1話
『今、私は大ヒットVRMMOにログインし、中継して皆さんにこのゲームの楽しさをお伝えして参ります。
いや~最近のVR技術は凄いですね、中野アナ。』
『15年前までは、画面ごしでプレイしていたインターネットゲームが、今ではゲームの世界に入って遊べるうえに、体感時間は現実の2倍、現実経過は半分。つまり30分で一時間遊べるんだから技術の進歩には驚きですね。
そうそう視聴者は説明に疑問に思われますね、現在アップデートに伴うメンテナンスの為加速倍率を現実に同期させて、運営会社協力の元、放送しています。』
VR技術、データ仮想空間に入り現実の身体に影響なくアバターを動かせる技術は、医療から軍事、教育、ゲームと順に広がり今では午前中の2時間30分(VR内では5時間)は仮想学校で勉強して、午前中または午後から実技、(体育以外は選択式)の授業を受けるスタイルだ。
『そして私が要る世界〖エアリアルオンライン〗は多種多様のゲーム会社による合作により生まれた、もう一つの本物の世界それが……』
「『エアリアルオンライン!!』く~!早くやりたいな!アップデート楽しみだなー!」
「は~……テレビにかじり付いてないで、早く食べろよ、俺は早く学校いかなきゃいけないんだからな。」
妹の姿に呆れてため息をついた。
安倍川晴明は嬉しそうな妹を羨ましく思いながら窘める。
「ぶー!いいじゃんもう夏休みなんだし、ゆっくりしても!それより何回も言うけど、お兄ちゃん髪伸ばした方が絶対格好いいよ、伸ばしなよ!。」
晴明の容姿は、ファンタジーに出てくるエルフのように整った顔立ちで背も175と高いが本人は髪洗う時面倒だからと、ずっとスポーツ刈の頭だ。
「面倒だからいいわ、あっでも近い内に視れるかもな俺の長髪姿。」
「え?!やっと届くんだ!お兄ちゃん専用のダイブギア、これで一緒に遊べるね!」
とある理由から晴明はVR仮想空間に入る事が出来ずにいたが、やっと耐用機が完成したのだ。
「その為にも補習終わらせて来るよ、ご馳走様。自分の分洗っておけよ、さくら。」
「あっ待って!ハフハフ……ご馳走様!お兄食器洗いお願いね!ワタシ、夏休みの課題カタズケルから~~」