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第92話 人さらい

アップですが、不定期のぺースになります。

時々修正もしています。


新章です。

バルジルド。

ここは、内務大臣トイン(内政の行事、貴族間交渉を司る)の縁戚が治める街である。


王都から2日、隣の街バルジルドに着いた。夕方と言うこともあって、一泊し明日の昼過ぎに空飛ぶ魔獣スカレイ(マンタ)に乗って一人帰ることにした。

明日の昼過ぎにしたのには訳がある。この街は王都に続く交易の街になるので、朝市や出店が賑わうと評判である。ぜひそれを見て行こうって言う事にした。

もちろん、護衛の者達は、普通帰る昼まで護衛すると思うだろう……。

だが、バナン従士長に鍛えられた者達は違う。バルジルドに着いた時点で解散した。


「えっ? リース様1人でも大丈夫でしょ?」


ってなんだよ!

一応8歳なんだよ。

どうせ、飲み屋か娼館だろう!


ふふふ……まあ良い。

今度、こいつらの上司、娼館通いのバナン従士長はお仕置きだ。


……翌日。

「ガウッ(リース起きろ)」

神狼ローガに起こされる。


「ふぁぁ~あ、おはよう、ローガ」

大きくあくびをし、手を広げ体を伸ばす


「馬車に2日乗ってると、体がバキバキだ……。」


俺は朝の鍛錬を早めに済ませて朝の市場を見て回る。


「うん。ここは採れたての野菜と、…意外と肉が多いなぁ。」


「ガウ(野菜はいらない。肉はいる)」

ローガやテン、ファディに肉串をふるまい、市場を見て回る。

……よその国の品揃えも結構ある。

特産品は特にないが、交易で成り立っているから人口はそれなりに多い。

出店で適当に朝食を済ませ、ある用事を済ませる為にその建物を探す。


「キキキッ(リース見つけた。あの建物だ)」

神猿テンは器用に屋根の上に上がり、屋根伝いに目的の場所を教えてくれる。


目的の場所は街の中心にあった。ギルドだ。


「ちょっと、そこのお兄さん。用事を頼まれてくれない?」


「なんだ坊主、どうしたんだい?」


「さっき、知らないオジサンから頼まれたんだけど、あの建物の中の人にこれを渡して欲しいって頼まれたんだけど……入りずらくって、代わりにお願いできないかな?」


「手紙を……」


「お願いできるなら、これをお兄さんに渡すように言われてるんだ」


「なんだ?」

俺は小さな皮袋に入れた銀貨を1枚入れておく。銀貨1枚はだいたい1万円くらいだ。


「うおっ!」


「どうしたの?」


「あっ?いや、坊主はこの袋を見たかい?」


「ううん?見てないよ。そこの建物に入れないなら、手紙を届けてくれる人に渡すようにって言われたものだから」


「そ、そうか。」


「ちなみにどこか遠くで見てるからごまかしたらダメだぞって言われているよ」


「なっ!そ、そうか。わかった。間違いなく俺がギルドの職員に渡しておく、任せておけ」


「うん、よろしくね。じゃーね~」


俺はギルドに入る新人っぽい冒険者に銀貨を渡し、ここのギルド宛てに匿名で手紙を出した。8歳の真似はつらいぜ……。あ、精神はともかく身体は8歳だった。


…バルジルドの街に来る前に、テトラが試運転と言う名の遊びで、『光の聖天』の対のゴーレム、『闇の魔夜』で近くの森を警戒していた時、過去に亡くなった冒険者などの死体をいくつも発見していた。

見つけたからと言って、表だって教える訳にもいかないし、このままにしておく事も出来ない……。せめて、発見場所と氏名だけでも教えるために手紙で知らせる事にした。

どうするかは、ギルドの裁量だ。


どうして死者の名前が判るのかって言うのは、テトラの能力の一つに、サイコメトリーと言う、残像思念や、残留した魂魄から思考を読み込む能力がある為だ。

亡くなった原因を探ることも出来るが、万能ではない。

亡くなる時や、それまでの思念の強さに比例して残留する。

また、総じて悲惨な最後を迎えているので、特質すべきことが無ければ、テトラには読まないように伝えている。


ただ一件、

ある獣人の冒険者が2人の娘の安否を気遣いながら亡くなった。

その子達はどうやら父1人子2人で生活していたらしく、3人でこの町に流れてきて住んでいた。

その子達はまだ幼く、とても2人では生きてはいけない。

父は少しでも娘に良い生活をさせてあげたいと冒険者になった。

順調に仕事をこなしていたが、依頼を受けた森の中で運悪く他の冒険者が引き連れた魔獣に襲われ命を落とすことになった。



その死体はまだ新しかった。

テトラが『闇の魔夜』で警戒中の森の中に漂う魂魄に導かれ、見つけた。

二人の子供の事は残像思念を読み取ったのだった。

テトラから聞いた。


俺は、その子達がいたと思われる住宅に足を踏み入れた。そこはとても人が住んでいるようには見えなかった。でも確かに生活の後があった。しばらく待ってみたが、何も帰ってこなかった。……仕方がない、もう一泊して近くで聞き込みをしよう。


近くの家の前で座っているじいさんに、ここにいた獣人の親子について、聞き込みをする。


「ここにいた獣人の親子?そういえばおやじのほうは1ヶ月位見てないなぁ。娘のほうは2週間位前までは見てたかな。変な刺青をした男に連れられてからは見てないぞ。」


「ほかに何か思い出した事はないかい。」


「すまん。他にはそうじゃなぁ。何とかっていう国に売り飛ばすとか、あと何人連れて行くとかそんなことを言っておったな気がするが確かな事は覚えておらん。」


「ありがとう爺さん。」

俺は、手に持った銀貨を爺さんに渡し、足早に立つと、この街の奴隷商のところに行く。

人さらいは、奴隷商が一番情報を持ってるからな。


神栗鼠(リオ)は王城に居るから、仕方ない。自ら潜入するか。」


日ごろの鍛錬のおかげか、気配遮断と認識阻害のスキルがあって、見えて居ても気付かれない。今の技量では、さすがに動いているところを見られると気づかれてしまうが、ちょっとした暗闇に潜んでいたら気付かれない。そしてテトラがいるので闇魔法の下位影魔法影潜(影に潜んで潜入する。)が使える。

まぁ俺はまだレベルが低いから実際の影には潜めなくて影が薄まっている感じだけなんだけどね。念のため、屋敷の者たちに遭遇する度、スリープ魔法をかける。

全員が寝静まったところを見計らって奥の扉の中に入る。

ここは奴隷たちが隔離されている大きな倉庫だ。それぞれ檻に入れられて、サイコメトリーで読み取った人物の姿は無い。


「居りませんね、リース様」

テトラが声を掛ける。


「仕方がない。帳簿を確認するか。」


奥に侵入すると、奴隷商のおやじが居る。他の者には眠ってもらう。


「テトラ、あの戸棚の奥に情報がおそらくある。奴隷商のおやじには、内容を確認させてもらおう」

闇魔法で幻覚を見せ、自白誘導させる魔法があるが今回はそれを使う。


「帳簿は、……特に問題は無いが、違法奴隷が何人かいる。まあこの違法奴隷は後回しだが、とりあえず連れ去られた獣人の娘達について、何か情報を持って無いか、この奴隷商のおやじを尋問するか。」


奴隷商を魔法に掛け尋問する。


「最近の出来事で、問題ないか?人さらいについて…とか」


「………最近?街で……子どもが居なくなる事が多い…、盗賊か、人さらい達が頻繁に動いている……。」


「それで、その盗賊たちや、人さらい達はさらった者たちをどこに連れて行くんだ?」


「……隣の国から、……となりの…くにの奴隷商が、違法奴隷を   ……連れて行く事が多いらしい。」


違法奴隷を集め、その奴隷を隣国へ送っているらしい。


「その奴隷商は、どこでさらった人たちを受け取るんだ?」


「…1番、……新しい情報は、アドルシークの…南に、やつらの中継点があると言う。」


そういうことか、地図で言ったらこの辺か、俺の故郷の近くで何やってんだ……


「リース、どうするのだ。」

フィーヴァが隣に姿を現す。


「そんなの決まっているさ、     ……叩き潰す。」





誤字脱字言い回しのアドバイスお待ちしています。

評価☆☆☆☆☆、ブックマークしていただくと元気になります。

宜しくお願いいたします。



新章、四ツ子編です。

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