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第三話「ブックマーク開いてみた」

草の上に腰を下ろしながら、俺はふと思い出す。


――死ぬ直前、俺が最後にブックマークしていたのは、たった一件。

しかも、それは自分で昔書いた小説だった。


タイトルは、


『神の余興により堕とされた異端の翼、その者、異界にて覚醒し神すら恐れる陰陽術を操る』

……長い。今思えば中二も極まってるタイトルだが、あの頃の俺は本気だった。

内容はこうだ:


天界で最強クラスの天使だった主人公・ルシルフルは、神に逆らって堕天させられる。

地上に落ちた彼は、日本で“人間の陰陽師”として第二の人生を歩み、陰陽術を極めて九尾さえ祓う存在に。

だが、最期は死神に殺されて――

今度は異世界にハイエルフとして転生する、というダブル転生×陰陽術×超チートな物語。


「……我ながら、最高に頭悪くて最高に面白かったな……」


自分で書いて、自分でハマった。そして、最後までブックマークしていた。

だからこそ――


「この《ブックマーク》スキルで、ルイを呼び出せれば……」


間違いなくチート。陰陽術最強キャラ。神すら祓うスーパーチート式の“俺の創造物”が、異世界で味方になったら?


「……やるしかねぇだろ」


俺は右手をかざし、意識を集中させた。


「スキル、《ブックマーク》発動――」


光が走る。

空間が震える。

まるで異空間が開かれるように、眼前に“本の扉”が出現する。


その中から、静かに、しかし確かな存在感で――一人の男が姿を現した。


長い白銀の髪、漆黒の陰陽装束、透き通るような瞳と、天使の名残を感じさせる威厳。

だがその背に翼はなく、代わりに異世界的なエルフの耳が覗いている。


「……我が名はルイ。お主が、我を呼んだか」


「……間違いない。喋り方や服装が違うが俺が書いたキャラだ」


ついに召喚された、俺が創った最強の陰陽師。


異世界で、いよいよチートの幕が上がる。




「良ければ是非読んでブックマークお願いします」

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