第89話 メニューと設計図と討伐と
アップですが、不定期の0時頃になります。
本業が立て込み遅くなっております。すみません
時々修正もしています。
今回は治療方法の現状をアップします。
王城へ二人を送った帰り、第一王女クリスティア・キュエル・アヴァルート様とフェルリナ姉さん達の経営するレストランに立ち寄り、新メニューの依頼を受けた。
「リース、女性が受けするメニューを考えて!領都に帰るまでに!」
レティール三女姉さんが腰に手を当てて、片手を俺に指さす。
「クリスティを喜ばせたいから。」
フェルリナ長女姉さんはお淑やかにお願いしてきた。
「お願い!リース。これには事情があってね。何とかしてほしいの……」
ラーベルティナ次女姉さんが、片目をつぶって手を合わせる。
と強制的な命令が下った。帰るの3日後なのですが…。
「フェル姉さんもラティ姉さんもレティ姉さんも無茶を言うなぁ~」
わかったよ。市場を見てたけど、一般的に出回っている素材ばかりだから目新しさがない。国外からの調達……には時間が掛かるか
一度マンタに乗って領都に帰って戻ってくるか……。
王都の朝市をもう一度見て回るか。鍛錬を早めにしたらいいか。
メニューを考えながら歩いているといつの間にか、領主邸に着いていた。
部屋に入ると、フィーヴァとテトラが書物を漁っていた。
「フィーヴァ、テトラ。ただいま。
今日の散策でなぜか、アドルシーク領の領都で行った孤児院の改革を王都でも手伝う事となった。まずは遊具の設計図を書く」
「リース…、
我が造る物に設計図など不用」
「ああ、フィーヴァは造らない。今回は王都の大工に造ってもらう。」
「なん、だと…。
……リース、我も遊具とやらを造りたいのだが…。」
「ああ、今忙しいから今度な………」
遊具の設計図を何パターンか書いて、今夜薬草を探しに行き、姉さんたちの新メニューを考えて……明日ポーション作りして……
「リース様いいんですか?
フィーヴァが、ショックを受けてますよ?」
「ああぁ~もう!面倒だなぁ!アドルシークに帰ってから、天空城で遊具でも、遊園地でも造らせてやるから、今は我慢しろよ!」
「…わかった。」
「……あ〜あ。いいんですか?リース様」
「テトラ、……今忙しいから、後でな。」
俺は自分の机に向かい羊皮紙にアイディアを書きなぐっていた。
この時の俺は考えをまとめるのに忙しかったから、フィーヴァ達の意見をすっかり聞き逃していた。何か重大なミスをしてしまった気がするが……、ま、いっか。
「それより、この前の騒動のどさくさで、治療した怪我人と病人はどんな割合だった?」
「怪我人は冒険者が7割、1割が孤児院、1割がスラム街、1割が老人やその他です。
病人は、老人が6割、子どもが3割、大人が1割ですね。」
「治療で使用したのは、テトラと一緒に領都で作ったポーションだけなんだよな?」
「はいそうです!
約2000人に投与しました。在庫は3割まで落ちてますので、前回と同じ量を補充するなら、薬野草が約3トンは必要です。」
「そうか、この周辺で薬野草を採るとその量は刈りつくしてしまうから、広範囲で刈り取るか群生地を見つけるか、育てるしかないな。」
治癒魔法の担い手は、数が少ないしもしくは協会に所属している司祭や修道女などに限られるし。ポーションは魔術師の領分だから、材料と魔術師のスキルによる。
今現在、王都のポーションが不足していると言う話だったから、薬野草を手に入れに行ってくるか。
「兄さんや姉さんたちがケガや病気をしたら嫌だしなぁ。」
ポーションを大量に作って万が一の時に使ってもらえるよう領都邸に備蓄しておこう。
そうと決まったら今日の夜、薬野草を確認しに近郊の山に出かけるか。
領都の自室の天井の一部がゆがみ、テンが転移してきた。神猿は自分の意志で転移出来る。呼ぶ必要が無いときいつもは、故郷の森や岩場で仲間と遊んでいる。
「キキキ(……リースゥ~どうしたらいいんだぁ~)」
「……テンどうしたんだ?いつもの明るい調子じゃないな?」
この忙しいときに、なぜか集中するよな~。なんでだろ?そういえば前世で道をすれ違う時なぜか細いところに重なって離合が難しくなったよな~。おっと、どうでもいい事だった……。
「キキキキキキ(好きになった子にフラれたんだ…)」
「そ、そうなのか?」
予想外に、いきなり重い話がでた……。
「キキキ(慰めてくれよ〜)」
「そう言われてもな〜、……そうだちょうどいい。
今から夜の森に行くんだ気晴らしに一緒に行くか?」
「キキキ(行く)」
「神狼はついてくるとして、神鳥はどうする。
ここにいるか?」
「ピョ~キョ(今日は昼間の警戒で疲れた。テンがいるなら寝る。)」
「そうか、わかった。じゃあテン、ローガ行くぞ。」
「ガウ(ヴァルとリオは?)」
「神豹はここの守り、神栗鼠は王城の守りに就いている」
◇◇◇
時は進み、次の日の夕方。
王城の執務室では、昨日の事件の報告の為、警務大臣カルガ(国内の警備治安を司る)が執務室を訪れていた。
「陛下。ご報告します。」
「うむ、昨晩の山向こうの妖しい光は何だったんだ?」
「ギルドに依頼し調査員を派遣したところ、何者かが戦闘をした後が残っておりました。例の腐敗する魔獣が討伐された様子です。既に魔石は抜かれていて、焼け焦げた魔獣の死骸があったのみです。」
「なに!何人もの冒険者が犠牲になったあれか?近く騎士団が討伐に派遣予定だったはずだな?」
「はい、調べてみるとコカトリスの変異種の模様で、筐体も通常の3倍、普通の武器ではおそらく討伐できなかったものと思われます。魔法で何とか討伐できる魔獣だったと思われます。
魔獣の危険度としてはAプラス
現在Sランクの冒険者王都に不在中でしたので、Aランクパーティ3っつが討伐に向かっておりました。今回魔獣の死骸を発見したのが、そのうちのひとつのパーティです。
コカトリスの変位種は、ポーションに必要な薬草の群生地に近く、王都のポーションの品不足の原因でした。
討伐されたことによってこれらの問題が解決されることとなるなります。」
「そうか。……それにしても一体誰が退治したのだ。」
「現在今調査中です。
数日以内には判明するかと思います。
Aランクパーティの者の報告によると、戦った跡を見るに、十数名の魔法使いの一斉攻撃か、相当な技量を持ったの魔法使いの攻撃か、マジックウェポンの性能によるものかと思う破壊された跡があったとのことです。
もしかすると、例の王都を救った黒装束の者たちかもしれません。」
「……うむ、調査の報告を待っておる。」
「は、承知いたしました。」
◇◇◇
時はリースが出発した前日のところに戻り
「キキキ(夜の散歩は楽しいな。)」
テンが全てを忘れようと力いっぱい木々を登ったり降りたりしている。ストレス発散か?
「森は静かだが、なんかおかしいな……」
「ガウガウ(リース、向こうから変なにおいがする。)」
「……変な匂い。どんな感じだ?」
「グゥ~ウ(何か腐った匂いがする。)」
「……ちょっと行ってみよう」
ローガが指摘するにおいの元に駆け付けるのであった。
◇◇◇
最初に異変を感じたところから20分、距離にして4~5キロ奥に移動してきた。
「ここは薬草の群生地に近いな…」
領都で手に入れた野草の発見マップに目を通す。
キェキェキェーー!
突然群生地の手前の開けた場所で巨大な鳥が悲鳴にも似た雄たけびを上げる。
「なんだこいつは! うわっ、何か仕掛けてくる。」
口からガス性のブレスを吐く、避けた先の対象物が腐っていく。無機物は反応しないが、有機物に被害が出るな。
「ガウゥ~(リース、くさい。俺苦手)」
「わかった、下がってていいぞローガ」
「キキキキ(リース俺が戦ってもいいか?)」
「ああ、いいぞ、正面はブレス攻撃をしてくる。それだけに気を付けろ。」
「キキキキキ(わかった任せろ)
ウキキキキキ(日ごろの鬱憤を晴らしてやる)」
これはコカトリス……か?確かブレスは石化ガスだったような?
コカトリスは両手を広げ、体を大きく見せる態勢をとる。息を吸いテンに向かって、腐食性ガスを吐き出す。テンは軽々避けるが、避けた先はガスの届く範囲で腐っている。
テンは変性の術で体が赤く大きくなり、炎を纏う。
縦横無尽に動き回りコカトリスを翻弄する。
「テン、森でそれをすると山火事になるからやめて欲しいんだが………」
飛び移る先から火がついていくものだから放っておいたら火事になるよね。しょうがない、俺が消すか。
テンはコカトリスの背後を取り、右に左に火を纏った殴打を繰り返す。
全身に火がついたコカトリスは、まるで不死鳥の様を見せている。
テンは空中で回転して戻ってくると、コカトリスの正面に立ち、手に魔力を溜め、火炎放射のような攻撃をした。
「なんだテン、その技メチャメチャカッコイイ!」
コカトリスは、頭部が爆砕し、身体は黒コゲになった。
「キキキ。(鬱憤が晴れた。スッキリした。)」
「そうか?良かったな。
……テン、女の子に一度断られたからって、諦めるのか?節度は大事だが、男の子なら好きになってくれるまでがんばってみろよ。」
「ウキキ(わかった。がんばってみる)」
そう言い残すとさっさと自分の森に転移した。
俺は残ったコカトリスの残骸から、こぶしくらいの魔石を取り除く。
「良し!魔石も採れたし、フィーヴァも喜ぶな。
後は薬草を持って帰り、ん?コイツは……。」
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王都編はあと2.3話で終わります。(そろそろ帰ります。)




