59話
冒険者ギルドでエリザベスちゃんの世話の依頼を受け依頼者がいる貴族区の前までセイは来ていた。
「む、何か用事か?此処から先は貴族の暮らす場所だ。たいした用事がないならお帰り願おう。」
「依頼を受けて来た、これが証だ。」
セイは貴族区の境界に立つ衛兵に冒険者ギルドから渡された依頼書を手渡すと衛兵は額に手をやりため息を吐いた。
「またあの方の依頼か、これで何人目だ……。」
「ん?何か問題が合ったのか?」
「詳しく知らないが依頼を成功した者はいない事は確かだ、それで愚痴を言われてる所を何回か見たことあるんでな。」
衛兵の話しにセイは冒険者ギルドでの周りの反応を思い出す。
(受付の苦笑いと生暖かい視線はそういう事か。)
「その愚痴の内容を詳しく教えてくれ。」
「ほう……良いだろ、だが聞いたからと言って変わるとも思えんがな。」
衛兵は厄介な依頼だと聞いても依頼を達成させようとする、セイに感心して職務上話す事は褒められる事ではないが詳しく説明する。
(クエスト破棄は罰金があるしな、それに失敗、破棄した時の周り奴らの反応はだいたい解る。)
失敗、破棄すればセイを妬んでる奴らの嫌みを想像してイラッとしたために面倒と思うより、逆に依頼を成功させてやろうとしたためだ。
衛兵の話しを聞き終えてセイは目的の場所に到着する。
「ここか……流石は貴族大きな屋敷だ、それにして聞いた通り門番がいないんだな。」
セイは門番の“人”がいない屋敷の前で少し待っていると屋敷の扉が開き老齢な執事がこちらに歩いてきた。
「ようこそお出で下さいました、私めは執事の【シュトル】と申します。依頼を受けて下さった方でございますね?」
「ああ、これを渡せばいいんだよな?」
セイは依頼証明の紙を 渡すとフムフムとシュトルは内容を確認する。
「セイ様ですね、依頼を受けて下さりありがとうございます。では屋敷に案内いたしますささこちらです。」
セイはシュトルに促されて屋敷に入り応接室で出された紅茶を飲みながら待つとシュトルが一人と一匹を伴ってやってきた。
「セイ様お待たせしました、こちらが我が主のメディー=シェパド様でございます。」
「初めまして私はセイと申します、ご依頼はしかと成功させましょう。」
「ほほほ、まぁ礼儀の良い転生者ですこと。あなたならエリザベスちゃんを満足させれるかも知れませわね。どう?エリザベスちゃん。」
「メ~~」
メディーはタレ目で正に貴族の女性と言った出で立ちに頭に何故か羊の角と羊毛を使った飾りを着けていた、ただしもうひとつ同じ飾りを頭につければ羊のコスプレと思うような飾りだが。
(危なかったな事前に教えてもらってなかったら思わず反応する所だ。)
セイはメディーの隣でこちらを睨む見た目と鳴き声は羊のオオカミを見てこれは一筋縄ではいかないかと内心ため息を着いていた。




