第82話 王都襲撃3
アップですが、不定期のぺースになります。
本業が立て込み遅くなっております。すみません
時々修正もしています。
今回は王都の騒動アップします
私達帝国の使者達は、晩餐会の始まる前に控えの間でくつろいでいた。
私は手に持った胸飾を見ながらここ数日の事を思い出していた。
ジゼトラード帝国(勇者召喚陣の有る国)アシリクティーク公爵、第5男ローディス・アシリクティークに扮しているが、私の真の姿は第六皇女ローズティア・ラ・ジゼトラード。
真実を隠してアヴァルート王国に来たのは、純粋な好奇心と退屈な日常の逃避から、父上にもっともらしいお願いをして、お兄様(第二皇子ヴァーセル)の使節団に同行した。
私の皇家の継承順位は限りなく低い。しかし、他国への親善訪問で、皇家の血筋から一人でも同行することは帝国としてはかなりの特例。それが二人も行くという事は、帝国の誇りが許さない。そんな無理難題を宰相の一言で可能となった。
その解決の方法とは、……随伴要因で皇女ではなく、公爵の息子に扮装することで私の動向が許された。もし万が一、何かしらの事件で私の命が失われたとしたら、公爵家の存在しない息子の名前で記録に残る。そんな危うい扮装をしてまで外遊に同行した世界は、私の興味を引く者ばかりだった。
ただ、全てが順風満帆の旅ではなかった。
アヴァルート王国の王都に入った時、ちょっとした行き違いから、一人っきりになってしまった。……が、リースという少年と仲良くなった。
私にできた初めての友達……。
一緒に街を散策したり、食べ物を食べたり、一緒に泊まることになったり……
お風呂で裸も見られちゃったけど、男の子としか見てなかったから、大丈夫…のはず…
次の日にリースが貴族のご子息とわかった。
私は素性を偽っているのに、王女様や聖女様は、リースと本当の姿で打ち解け合っている……そのことに胸が詰まりそうになった。
本来の自分として、再び会う事は無いだろうけど、リースから贈ってもらった胸飾を大事にしよう。
もうあと何日もここにいることが出来ないから、リースと逢って叶わない再会を約束しよう……。
ふと、持っていた胸飾が振動し、大きな音が外から聞こえた。
音がした方に視線を向けると、……外に巨大な金属の塊があった。それは最初アイアンゴーレムかと思ったが、後に聞いた話では魔獣だった。
巨大な魔獣は、迎撃に出た王国の騎士達を まるで道端の木の葉の様にふっと吹き飛ばしていた。
「なんて化け物だ‼」
私を護る騎士から見ても、王国の騎士が弱い訳ではない。魔獣が強いのだ。
「姫っ、あ、ローディス様、窓の側は危険です!私どもの後ろにお下がりください‼」
あの魔獣はAランクパーティが勝てるかどうかの強さを持っているとの事だった。
この魔獣の向こうにも似たような魔獣がいた。それはメタルスコルピオンといい、Aランクパーティが2つでも厳しいと言われている魔獣だった。周りの大人たちは皆、顔面蒼白となっている。無理もない。あの魔獣は、一体で街一つを壊滅な被害をもたらすと聞く、それが目の前に2体、いくら王城とはいえ相当な被害が出ておかしくない。
「ここに居たらまずい!逃げないと」
ある者は反対の出口から我先に逃げる。
「逃げるってどこへ⁈我々はこの城に疎い。下手をすると巻き添えを食うぞ‼」
どうやら王城の反対側にも魔獣が出たらしい。
王城内は一部騒然となったが、こちらの国の王ライディアル様が
「静まれ‼
わが国には屈強な騎士たちがいる、魔術師もいる。今こそ秘められたチカラを発揮し、わが国の力の底を見せてやれ‼」
と演説を打った。
その光景を見た近衛騎士団を始め名だたる騎士たちが、気勢を挙げ、掛け声とともに魔獣達に立ち向かって行った。
そしてその時、薄く光る黒い衣装の集団が、魔獣達に立ちはだかった。
と同時に、光り輝くものが晩餐会会場に出現した。
『いにしえの約定により、王都を護る』
頭の中に声が響いてきた……
城内はその光の出現に騒然となったが、黒衣の集団が魔獣を圧倒し始めると、歓喜に湧いていた。
あの魔獣の圧倒的な存在感、質量感、絶望感が、いつのまにか霧散していた。
魔獣は、攻撃をいなされ、躱され引き倒された。
その向こうにいる大きな魔獣の振り下ろす腕を折り、迫り来る打撃、炎の攻撃を軽く躱した黒衣の戦士は、胸元が発光してるように見えた。
その戦士の闘いは美しく、見るものを引き寄せる。魔獣が攻撃がまるで通じない。黒衣の戦士は、魔獣の尾を斬り、背中に飛び乗ると、拳が光り穴を穿った。魔獣、体液を散らし、絶命した様だった。
その時私は、黒衣の戦士と目が合った気がした…。
◇◇◇
アヴァルート王国の王城に使える侍女の方から、夕方の案内がありました。
「アクアリス様6つの鐘が鳴る頃に晩餐会が始まります。始まる前にご案内します。それまではこちらの部屋でおくつろぎください。」
「はい。ありがとうございます。」
ふう~。少し一息付けますね。
…想像していた通り、碑文の解析は驚くべきものでした……。
私より4歳年上の修道女メリーナが
「アクアリス様、今日の晩餐会のお料理が楽しみですね。アヴァルート王国では最近わが国でもお目に掛かれないお料理のメニューが開発されているそうです。」
「メリーナ。それはいつも入ってきている商人様からの情報ですか?」
「あ、わかりますか?」
「わかりますよ。神殿の恋仲事情の見返りに、美味しいものを貰っているのでしょう。」
「わ、わ、わ、どうしてそれを……」
「商人さんが笑って言ってましたよ?室長に」
「えっえ〜!」
「ふふふ。…まあ人事や内情は教えてくれないって言ってましたから、商人さんも口が堅いと褒めてくれていたと言う事ですけど…。」
「よ、良かったぁ〜。」
「でも…、実って無い恋話で、話題にされた人は怒っていると思いますよ。」ニコ
「そんな…、
ごめん。ニコラ、サフ、ソーク、アルル…」
「まったく何人いるんですか?」
「えへへ。大丈夫ですよ!ちょっと冷やして話しただけですから。」
晩餐会会場の準備が出来たようですね。王城の侍女の方が来られました。
「アクアリス様、それでは晩餐会の会場に移動しますよ。」
「はい。それではメリーナも行きましょう」
「はい!アクアリス様」
私たちは王城の侍女様に連れられて、晩餐会の会場内に案内されました。
「…っ、この気配は」
私は神々しい気配を晩餐会会場で感じ、同時に禍々しい魔力の波動を王城の外から感じました。と同時に頂いた胸飾が振動し、
「姫様?」「アクアリス様?」「どうされました?」
「外に魔の波動を感じます…」
大きな音と光が鳴動し、私たちを守る聖騎士の方々が前に出る。
「我々の背後に!」
「あれは!メタル系魔獣‼」
「シルバークラブにスコルピオン、センティピードにビートルだ」
「なぜ南の大陸の魔獣が…」
皆が皆騒然とする中、私はなぜかとても穏やかな気持ちになりました。
この国の王ライディアル陛下が高台に立たれ、
「静まれ‼
わが国には屈強な騎士たちがいる、魔術師もいる。今こそ秘められたチカラを発揮し、わが国の力の底を見せてやれ‼」
とおっしゃいました。
秘められたチカラ……
陛下はご存じなのでしょうか?
会場に居た近衛騎士団の方々が、気勢を挙げ魔獣達の元に立ち向かわれました。
「いらっしゃいます。」
「誰がですか?」「……?」「えっ……?」
晩餐会会場に光り輝く翼を持った女性がいらっしゃいました。
『いにしえの約定により、王都を護る』
頭の中に声が響いてきた……
「これは……」
神託……とほぼ同じ感覚でしたが、意志というか言葉が明瞭というところが異なっていました。神託はもっと威厳が強く全体重に重しが掛かったような感覚があり、言葉としてではなく意志の気配を感じとると言うもので、言葉として伝わるものではないのです。
そして、気が付けば光り輝く翼の女性は消え、代わりに魔獣の前を、黒衣の集団が対峙していました。
そして魔獣を圧倒し始めると、ものの数分で魔獣を駆逐していきました。
ふと空を見上げるとあの方の気配を感じました。
「これは、明日はお会いしないといけませんね。」
「アクアリス様、どなたにですか?」
「あ、いえいえ、何でも無いのです。それより、けがをされた方がいないか、いたら治癒をしないといけません。」
「はい!早速確認してまいります」
結局、王城の人々はけが人も完治しており、王都街の住人も光の精霊が光の雫をけがした部位に滴下させると、けががたちまち治癒し、また、けが人だけでなく、重病人に治癒の施しをされたことがわかり、私たちが呼んだ精霊によって助けられた事になっていた。
そして、黒の戦士達が、けがをした騎士たちに施したポーションが、マーブルティア聖国にもないような治癒のポーションという事が私たちの上層部で話題となっていました。
「リース様……。」
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宜しくお願いいたします。
もう少し王都編が続きます。




