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3.人生に風が吹く

8時に公開すると言ったのに、1時間も遅れてしまった.....

魔導書にはこんなことが書かれていた。



『魔導士アーネスの魔導書 上』より


「魔法は初級、中級、上級に分類される。

初級は小さい火の玉を放ったり、風で相手を傷付けたり出来るような物が分類される。

そして中級は殺傷力のある攻撃が、上級は広範囲に渡って被害が及ぶ物を定義付けられている。

間違ってはいけないのが、上級魔法だけが強いという訳では無い。

状況に応じて初級魔法を使ったり中級魔法を使ったりする必要がある。


また、魔法は込める魔力と想像力によって構成される。

呪文は想像を補うために唱えるだけだ。」



つまり魔力を込めれば込めるほど強い魔法が撃てるって事だよね?


僕はワクワクしながら庭に向かった。

幸い、誰も見ていない。


僕はまずあまり被害が出なさそうな、風を起こすだけの魔法を使ってみる事にした。


「えっとなになに?まずは風が吹くのをイメージして......」


僕は魔導書通りに進めていく


「魔力を込めて風よと叫ぶ......か」


よし......



「風よ!!!」




何も起こらない。


この魔導書偽物か......?


「やっぱり魔法なんて......!?」



若干諦めかけていた時、庭全体に強い風が吹き込んだ。

僕の両手にあった魔導書のページがペラペラと捲れ、庭の花が揺れる、


「まさか本当にできた......?」


それが僕が初めて魔法を使った瞬間だった。




ーーーーー




それから2年が経過した。

あれから毎日誰にも内緒で魔法を使う練習をした。

僕はひたすら風の初級魔法を使って魔力をある程度コントロール出来るようになった。

ただ、適性がないのか分からないが、風の魔法以外の魔法を使う事が出来ないみたいだ。




「お父さん!いくよ!それ!!」


僕は身体に魔力を巡らせて身体を強化し、尚且つ風に乗せてバスケットボールくらいの大きさのボールを投げる。

なんと、僕はこの2年で魔法を無詠唱で唱えることが出来るようになった。


ボールは父さんの真っ赤な髪に目掛けて飛んで行った。


「あっぶな!?いい球投げるじゃんアンリ」


父さんが近くまで寄ってきて僕の頭をくしゃくしゃと撫で、褒めてくれる。

いくつになっても褒められるのは嬉しい。


「うん!毎日練習してるからね!」


僕は父さんの炎のように赤い目を見つめてニコリと笑った。



聞いた話によるとお父さんは騎士だそうだ。


多分だけど、すごい称号だと思う。

こんなに広い家に住めているのも納得だ。

高収入でイケメンとか相当モテたんだろうな〜とかくだらない事を考えながら僕は父さんとキャッチボールを続けた。




ーーーーー




「あ〜疲れた〜」


夜、僕は今まで感じたことがないぐらいの倦怠感に襲われていた。


本に書いていた魔力欠乏と言うやつだろう。

筋肉を付けていく過程のように、魔力欠乏を繰り返すことで魔力量が増えるみたいだ。


いつもならこんな事にならないんだけどな......


やっぱり身体強化は魔力切れになりやすいのだろうか?


明日から身体強化をしながら走り込みをしたりしようかな。


僕の意識は暗転した。




ーーーーー




夜遅く、男女2人が部屋の椅子に腰をかけ向かい合っている。


「ラフィーナ、ちょっと話があるんだ」


短い赤髪、赤目の男は女に話しかける。


「なに?アレス」


男と対照的に長い金髪、碧眼の女はそれに応える。


「実はな、今日アンリとキャッチボールした時、僅かに魔法を使った感覚があったんだ」


神妙な顔つきで、男は女に話を切り出した。


「そんな、まだ3歳の子供よ?魔法を使う事なんて出来ないはずなのに......」


そう、アンリと呼ばれている人は子供だ。

5歳になるまでは魔力を魔法に変換する力が身に付いていない事が多い。


「精霊が宿ってたりしてな」


男は笑いながら言った。


「もしかしたら本当にそうかもしれないわよ?本当なら大変な事になるわね......」







子供はまだ自分の力に気付いていない。

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