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ロラン・ヘディンと運命の聖女  作者: K.S.
第三章 イストリア渓谷の戦い
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3-13.七人会合

紅傘蝶華は隻眼の女性であり、かつて東方諸国を荒らしまわった大盗賊の首領であった。

当時有力だった七つの盗賊団をまとめ上げ、現在は流人連合国の首長として国を治めている。


七つの盗賊団の首領全員が女性であり、皆それぞれ強力な力を持っていた。


輪刀鬼の紅傘蝶華べにがさちょうか、大太刀の黒姫鵠くろひめくぐい、弓神、鶯廉弽おうれんゆがけ、神楽笛の白緑奏びゃくろくかなで、白拳の瑠璃忍るりしのぶ、暴札の鼠鏡紫電ねずかがみしでん、そして流麗剣舞の山吹時守陽咲やまぶきときのかみはるさき


紅傘蝶華が流人連合国の代表という形にはなっているが、七人の首領の会合をもって国の運営は成されている。


「ぬしら、あのランドルフという男の提案、どう思う?」


蝶華はランドルフからひとしきり話を聞いてから七人会合を実施していた。蝶華以外の六人もランドルフの謁見の席には同席して話は聞いていた。


「私は受けてもいいのではないかと思いますよ?西に勢力を伸ばすいい機会だと思いますし」


白緑奏は茶を口にしながらのんびりした口調で言った。彼女の神楽笛の音は戦場で驚くほぼよく通る音を奏で、その笛の音は聞くものに特別な力を与えると言われている。


「俺も受けていいと思うぜ。奏の言うとおりだ」


次に口を開いたのは瑠璃忍だった。彼女は名前に似合わず、荒々しい口調が特徴だった。白拳、徒手で戦わせれば彼女の右に出るものはいないと東国では噂されている。実際彼女は東国随一の実力者であり、その荒々しい性格とは裏腹に見るものを魅了するほどに美しい拳法を使う。


「・・・賛成」


鶯廉弽は忍と対照的に物静かな女性だ。弓神と呼ばれるほどの和弓の使い手であるがほとんど周りの人間とコミュニケーションを取ることはなく、いつも一人で戦っている。それでも彼女の周りには不思議と人が集まってくるのだ。


「私も賛成です。教皇庁とやらをこのまま野放しにしては将来的に我ら東国に影響を与える可能性があると私は考えています」


眼鏡をかけた凛とした女性は黒姫鵠。鵠とは白鳥のこと、名前の通り気高くそして実直な女性だ。しかし戦いになると一転する。背負った六尺(約百八十cm)の大太刀、夜叉狩影親やしゃがりかげちかを振るいためらいもなく敵を両断する。


六尺もの大太刀ともなると重量も四、五kgにもおよび、刀として振り回すことは並大抵のことではない。ましてや叩きつけるのではなく何かを斬るために鋭く振るうことはそれこそ不可能に近い。しかし鵠はそれを簡単にやってのけるのである。


「西国に行こうじゃないか!せっかくのお誘いだ、無下にするのもよくないだろう!」


弽は彼女の声の大きさに顔をしかめた。彼女は鼠鏡紫電。彼女は鉄札を使う。鉄札を使った攻撃は変幻自在で予測ができない。彼女の戦い方がこの七人の中では最も応用の効く戦い方であることは間違いない。豪放磊落な性格ながら戦いにおいては繊細さを大切にしており、仲間たちからの信頼も厚い。唯一弽だけは紫電のことが少し苦手なようであるが・・・


「わたくしも賛成でございますわ。これで満場一致。首長も賛成ですわね?」


最後にまとめたのは山吹時守陽咲だ。彼女は七人の首領の中でも特に変わった経歴を持っている。「時守」の「守」とは官職である。過去存在した国に与えられた官職であり、彼女はあることをきっかけに自分の治める土地丸ごと国家から離反したのだ。時を経て盗賊となり、蝶華とともに流人連合国を建国したというわけだ。


「わしも賛成じゃ。そうと決まれば、ランドルフ殿も言っていた通り時間がない、早速準備にかかるかのう」


流人連合国の参戦が決まった。これにより東国を巻き込んだこの戦争は、いよいよ世界中を巻き込みつつある。

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