1.転生
初投稿ですとても緊張してます。
拙い文ですが楽しんでくれると嬉しいです。
小雨の降る中、僕はレンタルビデオ店の目の前に自転車を停めた。
新作ゲームが発売したらしく、近くの店には新作ゲームを求める人だかりが出来ている。
まぁ、僕もそのうちの一人だ。
「結構並んでるなぁ......」
成績も見た目も一般的な僕だが、本気になって取り組める事がある。
それがゲームだ。
自分の役割を決め、敵を倒していく。誰かが僕を頼ってくれて、僕も味方を頼る。
そんなゲームが好きだ。
ゲームは予約しておいたし、僕はレジが空くまで映画の棚を見て回ることにした。
「あったあった」
お目当ての映画を数本見つけて満足し、カゴに入れ、レジに向かって進み、列に並ぶ。
5分もしない内に、僕の番が来た。
ゲームを店の奥から店員さんが取り、バーコードを読み取る。
バイトをしてるとはいえ、高校生に5000円は大金だ。暫くはこれで遊ぼう。そう考えて、財布に手を伸ばして会計を済ませる。
店から出ると、雨は止んでいた。
あちこちに水溜まりが出来ている。
停めてた自転車を取りに行こうと駐輪場に目を向ける。
しかし僕の自転車はない。
「えっ...!?パクられた?マジかよ......ついてないなぁ......」
家までは1キロ程度で、歩いて行けない距離ではないが、一刻も早くゲームがしたい。
自転車は二の次だと考えてる時点でこのゲームに相当のめり込みそうなのがわかる
もういても経ってもいられなかった僕は、ダッシュで家に帰ることを決めた。
信号に邪魔されながらも、息を切らさずに走る。
もうすぐで家に着きそうだ。
横断歩道を渡っている時、僕は空に大きな虹が掛かっているのに気づいた。
手を伸ばしても届かないぐらい空は遠いのに、何故か虹には手が届きそうな感じがして、気分がアガる
一瞬、僕の視界が揺れる。
あんなに遠いと感じていた空はほんの少しだけ近く感じた。
何が起こったかが分からない僕に、更に衝撃が加り、辺りが朱色に染まる。
僕はどうやらトラックに轢かれたようだ。
死ぬかもという漠然とした事だけが頭をよぎり、不思議と悲しみなどの感情が湧いてこない。
いや、感情が湧いてこないわけじゃない。
何も考えられない。
痛みも、苦しみも、悲しみも何もかも、視界と共に真っ暗に染まって行った。
そして──
ーーーーーー
「オギャーッ!」
僕の意識は赤子の泣く声で鮮明になった。
僕は助かったんだろうか?
周りを確認しようとするが、目の前は相変わらず真っ黒だ。
それに喉が張り裂けるように痛い。
「おお!!元気な男の子だ!!」
「将来は貴方に似て立派な魔法使いになりそうね!」
なんだか周りが騒がしい。
車に轢かれた後なら病院に運ばれているはずだが、明らかに言葉が違う。
まるでラノベの世界にでも飛ばされたみたいだった。
3話を8時に投稿する予定ですのでそちらも是非読んでください