第91話 王都出発
アップですが、不定期のぺースになります。
時々修正もしています。
王都編が一先ず終了です。
「それにしても立派な船だな。」
トマト料理をメインに使用した晩餐会も無事に終わり、マーブルティア聖国の使節団と、ジゼトラード帝国の使節団の見送りに来ていた。
「これは聖国が誇る飛翔魔導船『アクスアルファー』か。……でかいな。」
長い間マーブルティア聖国で整備される内、聖なる装飾で船体を覆い豪奢な作りも相まってまるで神々しくたたずむその雰囲気は『神の船』と呼ばれている。
「リース様お見送りに来て頂いたのですか?ありがとうございます。」
「うん。次に会えるとしたら数年後になるだろうしね。」
「リース様、私とのお約束を覚えていらっしゃいますか。」
「ん?約束……?」
えっと、なんだっけ?
「……。」
あれ……?すごい笑顔が可愛いけど、背中に悪寒が走る。ヤバイ殺される!
「えっ、えーっと、
聖なる柱を見つける。そして大聖女から何か貰う。
成人したら、一度マーブルティア聖国行く、
聖印と聖具を観る、誰かに会うだったか?」
「まあ、そうですが。………成人前に恐らく再び会う事になります。その時にまたご案内しますので、覚えておいてください。」
「あ、うん。よろしくね。」
「ふふふ。それではまた再会を楽しみにしております。」
「わかった。またね。」
「はい。」
まばゆい光を纏って飛翔魔導船がゆっくり上昇していく。
アクアリスはいつまでも俺を見ているようだったが、気のせいだと思いたい。そこまでうぬぼれていないしな。
◇◇◇
「行っちゃいましたね。たな!」
「そうだね。ローディーもあのでかい船だろ。同じくらい派手な色に大きいな。」
「はい、こちらは帝国が誇る世界最大の飛翔魔導船です。」
「こんなにでかい船なら、帝国にオーネルトサーカス一座が行くときにちょっと運んであげればいいのに。」
「……そうですね。それはちょっと父……、っと、国王様に伺ってみようかと思います。」
「? ……そうか、またいつかどこかで会えるといいな。」
「そうですね。だな!その日を楽しみにしています。だ」
相変わらずの話し方だな~。強く見せたいのか?
「そろそろ時間だな?ローディー」
「はい!リースもお元気で!」
「ああ、また一緒に風呂に入ろうぜ。」
「……バカ。」
「?」
周囲から不穏な空気が流れた気がしたが、気にせず手を振って見送った。マーブルティア聖国の飛翔魔導船『アクスアルファー』より一回り大きい『ゴールディグゥ』か…
全般に金の装飾を施してる。戦船じゃないな。これは迎賓船だ。
小さくなっていく飛翔魔導船を
「いつか創ってみたいな……」
見つめながらそう思った。
◇◇◇
そして、3日後、俺は王都の門の前まで来ていた。
アリスティア・キュエル・アヴァルート(第三王女)殿下が見送りに来ていた。
今日は俺が領都に帰ると聞いて、急いで来たらしい。
「とても寂しくなりますわ。次にお会いできるのは12歳の王都学園でしょうか。」
「そうだね。特に王都に来る予定がないとそんな感じだね。」
「リース様。
ひとつ伺ってもよろしいでしょうか?」
「なんだい?」
「リース様のお好きな女性はどのような方ですか?」
「……そうだね。自分の意思を持って周りを笑顔にする子かな。でも1番大事なのは、自分を偽らずに自分らしく生きる子だね。」
「自分らしく……」
「ふふふ。アリスは十分良い子だよ!また会える時にそのままの君でいてね。」
「はい!お手紙を書きますね。」
「ああ、返事を書くよ。じゃあ、またねー!」
俺はゆっくりと王都を経って行った。門の外まで見送りに来てくれたアリスが可愛いらしい。
◇◇◇
馬車に揺られ、窓の外をボーっと見ていた。
今回の従者には、セファイティン家の家人はほとんど居なかった為、隣の町まで御者と10人の護衛騎士がいるだけである。
行きは、アズン伯父さんやセーラン姉とジゼル様達がいたが、帰りは俺だけなので、本当ならスカレイ(マンタ)に乗って2時間半で帰れる。馬車だと2週間近く掛かるため、本当は遠慮したかったが、王女の見送りが予想され、他の間者が往来する街で、マンタに乗って帰ると目立ちすぎるので、隣の街まで王都のアドルシーク領の護衛騎士と御者に付いて来てもらう事にした。
もちろん、隣街からはマンタで帰り、護衛騎士たちは隣街で10日間のお休みをして王都へ帰る。
領都邸で俺の護衛を決める壮絶な争いがあったのは、ここだけの話で、別に俺の護衛をしたかったわけではない。休みが欲しいだけだ……。別に俺の人望が無いわけではない。
そう思おう。
「リース君!」
「ステラ、わざわざ見送りか?公演の途中だろ?」
ステラは、海にいるエイに似た空飛ぶ魔獣『スカレイ』で追ってきた。
ステラのスカレイは、その昔アドルシークにオーネルトサーカス一座がいた時に、俺のマンタを見た座長のグラムラさんが、懇願してテイムの手助けをしてやった魔獣だ。
今ではサーカス一座のショーの目玉のひとつでもあり、移動の際は警戒監視や連絡をする大切な家族となっている。
「うん!ちょっと抜けてきた。リース君、お別れの挨拶がお手紙だけなんて、ずるいよ!」
スカレイの上から馬車に乗ってる俺に叫ぶ。なんか昔見た別れ際の列車を追いかけるシーンの青春映画みたいだな…。
「公演の途中だったからな!」
「また、何年か後に会いに行くから!それまでに歌と踊りをもっと上達しておくから!」
「ああ、楽しみにしているよ!
弟のシーサテトにもギターの腕をあげとくように言っといて!」
「うん、わかった!」
「じゃあな!」
ステラと元孤児院のスカレイの隊列がいいカーブを描き、空を舞って見送ってくれた。手を振っている。……なんか物足りないな~
「あっ、煙を持たせたら、空に絵を掛けるな。今度手紙を書いて煙を出すアイテムを作って贈るか。」
数か月後、サーカス一座の宣伝で、空に絵を描くアクロバットが売りになった。
◇◇◇
「リース、戻ったぞ。」
「お帰り、フィーヴァ。ゴーレム農機の調子はどうだい?」
「我が造ったゴーレムに不具合など、皆無」
「違う違う、扱う者の調子だよ。」
「なんだ、そうか。
操作はシンプルにしてある。あれが扱えないなら、担当を外れてしまった方が良い」
「そうか、ん?テトラはどうした?」
「ああ、『光の聖天』の対なる『闇の夜魔』をこの前の魔石で作ったから、それの試運転を兼ねて、付近を警戒している。」
「…遊んでるだけだろう?」
「……そうとも言う」
「まあ、いいか。神獣達も外を警戒してるし」
「それより、リース。」
「なんだ?」
「アドルシークに帰ったら、忙しいぞ!」
「……どうしたんだ?いつもと雰囲気が…やる気に満ちているような?」
「約束と飛翔魔導船だ」
「え?まさか、………創る気?っていうか、飛翔魔導船見てたの?」
「当たり前だ。」
「ノー!」
俺はアドルシークに帰ったら、想像しうる最大限の忙しさにめまいを起こすのであった……。
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一つ閑話を挟んで新章、四ツ子編です。




