詩 ぬい活
カバンに彼女は、たくさんのぬいぐるみをつけている。
「今、推している人達なの」
そう言う彼女は、うさぎのように白い肌で、頬が少し紅潮している。
「今、推しなの?」
「そう。服とかも自分で作っているの」
「服!? 凄いじゃん!!」
手作りだとは思えない出来栄えだった。
俺の彼女、器用じゃないかと褒めたくなる。
「ちなみに、俺は? いないの?」
「それは…」
彼女がもじもじして言ってくる。
「もちろん、推しだけど、その、皆に注目されて、とられたくないから」
くー。
何て可愛いことを言うんだ。
俺も四六時中、一緒にいたいと願うが、まだまだである。
推しのぬいぐるみが羨ましい。
「推し、やってみる?」
「え、俺? 俺はいいかな」
それよりも彼女の背後に回り、後ろから抱きつく。
「きゃあ!!」
彼女が驚いた声をあげたが、柔らかな肉の感触に、いい香り。
俺自身がまるで推しのぬいぐるみになったかのような状態。
彼女も困惑しながらも、拒絶しない。
「その…気持ちいい?」
「当たり前だろう」
顎を彼女の頭に乗せ、言葉を発する。
目立つに当たり前だが、2人を祝福するように、小雨が降ってくる。
これは結婚式の余興か。
空を見上げれば、雲の白いブーケらしきものがあると、錯覚する、
俺、やばい。
先走り気味か。
彼女を離そうとすると、磨かれた爪が綺麗な手が、俺の腕に寄り添ってくる。
やった!! 彼女も同じ気持ちらしい。
ありがとう、応援してくれる人達!!




