第3話
〈幻想世界〉MORPGは100万ダウンロードを超えた今人気のネットゲームだ。最大レベルはLv.150。
このゲームはプレイヤーやステージ背景が綺麗でまさに幻想的かつ立体的だ。
移動等は画面右下に表示される地図をクリックする。細かい動きは地図を拡大して、長距離移動は地図を縮小する。この機能は慣れるのに時間が掛かるが、慣れれば便利な機能だ。また、プレイヤー設定も様々で顔は配置・パーツ、髪型は数十種類。身長もメーターで好きなように設定ができる。
ゲームではいくつかの部屋があり、部屋に入室できる人数は100人と制限されている。部屋とは他にギルドという機能がある。ギルドは入会登録したプレイヤーとギルドルームという広場で集うことが出来る。ギルドメンバーは最大100人まで登録できる。
チャットはマイクと音声設定すれば音声で会話が出来る。チャット画面にはマイクに向かって話した言葉が自動で打ち込まれるのでタイピングでも会話は出来る。音声は自分の声だけでなく、音声機能に設定されている数千パターンで好きなよう設定できる。男性が女性の声に設定したり、好きな声優の声に設定したり等。
ボイスチャット機能は多くの使用者から好評価を得ている。これは、狩りの途中にタイピングしていたら死んでしまうのでそれを防ぐ為だ。ちなみに私は少し低めのかっこいい女性の声に設定している。
「こんにちは。」
私が所属するギルドは〈S.W〉 ―シルバーウルフ ギルドメンバーは61人。
「あ、こんにちはー〈あおば〉!」
「よお、〈あおば〉が来たら金曜日って感じがするなー」
上がこのゲームで最初に友達になった〈たけのこの兄〉、職業は盗賊でレベルはLv.110。子供の男の子の姿をしている。見た目は猫の模様や形の装備が多い。少し不思議ちゃんな感じがする。
下はこのギルドのマスター〈シンヤ〉このゲームを始めた時にお世話になった人で、職業は聖騎士でレベルはLv.150レベルカンストしている。私がソロでレベル上げしていたら話掛けてきて、経験値のいい狩場や高スキルの武器等を教えてくれ、ギルドに誘ってくれた人だ。そして、〈あおば〉というのは私のプレイヤーネームだ。
他にもギルドルームにいた人が返事をしてくれた。適当に返事をしながら2人に近づいた。
「今バレンタイン近いから、仕事も増えて・・・もう少ししたらIN率増えるよ。」
「おう、まあほどほどに頑張れ。」
ギルマスが〈しぐさ〉でGood jobをしたので〈しぐさ〉でOKと返した。
「はーい、で?今日どこに行く?やっぱイベントいく?」
「そうだね、イベントアイテム結構高く売れるし。」
たけのこ兄が〈しぐさ〉でゆらゆらと揺れている。
私たちはギルメン数人を誘って期間限定イベントステージに向かった。