めた目で素通りしセイ達は依頼が貼り出されたギルドボードでクエストを確認していた 。
「うっせー連中だな、歌うなら広場でやれっての。」
「まぁまぁ、連中はほっておいて昇格クエスト受けるぞ。」
「昇格クエストね、それパーティ組んでも大丈夫なのか?」
「ええ、大丈夫ですわよ?昇格クエストはそもそもパーティ前提ですし。オススメは討伐クエストのゴブリンとウッドウルフのクエストですわね、棲息区域が同じですし。」
いつの間にか隣にいたニコニコと笑う女性を見て驚く二人と胡散臭げに見るセイを見て少し不満げにセイの肩にのの字を書く女性を見てレタスとツナは震える声でセイに話しかける。
「お、お、お、おい何故セイがフレイヤさんと知り合いなんだ?どういう事だよ!?」
「あれ、おかしいな、フレイヤさんがセイに恋してるように見える?俺ラグッたかな?」
「どういう事と言われると胡散臭いキャッチトークに引っ掛かった哀れな被害者と加害者という関係かな?」
「んふ、もうセイさんたらポイデレなんだから、でも嬉しいですわ、何故かきゅんっとしましたもの。」
セイは何故かフレイヤと会う度に仲良くなるのは危険だと本能が警鐘ならすので冷たい態度をとったのだが、逆に警鐘は大きく鳴るばかりなのとツナとレタスから嫉妬の視線を向けてくるので普通に接する事にした。
とりあえずツナとレタスにはこれまでのいきさつをセイは説明するが途中から呆れた感じでいるツナ達は素直な感想をのべる。
「「何処のラノベ主人公?」」
「は?ただ周りに振り回されてただけだけど何か可笑しいか?」
「これも美しい女神様のお導きですわ、ねセ、イ、さ、ん♪。」