52話
ここまで読まれた方々、ブクマしてくれた方々ありがとうございます。
ではお楽しみ下さい(~・∀・)~
セイが転移したのは以前と同じ真っ白な空間だった。
何故かカウンセリング室ぽくアロマやベット、リラックスする音楽が流れているが……。
「やあ、セイまたやらかしたね。」
「言っとくけど普通にしてただけだぞ?それと……。」
白衣を着てメガネしたごっこ遊びのようなロキシーはやれやれと首を振る。
セイは若干ムッとなるがそれより気になる事があった。
「俺を睨んでる長ヒゲの渋い男は誰だ?殺気をビンビン感じるけど。」
そうセイを親の敵を見るように睨む、罰実行中のヘパイストスだ。
「あれは気にしな~い、さて本題、セイには事情がってVRMMOのテンプレをほぼ知らないのは、分かってるけど、話しの流れをねじ伏せるのは控えて欲しいんだ。」
「ねじ伏せるとか大袈裟な言い方だな。そもそもテンプレを知らないのにどうしろと言うんだ?」
ロキシーはふむとメガネをくいっと上げるとパチンと指を鳴らしNPCキャラ、〖街の娘〗、〖ごろつきの男〗を呼び出す。
「グヘヘ、良い身体してんじゃねぇか俺と楽しい事しようぜ!」
「イヤァァ!!誰か助けてーー!!」
呼び出されたゴロツキは街の娘の腕を取り強引に連れて行こうとする。
「おい……こんな不快なの見せてどうするきだ?」
「どうするもセイ自身が決めれば良いよ、でどうする?」
セイはロキシーの思惑に渋い顔をするがため息を吐き、ゴロツキに近く。
「オイ、発情ザルその人は人間だ、猿らしくメス猿を探せ。」
「ああ?!テメーこの俺様に喧嘩うってるのか!」
「そこの方、助けて下さい!!」
ゴロツキが叫ぶと、クエスト開始を告げるアナウンスが流れる。
『〖街の娘を助けろ!!〗のクエストが発生しました。』
「猿とケンカするか、さっさと……。」
セイは更にゴロツキを挑発するがゴロツキはセイの答えを聞くと無表情になり、街の娘に向き直る。
「グヘヘ、良い身体してんじゃねぇか、俺と楽しい事しようぜ!」
「イヤァァ!!誰か助けてー!!」
「は?、どうなってるんだ??」
挑発したのに関わらず最初と同じやり取りを始めるのを見てセイは戸惑った。
ロキシーは思い通りになりニカッと笑う。
「はは!上手く言った、それが〖エアリアオンライン〗以外のVRMMOでは一般的な反応さ。」
「これが?どこかモンスターと同じ感じだから違和感あったけど。」
ロキシーはセイの反応になる程と納得する。
「あっ、やっぱりセイには「嘘を言うな!。我等の違いを感だけで分かる分けない!。
やはりこいつはハッカーに違いないロキシー、先輩!」……。」
ロキシーは、えーーと引いた顔でヘパイストスを見た。
「あのさ、君の気持ちはミジンコ程分かるけど話しに割り込まないでくれるかな。
前に着てみたいとリクエストされた服今着せちゃうよ?」
「ひぃ!ごめんなさい、私が悪いいです!だからそれだけは許して下さい!!」
ヘパイストスは前にとても女性に似合う今現実で流行の服をリクエストした事があった。
(着たいと言っていたのが怯えるとかどんな服だよ……。)
セイは想像しそうになったが精神的によくないと顔を振り考えるのをやめた。
「こほん、これで分かってくれたかな?他のプレイヤー達はこのテンプレに程そって進めてる。セイは意図的じゃないけど、新たな選択肢を作り出してるんだよ。
それも許容範囲をギリギリ外れたとこで。」
「ん?許容範囲てどのくらいなんだ?」
「その説明をしようね、ヘパイストス君ボードを。」
ヘパイストスはしぶしぶホワイトボードを運んできてロキシーは書いていく。
_________
【通常】
〖クエスト発生〗
⇩
〖Yes〗or〖No〗 ⇩ ⇩
クエスト開始 クエスト破棄
⇩ ⇩
クエスト達成 特殊クエスト発 ⇩ 生か特に無し
報酬獲得 ⇩
⇩ ⇩ 【関係ワールドパラメータ変動】
【セイの場合】
〖クエスト発生〗
⇩
変則クエスト発生!
⇩
クエスト開始
⇩
関連クエストに影響発生
⇩
ワールドパラメー タに不規則性がでる
⇩
影響チェックで運営に徹夜組発生
⇩
ロキシーはカウンセリングで忙しい
⇩
僕だって休みたいんだよ?
____________
ワールドパラメータとはいわゆるバタフライ効果のことだ。
小さな事でも大きな事柄に繋がる可能性を表す。
セイはホワイトボードに書かれた内容で自分の行動で徹夜組が出たのにちょっと罪悪感がでて頬をかく。
「あーなんだ……色々運営の人達には悪い事したな。」
「あれ?僕には何もないの?」
「いや、ロキシーは喜んでカウンセリングしてるだろ?
罪悪感は全然ない。」
キッパリと言うセイにロキシーは舌を出して笑う。
ヘパイストスはロキシーのその姿に若干身震いした。
「セイはほんと感が鋭いね、そうだね少し楽しんでるかな?」
(絶対ドSだ、しかも優しいドSとかたち悪いな。)
ある意味カウンセラー向きだが患者には知られてはならない真実だ。
「絶対とは言えないが、まあやってみるよ。それで話しはこれだけか?」
「本当はこれでお終いだけど、個人的に気になる事があるんだよね。セイって自分のステータス確認してるかな。」
「ステータス確認する必要あるのか?スキルレベル上がれば新しいアーツや魔法が使えるのは知ってるけど。
今知ってるので充分戦えてるわけだし。」
ロキシーはセイの答えに疑問が浮かび確認する。
「……セイは今までどんなゲームした事あるのかな?」
「シュウティング系とほのぼの系だな、そう言えばRPG系はなかったな。」
ロキシーはそうだったと、現在のゲーム事情を思い出す。
VRゲームが登場してから今までのRPG系はほぼ全てVRゲームに移行した。
RPG系をやる者の殆どがよりリアリティを求めた為だ。
「まあそれでも良いけど、アーツ、魔法の威力、リキャストタイムは使用回数に比例するから出来るだけ、まんべんなく使うのが理想だよ。」
ロキシーの懸念は今はプレイヤーに知られていない、使用頻度の差によるマイナス補正がある事だ。
これに陥るとマイナス補正がかかったスキルは威力半減、消費MP、リキャストタイムが倍になる。
よほどの事が無ければ絶対に使わないプレイヤーなどいないはずだが、セイは例外のようだ。
「うーん、そうだなこれからはチェックして試してみるか。」
「そそ、何事も可能性を広げないとね。
ああ、それともう決まったかな?僕への願い事。」
「あ!忘れるとこだった、お願いしたい事だけど………。」
セイはロキシーに考えてた願い事を話す。
「うん、大丈夫というより一つはもうクエストとして最初からあるからね。まだ見つかってないだけで。場所を教えるよそれと絶対最初にその子を店に入らせてね。」
「?わかった、もう一つは?」
「そうだね……2日程かかるかな?こちらとしてもありがたいし。」
謎の部分もあるがお願いした事が通ると聞いてホッとする。
そしてロキシーはセイに頼み事がある時連絡すると言い、セイを元の場所に転移させた。
この作品は不定期更新です。




