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3.収入と源泉徴収の計算が合わない?  

※※※※※※※※※※※※

今回の話のポイント。


収入は支払明細書の税抜小計と消費税の合計金額。(課税売上高1000万円以下の事業者は消費税が免税されるため)

源泉徴収は税抜小計基準で算出しているので差異がある。(源泉徴収の計算では消費税分を含まなくて良いため)

収入として登録する日は原稿料の連絡をもらった日。(お金が振り込まれた日ではない)


※※※※※※※※※※※※



 税金については分かりました。

 では税金の計算で用いる収入と言うのはなんなのでしょうか?


 収入の説明は確定申告について解説しているサイトにたくさん載っています。

 ただ原稿料はかなりイレギュラーな部類らしく、一般的な解説ではあまり説明されません。

 ある程度大きいサイトなら作家・webライター用の確定申告の解説ページがありますが、そちらは大きな枠組みで解説しているので気になった点が載っていませんでした。


 調べていて私が気になった点は二つあります。

 ・支払明細書のどの金額が収入なのか?

 ・収入と源泉徴収額に差異があるのはなぜ?


 一つ目は「支払明細書のどの金額が収入なのか?」です。

 原稿料の支払明細書を見ると税抜小計(10%対象)・消費税(10%)・源泉所得税額・差引合計と様々な金額が並んでいます。

 普通に考えれば税抜小計(10%対象)+消費税(10%)の合計金額が収入のように思います。

 消費税分も収入と考えるのは、副業レベルの収入であれば消費税は免税されるためです。

 国税庁のサイトには下記のように書かれています。※1

 [消費税では、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、その課税期間における課税資産の譲渡等および特定課税仕入れについて、納税義務が免除されます]

 税金として納めず手元に残るならそれは収入でしょう。

 ただなぜわざわざ分けて表記するのかが気になります。

 その疑問は二つ目の気になる点を調べることで解決しました。


 二つ目の疑問は「収入と源泉徴収額に差異があるのはなぜ?」ということです。

 源泉徴収と言うのは税金の先払いです。

 であれば収入の10.21%が源泉徴収の金額だと思います。

 しかし支払明細書に書かれている源泉所得税額は税抜小計(10%対象)を基準にしています。

 これはどういうことでしょうか?


 いろいろ調べてみると国税庁のサイトにこのようなことが書かれていました。※2

 [5 報酬・料金等の額の中に消費税および地方消費税の額(以下、「消費税等の額」といいます。)が含まれている場合は、原則として、消費税等の額を含めた金額を源泉徴収の対象としますが、請求書等において報酬・料金等の額と消費税等の額が明確に区分されている場合には、その報酬・料金等の額のみを源泉徴収の対象とする金額として差し支えありません(注)。(注) 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式(インボイス制度)開始後も、上記の取扱いは変更ありません。]


 支払明細書に報酬・料金と消費税が明確に区分されているので報酬・料金のみを源泉徴収の対象としている。

 理屈としては理解しました。

 しかし企業側が合計で支払う額は変わりないのになぜこんなややこしいことをするのでしょうか?

 気になったのでいろいろ調べてみたのですが情報が出てきません。

 一応理由を想像してみるなら、企業の経理の都合とかなのでしょうか?

 こういう情報の少なさがややこしい所だと思います。




 とりあえず収入は分かりました。

 原稿料以外の収入については別の話なので詳しくは触れませんが、株式投資で節税のために一般口座や特定口座(源泉徴収なし)を選択している人は注意が必要です。


 次に気になるのは収入というのはいつからいつまでのことなのかということです。

 期日までに原稿を送り、確認&必要なら手直しを行い、OKであれば納品完了となり、次の月にお金が振り込まれます。

 この時、収入として扱われるのはいつなのでしょうか?

 これが分からないと12月~1月の時の収入がおかしくなってしまいます。

 調べてみると国税庁のサイトに記載されていました。※3


 [その年において収入すべき金額は、年末までに現実に金銭等を受領していなくとも、「収入すべき権利の確定した金額」になります。したがって、実際に金銭等を受領したか否か、また、代金を請求したか否かは関係がありません]


 つまりお金が振り込まれた日が収入があった日ではないということでしょうか?

 これについては福地税理士事務所のサイトでもう少し分かりやすい説明がありました。※4


 [売上の計上時期には注意です。例えば原稿料。8月分の原稿料を8/20に納品。9/10に入金があった場合、売上は8月分・9月分のどちらになるでしょうか。基本的には、仕事を納品した日が売上日、つまり計上のタイミングになりますこれを「発生主義」と言っています。]


 完全に勘違いしていました。


 仕事を納品した日というのは、実際のところ納品&必要なら手直しして原稿料の連絡をもらった日だと思います。

 今まで原稿料が振り込まれた日で記録していましたのでこのままだと年をまたぐ際にずれることになっていました。

 本当にこういう情報は一か所にまとめておいてほしいと思います。


 ようやく収入についてなんとなくイメージはつきました。

 次回に続きます。




参考にしたサイト


※1 No.6501納税義務の免除

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm


※2 No.2795原稿料や講演料等を支払ったとき

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2795.htm


※3 No.2200収入金額とその計算

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2200.htm


※4 漫画家さんの確定申告【売上編】

https://fukuchi-tax.com/manuscript-fee/

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