45話
違和感があった為、ハル達のバトルシーンを追加しました。
セイの無謀な発言にライは怒鳴りつける。
「な、何を言ってるだよ!そんな事したらセイは一瞬でやられちゃうよ!!」
「ハルがやられても同じだろ!俺が時間稼ぎしておくから。
大丈夫、避けるのは得意だ。」
ライはハルの方を見て苦悶する。
(ハル姉さんの武器じゃ、小さい相手は厳しい……小さい?そういう事か!!)
ライはシャドードッペル達の攻撃を弾きながら、ある答えに行き着き、セイを見れば『行って来い』と笑みを浮かべいた。
「セイ、行って来る!!」
「早めにな。」
ライはハルの方に駆け出したがシャドードッペル達はセイをターゲットにしている為、ライは無視しセイを叩き潰そうと迫る。
(こっからは俺次第か、全くなんで普通に行かないものかね。)
ログインして穏やかに今ところしてない事に不満になるが目の前に集中する。
シャドードッペル達の攻撃はハンマーのアーツ技を使わないがセイの影は魔法を放つ、ならばと自分の影に迫る。
セイの影はファイヤーボールを放ちハル、ライの影はセイを追撃する。
ファイヤーボールをよけ影の目の前に来て止まりセイは後方に手をかざすとそれに反応してライの影がハンマーを横薙に振るった。
ドゴ!ボフ!!
「「?!」」
だが反応したのはセイの影もだった光の魔法〖ライトボール〗威力はほぼなく、ヘイトを稼ぐだけの魔法をセイの影は打ち込みライの影はフルスイングし当てようとしたがセイがしゃがんでよけた為に体制が崩れお互いを攻撃してしまった。
その隙を逃さずにセイは〖フェアリーフォックス〗にトランスした。
「コン!!『よし、上手くいった!!』」
セイは思い付きの作戦が上手くいったのを喜んだ、ハルの影がそんなセイにハンマーを叩きつける。
「クォ!『よっ、危ない油断禁物だな!』」
「……!!」
そして〖フェアリーフォックス〗の身体が小さいのを利用してセイはハルの影の足元に張り付き、迂闊に他のシャドードッペル
が攻撃出来ないようにする。
セイは時に危なげよけ隙が出来たら〖ファイヤーボール〗を放つ、徐々に闘いに慣れてきていた。
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ハルは苦戦していた【フェイクレイス】が子ぎつねになり小さい為ハンマーでは当てにくいのもあるが。
(もー!何で可愛い子ぎつねになるのよ!)
可愛らしい見た目の為どうしてもハンマーを当てる事をためらう。
ハルはそんな相手にどうして許せないものがあった。
「グー!グォン!『小娘!我々の復讐の邪魔をするな!!』」
一瞬動きが鈍った所にファイヤーボールが迫りハルの体をかすめる。
(どうして声がそんなに低いのよ!!違和感が凄すぎよ!)
【フェイクレイス】の声は某映画の未来から来た機械兵の声に凄く似ている。
「ハル姉さん!!」
「輝!セイはどうしたの!!」
「本名……セイが”早く倒して来い“って頑張ってる、さっさと倒すよ!!」
ライはハルがリアルの名前をいった事に苦言しようとしたが、それどころではないと、言うのをやめた。
「オッケー……何時ものやるよ!」
「うん!ハル姉さんから宜しく!」
「グォン!『貴様ら!!』」
ハルとライがフェイクレイスを挟んで相対するとフェイクレイスは怒りの声を上げた。
『スタンスマッシュ!!』
ハルは鎚のアーツ〖スタンスマッシュ〗使用者を中心とした半径3メートルの地面を揺らし動きを止めるアーツだが、アーツ発動後6秒間動けなくなり、仲間も巻き込む為扱いが難しい。
「グォン!『そんな攻撃避けるのはたやすいわ!』」
「普通は、ね!。」
ドゴ!!
「グ、グォ!!『ぐ、ぐは!!』」
ライはタイミングよくフェイクレイスに向かってジャンプし叩き落とす。
「グ、グォォ!?『う、動けん!?』」
フェイクレイスはハルのアーツ効果〖スタン〗の持続時間内に叩きつけられて4秒間動けなくなる。
ライは上手く効果時間ギリギリで叩き落とし、ライは上手く効果時間外で降り立つ。
「とどめの一撃入れさせて貰うよ!!」
ライは身体をひねりハンマーを握りしめ、後方へ引きアーツ発動のモーションを取りハンマーがライトエフェクトに包まれる。
「グォォォ『許さんぞ、小僧!!』」
怒りの声を上げ、フェイクレイスはセイに変化した姿を捨て、頭がドクロを模した鏡、身体がボロ布を纏った霊体となり、霊体の腕が伸びライを捉えようとする。
(うわ……やっぱり苦手だな~あの姿。)
迫る腕にライは落ちつき、やはり慣れないと思う、幽霊は怖くないが骸骨やゾンビなどグロいのは鳥肌が立つくらい苦手だ。
フェイクレイスの腕がライまで一歩で届くまで迫った時、ハルが動く。
「〖ダークアトラクト〗!!」
「ぬぅぅ!?」
フェイクレイスはハルに急な危機感を抱き、その場を離れようとする。
闇魔法=〖ダークアトラクト〗は敵対する相手全員が持つ、仲間へのヘイト値を一瞬引き寄せる、がMPを半分消費する、しかし効果は絶大ヘイト値が高い程強い敵がいると誤認させる。
「〖チャージングスマッシュ〗!」
ズガシャン!!
「グアァァァァ!!」
フェイクレイスの鏡にライのアーツ〖チャージングスマッシュ〗が激突し鏡は砕け吹き飛ばした。
剛鎚スキルのアーツ=〖チャージングスマッシュ〗、〖剣豪〗と同じ3階位、一撃必殺の威力があるが溜めに入ると相手のヘイト値が急上昇し、動けなく防御力が30%落ちる。
「何度でも必ず、戻ってくるぞ!貴様らぁぁぁ!!。」
フェイクレイスは光になり消え去る時、捨てゼリフを吐き消えていった。
ライは安堵の息を吐くとハルが、セイを助けるわよ、と背を叩いた時、セイのいる場所から盛大な火柱が上がり、ハル、ライは急いでセイの元に向かった。
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セイはガラスの割れる音を聞き、ライ達の方はフェイクレイスを無事倒したようだと小さく笑う。
だがそれと同時にハルの影が何やら叫ぶと変化がうまれる。
ハルの持つハンマーから炎が吹き出し、装備品が一瞬で炎を放つ防具に早変わりする。
「ク、クーン?!『お、おいおいなんの冗談だよ?!それにこの感じはさっきの………』」
「シヲ……ブジョ……シタバ……」
ノイズのかかった声で何かを喋っているハルの影だったモンスター、セイは焦りステータスの確認をする。
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×*~:!@:#?
レベル50(30)
▷■⊿◦♯•♬✓
【ヘ♯イ&ト*の加護】
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(ステータスがバグってる?!何だよこれ?)
バグモンスターとなったハルの影が動きだしたのを見て、ハッ!となりセイは急いで他の影達を盾にするように立ち位置を変え安堵する。
「クゥ?!『さすがに仲間を攻撃……するのかよ?!』」
バグハルが地面にハンマーを叩きつけると、セイと影達の足元が真っ赤にそまり、慌てて移動するとそこから火柱が盛大に吹き出しセイとライの影は消滅した。
『ク、クー……「こ、怖えぇぇ……」』
「ワタシ……サソイコ…ルヤツハナ……テヤル」
セイは若干震えながら後ずさりする、バグモンスターの姿は更に変わり鎧、兜に包まれ目を赤く輝かせた、もはや元のシャドウドッペルではない。
「セイ、こっちは終わったけどいったい何があったの!?」
「ラ、ライおかしいわ、ステータスがこんな事今まで聞いた事もない!!」
ハル達の方はすでに【フェイクレイス】との戦闘を終えてセイの方へ加勢しようとしたのだがそこに先程の火柱を見て戦慄した。
バグモンスターは再びハンマーを何度も地面に叩きつけ、セイがよけた先から足元に火柱を出し続ける。
セイはちょっと泣きそうになりなる。
「コン!!『ハル、ライ何とか成らないのか!!』」
「セイ……〖鍛冶〗スキルでも解らない武具なんて異常よ、もう諦めるしか……。」
〖鍛冶〗スキルは武具の生産の他に見た武具のステータスが分かるがレベル差が有りすぎる相手の装備品は見れない。
「僕はやるよ、どうせ逃げれないなら、あいつに挑んだ動画くらい撮らないと採算合わないよ。」
ライの言葉にバグモンスターはピクリと反応した。