第8話
台詞多いです。
「食べないの?この唐揚げ、この店の名物なんだって!」
「は、はい。ありがとうございます。」
私は、唐揚げがのった皿を受け取った。
私達は今、会社から歩いて数分のところにある、とある居酒屋に来ている。そう、打ち上げだ。私は今打ち上げというパーティーに参加している。私の右隣には篠原さん、左隣には同じオフィスで働く如月さんという女性が座っている。
「・・・っ、」
「わっ、神崎さん大丈夫!?」
「・・・はい、思ったより熱くて・・・」
「ああ、ここ注文を受けてから揚げるから・・・」
如月さんからお酒ではない、氷の入った水を受け取った。
「大丈夫か?」
「・・・はい。」
「猫舌なのか?」
「そうですけど、唐揚げが熱すぎたんです。」
「そうか、気をつけよう。」
「篠原さんも良かったら食べませんか?良い経験になると思いますよ。」
「遠慮しておく。俺も猫舌なんでな。」
そうだったんですか。分かりました。今度からしっかりお湯を沸騰させてから出すことにしますね。
「・・・如月さん、お水ありがとうございました。」
「うん・・・大丈夫?」
「はい。」
私がそう言うと、ホッとしたように顔を和らげ良かった、と言って目の前の料理を食べ始めた。
「・・・篠原さん。」
「何だ?」
「私、今なら友達が出来そうです。」
「急なボッチ発言だな。」
「はい、生まれてから一度も(現実世界で)友達が出来たことませんから。」
「・・・それは、つまりいじめか?」
「はい、中・高の間でしたが。」
そう言うと頭を撫でられた。
「これって不幸自慢ってやつですかね?」
「知るか。ま、良いんじゃないか?お友達作り。」
ふーん、と適当に返されどうでもよさそうに答えた。
「・・・篠原さんって友達います?」
「どうした急に。」
「いや、私と同じ人種の匂いがしたので。」
「友達・・・本田だな。」
「本田さんですか?」
就職してから知り合った友人だけどな、とぽつり溢した。
「俺も社会人になるまで友達とか居たこと無いな。」
「篠原さんが、ですか?」
「ああ、ずっとネットか本読むことしか生きがい無かったな。」
「ネット、ですか?」
「引くか?」
「いえ、私もネットの住人ですので。」
私がそう言うと篠原さんがこちらに顔を向けてきた。
あれ?本当に同じ人種の匂いがしてきた。
「ネットの住人って・・・お前相当入り浸ってんのか。」
「まあ、休日はパソコンの前に居座るのが大半ですね。主にゲームや動画見たりしてます。」
「動画って〈YouLife〉か?」
「え、はい。篠原さんもですか?」
篠原さんは無言で頷いた。私たちはしばらく見つめあった。あれ?友達できるかもしれない。私たちはその後、互いの好きな動画等について語った。打ち合いとは・・・私が想像していたものよりも遥かに充実したものだった。