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第90話 赤い実の料理

アップですが、不定期の0時頃になります。

本業が立て込み遅くなっております。すみません


時々修正もしています。



この話は未完なので後日修正します。

ここは王家が来賓をもてなす迎賓館の宴会会場バンケットルーム

ジゼトラード帝国の親善大使ヴァーセル・ラ・ジゼトラード皇子とその御一行と、マーブルティア聖国の聖女アクアリス御一行が、アヴァルート王家と共に食事をしていた。


「ヴァーセル皇子殿、親善大使のお勤めご苦労であった。明日貴国の飛翔魔導船で帰国する貴殿に、我が国のおもてなしが口に合えばよいのだが……。」


「いえ、大変美味しいですよ。帝都の食事も誇り高いものですが、この酸味のある赤い果物?…野菜ですか?食欲を促しています。」


変異体コカトリスを倒して2日後、俺は今、王城の厨房で、なぜか料理指導をしている。



◇◇◇



「……陛下、こちらが明日晩餐会会場で各国の要人をもてなす新作料理でございます。」


「うむ。」


「今日の夕方の晩餐は、クリスティア・キュエル・アヴァルート第一王女クリスティ様の出資するレストラン『銀の翼』の新メニューでございまして、王女様よりこちらの料理の提案を受け付けました。メインで使用する食材はこちらです。」


「初めて見る野菜だな?」


「野菜の代名詞のひとつとも呼ばれる品です。」


「『銀の翼』レストランより特別にシェフが、出張してきて調理しております。とは言っても元々ここにいた宮廷料理人副料理長だったリューですが……。」


「ふふふ、そうか…。」


「ベースに使用するお野菜はトマトと言う果実に近い野菜です。王都近郊で群生地を発見し、取り寄せました。陛下の裁定される評価如何によっては、王家庭園の片隅にある菜園に栽培場所を設けようと思います。ですので今日はトマトづくしです。」



「王都ではあまり有名では無いかもしれませんね。

勇者様の国ではこちらのトマトをベースにいろいろな料理があるとのことです。


まずは

1品目トマトと野菜のテリーヌ

2品目ミネストローネ

3品目 フィルフィッシュトマトソース仕立て


4品目…



◇◇◇



時は、魔物を倒した日の夜に戻る。

王都から見て一山越えた山深い薬野草の群生地で、コカトリスの変位種を倒した後、薬野草のさらに奥、付近の開けたところに赤い実がなっている場所があった。


「これはトマト!

しかもこんなにある!この世界にもトマトってあるんだ……。まあ、小麦と大豆と芋があるんだ、トマトがあってもおかしくないよな…。」


俺は、手に持った熟れたトマトを見つめ噛り付く


「うまいっ‼」


だが、王都の市場にもトマトはなかった。トマトってマイナーな野菜なのかな?それとも薬野草の群生地の奥にあったから誰も気づかなかったのかな?

そういえば元の世界でも確かトマトは高原の野菜だったな。しかし、トマトがあるなら、いろいろ出来る。これは領都でも栽培しないとな!


「他にはないかな?」


トマトを収穫しながらさらに奥地へ入る。


「こ、この果実は⁈   ……ここは宝の山か!」



◇◇◇



翌日の昼、フェル姉さん達のレストラン『銀の翼』に来ていた。


「フェルリナ長女フェル姉さん、この食材で女性向けの料理作るから。」


「な~に?この赤い実は、見たことがないわね。」


「これは…そうだね。勇者様の世界でトマトと言われる果実のような野菜ですね。」


「ふーん。良く見つけて来たわね。どこにあったの?」


「レティール三女レティ姉さん、

今日の、あ、朝市にあった物を全て買い占めましたので。」


「それでこの赤いトマトの調理法は?」


「ラーベルティナ次女ラティ姉さん、居たの?

トマトは生で良し、加工して良しの野菜で、酸味が程よく食欲をそそります。万能野菜と言っても過言ではないですよ。」


「まぁ、そうなの?って言うか、いたのって何よ~」


「イタタタ、ほっぺつねるのやめてくらはい。


……とりあえず食べてみてよ。

これは普通にトマトをカットして、それに生ハムとチーズを挟んだだけだけど…。

どうかな?」


「お、おいしい。

さっそく他の料理も作ってみて!」

俺は姉たち3人に囲まれ逃げ場を失った……。



◇◇◇



数十種類のトマト料理を作ったが、結論として直ぐに習得できないと判断した姉たちは、俺を技術顧問として、レストラン『銀の翼』の料理長リューにレシピの習得を手伝うよう命令された。うちの姉たちは弟使いが荒い。癒し系の長女が笑顔&無言のプレッシャーを与えてくる。次女はチャラチャラした雰囲気でムードメーカー的に和ませてくれるが、大事なことは忘れない。三女は実の父母の姉だから、何かと厳しい……。


「フェルリナ長女フェル姉さん、ところで新作メニューを急ぐのは、何か理由があるって聞いたと思ったけど、どんな理由なんだい。」

ラーベルティナ次女ラティ姉さんは、学園の勉強があり片隅で勉強をし、レティール三女レティ姉さんは厨房の奥で仕込みの手伝いをしていた。

「ああ、それね。帝国と聖国の使者が帰るじゃない?

その時に両国とも飛翔魔導船で迎えに来るのよ。

帝国は8隻(大型2隻、中型2隻、小型4隻)、聖国は6隻(大型1隻、中型1隻、小型4隻)、我が国は2隻(大型1隻、中型1隻)有るのみなんだけど……。」


飛翔魔導船……。そのワードは、フィーヴァに伝えたらダメな奴だ…。


「各国は、飛翔魔導船の大きさや数が国の格を決めているように思っている節があるのよ。まあ、あとは勇者召喚の儀式が出来る施設が有るか無いか……。我が国には昔あったけど、破壊されてしまったからね~。元々勇者召喚の施設が無い国よりは格があるけど…、」


なんとなく聞いていたけど、興味がなかったから詳しく知らないな~


「まあ、大昔の災いで、勇者召喚の施設も我が国にあった物が他国に分散してしまったことが原因だけどね。その辺りは王都の学園に来たら歴史を習うからまだいいよ。」


ふ~ん、学園に入ってからでいいか…。


「だから、せめて送迎の使節が来たときに、どちらの国にもないようなメニューでもてなしておきたかったの。まぁ第一王女クリスティに相談されたのがきっかけだけどね。」


なるほどね。それより

「各国に飛翔魔導船はどのような割合であるんだい。」

こちらの方が興味あるな。


「飛翔魔導船は、その昔百隻を越えてあったそうだけど、現在は帝国に8、聖国に6、公国に4、他の王国に2隻づつって言う感じ。」


「飛翔魔導船は、それを作る技術はもう失われた技術で我々は作ることができないの。

だから今ある船が壊れたりしたらもうそれっきり。飛翔魔導船は、その国の格式を現すから、それを戦争で使う事は無くなったし、飛翔魔導船があるから空飛ぶ騎士団を作ることもなかった。」


なるほど……

フィーヴァに見せたら、すぐ造りそうだな。


「あとね、第一王女クリスティが、もうすぐ誕生日なの。何かお祝いしたかったし、お手伝いもしてあげたかった。」


「ふ~ん。そうなんだ。」


「喜んでもらいたかったから。いつも助けてもらってるし、フェル姉さんの親友だしね。」

レティール三女レティ姉さんがいつの間にか戻ってきていた。


「そういえばローディーもアクアも来る時は飛翔魔導船を使ってなかったなぁ」

なんで飛翔魔導船を使用してなかったんだろ?


「帝国の使者が来る時は、飛翔魔導船の定期点検と何かあったらしいけど……。」

フェルリナ長女フェル姉さんが第一王女クリスティ様から情報を聞き出したんだろうな~


「聖女様は、巡礼の時期に重なったらしく飛翔魔導船の空きがなかったと言う話らしいわよ。」

レティール三女レティ姉さんが誰かに聞いたらしい。誰だろ?


「そうですか。

では第一王女クリスティ様の誕生日はこちらの果物でケーキを作り祝ってあげたら良いですね。」


「それは?」

「イチゴという果物です。王都で見かけなかったので珍しいかとおもって」


「イチゴ?」

「これは小さいですが栄養価も高く、王都でも領都でも栽培しましょう!

甘いですよ!」


「「「……甘い!」」」

ラーベルティナ次女ラティ姉さん、居たの?


「リース!」

「リースくん!」

「リーくん!って言うか、いたのって顔しないでよ~」


「イタタタ、ほっぺつねるのやめてくらはい。」


「「「すぐケーキ創って‼」」」


「……ハイ。」

アヴァルートの王国では、なかなか作れなかった生クリームを作り、ケーキを作らされた。たぶんひと月はケーキを見たくない。



◇◇◇



……4品目トマトのシャーベット

5品目家流牛のトマト煮込み

6品目パスタ

7品目デザートのイチゴ入りケーキ


……となります。

陛下、いかがだったでしょうか?」


王城の料理長の代わりに、レストラン『銀の翼』料理長が味の伺いをたてる


「うむ、これなら大使殿も満足していただけるだろう。最後の晩餐には、王城の料理人が習得するには時間が無い。料理長ツィーグには悪いが、ここは臨時にリューが代理でもてなしてもらおう。」


「お待ちください。陛下。」


「…なんだ?リュー?申してみよ……。」


「恐れながら、陛下に申し上げます。

こちらのメニューは、いくつかは第一王女クリスティ様の経営するレストラン『銀の翼』で出しているメニューのアレンジですが、トマトを使用したのは昨日の事。わが師、王城料理長ツィーグ様が料理できないとは思えません。また、こちらの料理の助言は、セファイティン家四男様によるもの。私はその助言に従って料理したまででございます。」


「ふむ。それならば、王城の料理長ツィーグ。晩餐の責任者はお主がとり、補佐としてリューをおけ、そして、セファイティン家の四男を指導係として付けるように。」


「「はっ、承知仕りました。」」


……指導係になることは王城の厨房で知った。

王城の料理長ツィーグさんに根掘り葉掘り追及があって、教えられるメニューは、ほぼ吸い取られた。おかげで領都への帰還が3日延びる事になった。




誤字脱字言い回しのアドバイスお待ちしています。

評価☆☆☆☆☆、ブックマークしていただくと元気になります。

宜しくお願いいたします。


次回領都に帰ります。

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