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ロラン・ヘディンと運命の聖女  作者: K.S.
第四章 七人の頭目
43/56

4-1.対面

ロランがアンカーソンヒルについてからしばらくが立った。いまだ教皇庁は動きを見せていないが、アンカーソンヒルでは兵士や武器の準備など、対策は怠っていない。

そんなピリピリした緊張感が続く日々の中で、アンカーソンヒルに朗報がもたらされた。


ランドルフの帰還だ。

彼の報告によれば流人連合国軍は出撃している。先んじて自分だけ報告のために帰還したとのことだった。


「流人連合国軍の総司令は紅傘蝶華首長本人が務めています。蝶華殿以外の七人の首領も全員同行しています。彼女らの演武を見ましたが、彼女らが来てくれるなら百人力ですよ!」


「なんとか間に合いそうだな。本当によかった。ランドルフ、お前のおかげだ。よくぞ彼女らを説得してくれたな」


流人連合国軍はすでに西国と東国を隔てる山脈を通過し、アンカーソンヒルまでそう遠くないところまで進軍してきていた。





「わしは紅傘蝶華、流人連合国の首長じゃ」


アンカーソンヒルに入城した流人連合国軍の侍達を領民たちは物珍しそうに、遠巻きから眺めていた。


「ハロルド・アンカーソンと申します。この度は遠路はるばる我々の救援に駆けつけてくださり心から感謝申し上げます。私たちは貴国の傘下に入ることをお約束致します」


ハロルドがこれほどまでにへりくだっているところをロランは初めて見た。普段は堂々とした態度で話す彼であったが、正直、七人の首領にはアンカーソンヒルの重鎮を圧倒してなお余りある迫力があった。


「よいよい、そう硬くならずとも。これから共に戦おうという時じゃ。して、その教皇庁とやらは攻めてくるのか?」


蝶華のこと態度に、ハロルドは少しほっとした様子を見せた。


「潜り込ませているスパイ…間者ですね。からの情報によれば、既に流人連合国軍の進軍は教皇庁でも話題になっており、対抗して攻撃の準備をしているとのことです。おそらく数日中には大規模な攻勢に出てくるかと…」


隠し切れないほどの規模の攻勢をかけてくる教皇庁の数は数万から十数万にも上る兵数を用意している可能性まであった。スパイからの情報では正確な兵数までは情報はなかったが、あのヴォルデルネ騎士団を壊滅に追い込んだ中央近衛聖兵団も編成に組み込まれていることは伝わっていた。


「なるほどのぉ…出撃したとして、ここまではどれくらいかかるんじゃ?」


「軍の規模にもよりますが、おおよそ一月半ほどで到達します」


「一カ月半か、鵠、どう思う?」


鵠は少し考えたのち、落ち着いた様子でつづけた。


「一カ月半あれば十分な準備ができますね。ただ、ハロルド殿、敵に精鋭部隊がいるとおっしゃっていましたね?であれば精鋭部隊のみ先行させてこちらを牽制しつつ、本隊到着の時間を稼ぐ作戦が考えられると思いますよ。もし私ならそうします」


鵠のもし私ならそうします、に、蝶華はこれ以上ないほどの信頼を置いている。まだ流人連合国の建国前、蝶華が首領たちを束ねるために争っていたころ、鵠の策に何度もはまり散々苦労させられた。仲間になってからというもの、蝶華はことあるごとに鵠の作戦眼を用いてきた。


「それから、おそらくですがこちらの兵数が足りません。私たちの兵八万と、見たところアンカーソンヒルには一万ほどの兵数、足しても九万にしかなりません。教皇庁の軍は間者からの情報で最大で十数万、実際にはもっと多いはずです。最低十数万、下手をすれば三十万ほどの兵数を準備している可能性もありますね」


アンカーソンヒルの面々はどよめいた。三十万もの大軍、どうやっても物量差で押しつぶされる。しかし、流人連合国の七人の首領たちに動揺はなかった。


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