表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/34

8部  ともだちになれたなっ

もの悲しく感じる秋の花の薫りが、夕暮れの少し冷たい風に乗って僕の鼻を抜けてゆく。毎年この季節になるともの悲しく思う自分を相変わらず変わらない奴だなと思う。

 この前入った女の子の予約を取り、少し早めに街に着いたので、近くのコンビニに入り適当に差し入れを買ってから店に行った。前回より少し長めの時間にしたので少しのんびり話せそうだなと勝手な想像をしていた。ほぼ時間通りの案内でカーテンを開くとこの間より、明るくて笑った笑顔が下手くそやったから笑ってしまった。覚えてる?

覚えとーよ! って答えたその娘は少しぎこちなかった。今日はこの前より長いねって言われたから、君がどんな人か確かめに来たのさと答えた! 君を見てなんだか懐かしい感じがしたからそれも含めて確かめに来た笑! と言ってやった。ふーん見たいな感じがなんか僕を安心させた。

 僕の様な奴を毎日何人も相手してるとそんな目付きになるのかな? と風俗に最初に通い始めた頃によく思っていたのだが、それは違う女の子に出会って行く内に人による事が判ってきた。

 シノと名乗るその嬢は、美人ではないにしろ、なかなかの愛嬌のある仕草と、時折見せる遠くを見つめる表情との裏表がどうも僕には気になって、普通に風俗を楽しむ人にしたら顔やスタイル、行為の質が上か下とか、行為が濃厚か、などうるさい奴が多いみたいだが、僕は自分に合うか合わないかだけだと思っているので、いつも性格を気にしてしまうのだ。シノはなかなかの僕的には当たりの人だった。この娘にならなんでも話せる気がしたからだ。何回も言うが決して美人の部類に入らない人だ。何歳なん? あー35才になったところかな! 七月で、私の何が知りたいん? ぜんぜん何処にでもおる顔と性格やで笑。この間初めて会ったのにこの娘知ってるかも? と少し思って、なんかその言葉、外で声かけてくるナンパの手口やで! 笑ん? なんか俺恥ずかしい事言ってる様な気になって来た。だからこれから俺は君に通う事にするけどええかな? それを私に聞く所が面白いわ笑! 来てよねっ、待ってる! それからその当時の流行りなどを話し彼女の部屋を後にした。




  早送りと巻き戻しを  繰り返す互いの時間が


  僕にとって今一番   大事だし何物にも代えられ

  

  ないから


  君の言葉はこの際   聞かずにページを戻そう


  ゆっくりといつか   僕を忘れる時まで





 スロットが4号機から、5号機にほとんど入れ替わってからスロットはしなくなっていた。爆裂マシンが横行し、一家離散、自己破産、パチンコのせいで○さつする人が増え、ようやく国も本腰を入れ規制強化にのりだし4号機撤廃までもって行ったが、5号機の初期の規制は厳しかったものの、いつもの如く徐々に緩くなり、爆裂マシンが横行する様になるのであった。パチンコマネーにまみれた政治家が何かしらの大臣なり、役職に就くと規制か緩くなったり、規定の解釈を少し変えて便宜をはかったりするのであろう! あくまで僕自身の見解だが、ほぼそれはあたっているはずだ。世間は冷たい、金に群がり、金を食い尽くすと周りから居なくなる。人が良いふりしていればそれで良い、裏切られる位なら信用しないほうが僕らしくあれる。

 

  寂しい街だね  こんな街から脱け出して


  君と過ごせたなら 僕は天かける龍になるよ


  君に恵みの雨を降らす 龍になるよ




 小沢との曖昧な付き合いが始まり、少したった頃、前に話た同じアトラクションの女の子なんだけど、冗談で遊園地デートに誘ってみたら、ええよーって返事が返って来たから思わず笑ってしまったら、なんかおかしな事言った? って言われたから、素直に聞いてみたんだ。なんで彼氏がいるのに俺と遊びに行ってくれるの? って! 返ってきた言葉は、彼氏は優しいからなんにも言わなくて喧嘩もしない位の温厚な人やし、一緒に遊びに行ったら楽しそうやからって俺の事をそう言った。彼女は彼氏がもの足らないと思っているのが自分でも気づかない内に彼氏以外の友達と呼べる相手と遊ぶ行動となっているのだろう。だからその娘を思い切り楽しませてあげようと思い、少し離れた大きな遊園地に出掛けた。僕は下心があって二人きりで遊んでいるわけではなかったんだけど、時折見せるその娘の仕草がなんか僕を変な気分にさせた。この娘がモテる理由が少し判った、なんの考えもなく言う言葉や行動が面白くて退屈しないからだ。君の彼氏が羨ましいいよ! こんな話しをしていて退屈しない人が彼女だなんて羨ましい、笑笑。それって私の事、好きって言ってるんやな! しょーがないなー! 手だけ繋ぐわー!とそんな感じの娘やから1日があっと言う間に過ぎた。晩御飯を食べてる時に、僕の恋愛事情などをその娘にバラシてキャーキャー言われあの美人があなたと?などやはり、小沢はバイト仲間の間では有名人だと言う事が判ったし、改めてこの娘を友達として接しれると思えた人だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ