プロローグ
むか~しむかし
あるところにお爺さんとお婆さんが…と言った話では無く
仲の悪い兄弟が居ました。
その兄弟は、小さな頃からよく喧嘩をしており…
その喧嘩は、歳を増す毎にどんどん強大になっていき
今では、1つの国を2割に分けて殺し合いの戦争にまで発展した
その兄弟喧嘩に巻き込まれた国民は嫌気がさして、違う国へと逃亡していった
何もない更地を開拓していき、今では争いもない幸せな国が出来たそうだ
そんな中、その国の噂を聞きつけた兄弟は腹を立て、兄弟での争いをやめて二人で結託して、その国を潰そうと企てた
国民達は、なんとか抵抗するのだったが虚しく、状勢は悪化する一方…
そこで、国民達の国は近くにあったもっと大きな国、帝都『ケケペラード』の傘下国に入り、政府の力を借りてなんとか守りきって来た
行く年が過ぎ…兄弟達は死に、その子孫は攻撃を仕掛け続け、子孫が死んではまた子孫に受け継がれる
3代目、4代目と引き継がれた子孫は、頭を使い…がむしゃらに攻撃するのでは兵力も体力も持たないと思ったのか…
兄の子孫は、自国の周りにあった村や町を…
弟の子孫は、自国の中にある小さな集落や町や村を壊滅し始めた
と言うのも、元々この兄弟達が争っていた理由が、魔法の力に優れた兄と武術の力に優れた弟が、どちらが強いと言うことで戦争に発展していった
もちろん、その国の国民達も魔法や武術に優れた者もいた
しかし、そう言った者達も兄弟に愛想を尽かし国外に出てケケペラード傘下の国へと亡命して、相手国の強化を恐れた兄弟の子孫は、村や町を壊滅していったのだ
家を焼き払い、隠れる国民を探しては惨殺していった
女子供は関係なく、抵抗するものには容赦無く…
使える者は強引に引っ張っていき自国の兵力として徴兵していった
そんな中、命からがら助かった子供は必死にケケペラード目指して逃げた
道のりは長く途中で息絶える者も居たが…その屍を乗り越え、相手の素性も分からぬ9人の少年少女の子供達が見事ケケペラード傘下国の国民達の国『モスデス』に亡命を果たした
国民達は、子供達を受け入れ国へ招き入れた
しかし、その子供達も魔法や武術に優れていると言う事で、政府は兵力として使うと決めた
子供達も、自分達の親兄弟…町や家を壊され、反対するものは居なかったが、そんな辛い経験をしてきた子供達にはもっと普通らしい普通の子供に育って欲しいと言う要望も多数あり
兵力とでは無く傭兵として、たまに助けて欲しいと…そして、名前も年齢も分からぬ今、モスデスに逃げてきた時を、1歳と数え…18歳になる頃には傭兵とでは無く兵士として働くことが約束された
10人の子供達は、モスデス唯一の高校の校長に引き取られ、傭兵家業以外は普通の子供の様に学校に行き友達を作り、恋する事…愛する事、世界の情勢、そして戦争の事を覚えて欲しいと言う事で、一風変わった学生が増えた
そして校長は、家族の暖かさや笑う事を覚えさせる為にも、子供達を数年間、教師に預け家族の温かみを学ばせた
そして…十数年と時が経った……