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9部  才能ないだけやん

もしシンガーソングライターになれていれば今の自分はどうなのだろう、人々に自分の作った歌を聴いて貰える夢を叶えた人がほんと凄いし、羨ましい。自分の作った歌を最近の歌手は楽曲、楽曲とさも凄い曲を作ったかの様に言う人がいるが、オーケストラの曲でも作曲したのだろうか? ただコードを弾きながら思いついたメロディーをコードの上に乗せただけやで、たいそうに言いますなー! ひがんでいると言われればそれまでやな、笑!

 その事についてシノと僕は意見が合った。だいたいぽっと出の新人歌手が作った歌の事を凄い曲を作ったみたいに質問するコメンテーターにも責任はあるとシノは言う!自分が凄い才能があると錯覚してしまう可能性がある。本当に凄い人はどうのこの言わないもんよ! その言葉の裏にこの娘の人への配慮と人への接し方が少し判った。音楽やってたの? 若い頃に少し、今はたまに家でギター弾く位やけどねっ! 好きなアーティストは? 浜田省吾、レニークラビッツ、その他大多数! 私は長渕剛! 親戚全員が長渕ファンやから親戚でカラオケ行くと長渕剛ばかりみんなで合唱状態にいつもなる! 笑笑。へーっどうりで格好がミュージシャンチックな服だと思ったよ!その服似合ってるわ! なんか久しぶりに歌を歌ってみよかなと思ったよ。シノに会ってからここまでメロと歌詞がでてるんだけどもう少しで一曲できそうな気がする! そういう時ってどんな感じなん? 情景と言葉がLINKするみたいな、笑! 歌が出来る時は一気に出来る感じかなっ! 僕の場合はだけれど、人によって違うからなっ! でもゆっくり、じっくり作りたい歌もあるし、人には人のペースがあるから一丸には言えないな。とか偉そうな事言ってるが歌手でも作曲家でもないのになっ、笑。何故諦めたの? まず第一に才能がなかった。自分が決める事ではないと言われたけど、この部分だけは誰にも負けないと思う所を見つけだせなかった! こんな言い訳を自分の中で何千何百と並べ立ててもやはり音楽は好きだ。歌できたら必ず聞かせるよ! それと、毎回この店に電話入れるの面倒くさいから、メールアドレス教えて予約メールするから! 自分から聞かない限りアドレス教えてくれないからねっ! 笑笑

アドレスを教えてもらい、また連絡するよーって言って店を後にした。


   ギターは鳴り響く、夜の闇と心の闇の

      

        狭間から漏れだして

   君は叫び唄う! この世の矛盾を飲み込んで

        

        この世界の憂いを

        この世界の哀しみを

       虚しくギターがなり響く   





同じアトラクションで仲良くなった娘とたまに遊びに行くようになってから、僕とその娘が密かに付き合っていると言う噂が流れた。笑。ほんま噂好きな連中が揃っている事に改めて感心し更にそれを面白くしようとして、付き合っているでーなどと言ってその娘に噂で遊ぶなーって言われたり、けど言われてその娘は怒るどころか逆に僕よりノリノリで噂の上塗りを楽しんでいる様であった! 当然、小沢もその噂を聞いてるのだが僕の行動を分かっているのか疑いもしてこないので逆に少し寂しくなってしまって次の日に小沢と飯食いに行ったよっ! 笑

 休憩室で最近入ってきた新人さんらしき女の人が作業衣ぽいアトラクションのコスチュームで休憩していた。そのアトラクションは小沢と同じ冒険物のアトラクションだから作業衣みたいな服装だった。まぁ小沢はもう古株やから人がいないときには違うアトラクションにヘルプに入っていたが、小沢と同じ所なんやなと思った。その娘とはその時話をしなかったが、後に付き合う事になるのはその時の僕もその娘もまだ知らない!ただその時のその娘の印象は化粧が派手な女だなと、薄化粧の方が似合う顔立ちしてるのになと思った。あの時代、車はひとつのステータスで若者は得に男は車を買うために働き、正社員になったらローンを組んで車を購入するのがあたり前の様にみんなが車を購入し、休日には毎回車をピカピカになるまで洗車し、ワックスをかけるのがデートをスタンバイするための休みの光景だった。

 いつか音楽で成功してポルシェとフェラーリをとっかえひっかえ乗り回し、また次の高級車を購入する夢を見ていたからあえて一般的な人気のある車には興味はなかったけれど車好きな仲間がその当時いたのでよく車の運転はさせてもらったり、借りたりしてデートはそれなりに楽しんだ記憶はある。同じアトラクションの娘との友だちとしての付き合いも順調で、自宅での音楽活動もそれなりにして曲を貯めていって、それを録音して音楽コンクールなどにデモテープを送ったりしていたけれど、今回は見送らせて下さいの返事がかえってくるコンクールはまだ親切なほうで殆んどのコンクールっぽいやつは送っても返事もなかった!人が作った歌を少しずつパクるためにやっている所もあったと思う。若い頃は真っ直ぐで自分がただ才能がないだけなんだと思っていたが年を重ねると、才能がない駄作を作る奴がどうどうとテレビで歌を歌っている事実に音楽への情熱もだんだん冷めていったんだ。

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