第2話
私は 小・中・高といじめられていた。標準を上回ったこの体がいじめの原因になった。昔から人と接するのが苦手で引っ込み思案だった私には小学校から大学を卒業するまで友達と言う存在がいなかった。
神崎葵 26歳大企業の総務部に所属している。
入社してすぐこの体を見てオフィス内のほとんどの人が私を蔑んだような目で見た。仕事でもそう、雑用は他人の分まで押し付けられ、やっとまともな仕事が来て頑張ろうと思ったが、分からないことを聞いても蔑ろ。そんな中、たった一人だけは違った。篠崎さんだ。
篠崎さんが私に仕事を教えてくれた。分からないことは聞け、勝手に判断するな・・・以前よりもよっぽど激務だったが、楽しかった・・・嬉しかった。篠崎さんからの指示に雑用は沢山あったが、苦痛だとは思えなかった。だが、私の肥満体型には堪えたようで身長160cm 体重61㎏あった体が今では10㎏も減った。オフィスの人達からは痩せたね、かわいくなったね、と言われたが最初のころの蔑んだような目はいまだに忘れられない。
私は人と接するのが怖くなっていた。高校生の頃はご飯を食べていただけで悪口を言われた。体育の時間なんて大嫌いだった。座っていられる座学が好きだった。親にも体が醜いと言われ、私は親に認めてもらいたくて・・・好かれたくて勉強を必死で頑張った。頑張りが認められたのは大学受験合格した時だった。偏差値が高く、有名企業への就職率も高い。そんな大学の受験合格通知を親に見せた時、とても喜ばれた。お父さんもお母さんもわたしに笑いかけてくれた。今の会社に就職したときもよくやったわね、と褒められた。私はすごく嬉しかった。でも、どこか悲しかった・・・息苦しいと思えた。
高校生のころ、パソコンで調べ物をしていたらサイト広告の欄に目が止まった。MORPG 複数のプレイヤーと一緒に遊べるネットゲームだった。そのゲームは部屋と言うものとギルドというものがあった。部屋は入室出来るプレイヤーの数が決められていた。ギルドはギルドに入会しているプレイヤーが集まれるルームを作成出来る。ギルドメンバーと一緒に狩りをしたい場合はギルドで入る部屋を合わせたりできるものだ。
私はそのゲームをプレイしてみることにした。話し相手が欲しかったのだ・・・。初めてのネットゲームは意外と難しかった、何度も死んだ。でも、初めて友達ができた。
就職してから数年経つが、こちらの世界では未だ友達と言う存在が出来なかった。ネットゲームは画面越しに文字で会話をしていたが、現実世界だと対面で会話だった。今でもあの蔑んだ目を思い出す度に怖く感じた。だから、人と話すときは必要最低限だ。篠崎さんと本田さんを除いて、だが。
ああ、話が纏まらない。
今のところ(一応)覚えておく人物は
*主人公 神崎葵 *コーヒー男
*篠崎さん・部長 *本田さん ですね。