第71話 男装令嬢
アップですが、不定期のぺースになります。
時々修正もしています。
王都に行きました。今回もリース視点です。
吟遊詩人のお姉さんと別れてから、おなかの悲鳴を納めるべく飲食系出店を求めた。
王都は数知れない出店が所狭しと出店している区画がある。
自分に焦るな、落ち着け、見極めるんだ!と言い聞かせ。嗅覚を頼りに街を彷徨う。……思えば、人生でこれほど長く感じる時間放浪していたのだろう。(後で確認したら10分程度だった。)
おっ、なんだかいい匂い。この出店の商品ケバブみたいな食べ物で旨そうだな~。
「よし、おっちゃん一つください。」
今日の昼食は君に決めた‼
クゥ〜
隣りにいた13~4歳くらいの兄ちゃんのお腹が鳴った。
恥ずかしいのか、こっちに背を向けてお腹を押さえている。とと、こっちの視線に気付かれた。
「買わないの?」
その兄ちゃんと目が合ったので聞いてみた。
「あ、いや、買えないので…買えないのだ。」
「…? 減量中なの?」
「いや、供の者と逸れてしまい、朝から何も食べていないので…
いないのだ。」
ん?良いところの坊ちゃんを隠す為に言い換えてるのかな?
むっふぅ〜、ちょうどいい。今俺は、悪い顔してる自信はある。
「じゃあ、今日1日僕と一緒に過ごしてくれるなら、ご飯くらい奢りますよ?」
ひとりで散策って飽きちゃうしね。
「ええっ!本当ですか! ……コホン。本当か?助かる。」
忙しい兄ちゃんだな?
「おっちゃん、もう一個ください。」
あいよっ
「お兄さんは、どこから、来たんですか?」
「えっ?あ、その、西の方から…」
ちょっぴり挙動不審だ。…なんだ?どうして隠す必要があるんだ?
…まあいい、流すか。
「ふーん。そうなんだ。
お兄さんは、貴族の人だね。僕はそう言う人達とよく話しをするから、構え無くて良いよ。」
「えっ、そうなの?」
「うん、……で、そのお供さんは、どこで逸れたの?」
「わからないのです。 ……のだ。」
もう、その話し方で行くらしい。別にいいけど…
「何か急ぎの用事とかはあるの?」
ん?ズボンを引っ張るのはローガか。ああ、ごめん。ご飯だよね。
忘れてたよ。…許せ。スネをかじるな。
「おいちゃん。同じのあと2つに、肉串四つください。」
あいよっ
「えっ、そんなに食べるの?」
「ああ、この神狼と後で紹介する神鳥が食べるんだ。」
「一個出来たよ。へい。」
「ありがとう。さ、どうぞ。」
おっちゃんに作って貰ったケバブもどきをお兄さんに渡す。
「あ、ありがとう。」
クゥ~
「ふふ。食べてて良いよ。」
お腹が悲鳴を上げてるじゃん。どぞ。たべて。
「えっ、えっと、待ってる。」
えっ、礼儀正しい子!
「そう。じゃあもう少し待ってね。」
しばらくして、肉串まで出来た。おっちゃんに、あいさつして移動する。
小さな運河横の公園で、座って食べる事にした。
「座って食べようよ」
ちょっとベンチみたいな岩の上に布を敷く
「うん、そうで…だね。」
お兄さんはなんだかほっとした感じ、人見知りするのかな?
「じゃ食べよう。どうぞ、召し上がれ」
お兄さんがどうやって食べるか観察する
「う、うん。」
「食べないの?お腹減ってるんでしょう」
「ご…、すまない。食べ方がわからないんだ」
やっぱりね、そうだと思ったよ。
「ふふふ、こうやって食べるんだ真似してごらんよ」
「えっ?それは、……はしたないんじゃないの?」
「そうだね、貴族様の夕食だったらね。でもこれは街の出店の食べ物さ。誰もマナーを問い詰めたりはしないよ。自由に食べていいんだよ。
かぶりつくように食べてみなよ。おいしいよ」
「………ほんとだ、おいしい」
「ふふふ、そうでしょ。
街での食べ歩きや散策は、息苦しい貴族社会からの息抜きになるよ。
貴族の生活で生真面目に生き過ぎると、壊れちゃうからね。例えば弓もね。弦をずっと張っていたら、切れるんだよ。気を張る時は張る、気を抜く時は抜く。それで、今は抜く時さ。ね、貴族のお兄さん。
そういえば名を名乗っていなかったね。俺はリーフィス。リースって呼んでよ。」
「わた、ボクはローディス。ゴホゴホ」
おっと、むせちゃった?そういえば飲み物が無かったな、無限収納からジュースを出すか。ローディスか、ゴロが近いな…。
「じゃあ、ロディでいい?あっ、ジュースどうぞ」
ジュースを出して背中をさする。
「うん、えっ、どこから出したの今」
「マジックバッグから。」
という事にしておこう。
「す、すごいね。」
「たいした事ないよ。たまたまつてで手に入った一品なんだ。」
「そうなんだ。なかなか高額だと聞いているから一般の貴族でさえも持っているのは少ないと聞いているから…」
おっと、そうなのか?あまり持っていないのか?
「そ、それよりロディ、ご飯食べたら、街の散策にちょっと付き合ってよ。お供の人もきっと探してる」
「あ、うん。ねえ、リース君ってさ、どこかの貴族?」
「ふふ。リースでいいよ。ロディだって知られたく無いことがあるんでしょ。
俺にもあるんだ。ロディも剣の修行、執政の勉強、魔術の鍛錬だって忘れてさ、今は貴族がどうとか、王族がどうとか無しにして……、
ただの友達と一緒に、街の散策を楽しもうよ。」
「……、うん。そうだね!」
ん?どうしたんだ?じっと見つめて来て
「と、友達♡いい響き…。」
「ん?友達居ないの?」
やべ、………すごい落ち込んだ。
「あ、いや、事情があるもんね。じゃあさ、俺が初めての友達って事で良いじゃない!」
「うん。リース。初めての友達。」
なんか、めちゃかわいいんだけど、男の子だよね?ん?男の娘?
「ロディさん、なんか、女の子っぽいよ?」
「…っ。そんなことはない!」
あれ?気にしてるのかな?
「っと。ごめんごめん。可愛かったからさ。」
「かっ、かわいい?」
ん?なんで喜んでんだ?
「はっ、いや、こ今度、かわいいって言ったら承知しな…い。」
「あ、うん。わかったよ。ごめん。」
「わ、分かれば良いんだ。」
「じゃあさ、ロディは、何歳なの」
「はっ、14歳だ。」
俺より身長がだいぶ高いし、思った通りの年だな?ところで、はって何?
「はっ?14歳ね。じゃあ王立学園にいるんだ?……王立学園ってどんなとこ?」
「……王立学園?」
「王立学園知らないの?」
「うん。来たばっかりで…。」
「そ、そっか?」
どういうことだ?14歳で、アヴァルート王国の貴族の子なら2年生になるし、王立学園は必修のはずだ。では貴族じゃないか、いや、気品があるからそれは違う。14歳じゃない?かも知れないが、知らないことはないし、12歳はいっている。という事は他国?の貴族か……。とすればいくつか合点がいくな。
「…この子かわいいね。」
ロディは、視界に入ったローガを撫でモフリだした。ローガも気に入っているようだ。
「ガウゥ(リース。この子いい匂いがする)」
バサササッ
おっと、ファディが帰って来た。
「おかえり、ファディ。はいご飯。」
「ピュオ〜(飯だぁ)」
「ゆっくり食べろよ?(…どうだった?居たか?この子の連れ)」
「ピピュオ、ピィー(それらしいのは分からなかった。人が多すぎて。)」
「そうだよね……。」
「ピピピュオ(それより、夕方雨になるぞ。雨竜が来るから、もしかして雷竜の気配もするから、ちょっとした嵐になるかも。)」
「なに、それはまずいな。」
雨竜は、別名水龍または青龍とも呼ばれ、移動中気まぐれに雨を降らす。雷竜とかち合ったら嵐になるな。
「……何がまずいの?」
「あ、いや、こっちの事。」
この子を宿には連れて行けないし、知り合いは見つかっていない。雨までに見つけないとな。最悪はどこかで一晩明かさないといけない……。
「(ファディ、どこか空き家の一軒家を探してきて)」
「ピョエ~(分かった、また知らせる)」
バサッバサッ
「あれ?大きな鳥さんどこか行ったね。」
「ああ、ファディは気まぐれだからね。」
「ピュオ〜(聞こえてるぞ!)」
「ハハハごめんごめん」
「じゃあ、街を散策しようよ。」
◇◇◇
街を散策していたら、妙な奴らがいた。
「おい、お前たち早くしろ。ジゼトラード帝国(勇者召喚陣の有る国)の皇子は既にこの王都に来ている。あとマーブルティア聖国(勇者召喚陣の有る国)の聖女がもうすぐ来る。目的はつかめていない。どこに滞在し、何の目的があるのか調べるのだ。」
他国の間諜か。マーキングしておこう。聖女はともかく、ジゼトラードから皇子が来ているとはな。はっ?まさか?
「ねえねえ。あそこのお店見ていいかな?」
ないない。そんなドラマなような話。
「いいけど女性用のアクセサリーショップだよ。ああ、お母さん様にかな」
「ううん。いもうと、妹に。」
「いいよ。寄って行こう。」
優しい兄ちゃんだ。ちょっとおしゃれなお店だな。前世で言う観光地の高級土産物屋さんみたいだ。
「(リース様)」
「(テトラか。どした。)」
「(フィーヴァがいつまで経ってもゴーレムの側を離れないので、こっちに来ちゃいました。)」
「(ちょうどいい。夕方から雨竜が来そうで雨が降りそうなんだけど、どこか一軒家で空いているところを探して欲しいんだ。今はファディに空から探させているんだけど、たぶん近くには見つからない。)」
「(それなら、いい考えがありますよ?)」
「(えっ、どんな?)」
「(フィーヴァに作らせるんです。嬉々として作りますよ!夜までに)」
「(大丈夫か?)」
「(大丈夫ですよ!雨までには間に合いますって)」
「(いや、そっちじゃない。オーバースペックで作らないかどうかと、街中はやめてくれ。目立つから、そうだな、一見人目につかないところで、平均的な住宅の作りで頼んでいいか?)」
「(わかりました。直ぐに伝えますね。)」
やれやれ、この問題は何とかなりそうだ。ロディがずっと見ているアクセサリーがあるけどお気に入りなのかな?
「それが気に入ったの?」
「あ、ううん。まあ、この中じゃね。8歳の妹…がこんなアクセサリーは持ってないから。供の者と合流出来たら購入するよ。」
「ふ~ん。僕と同い年か。ロディに似てるならかなりの美人さんだね。」
「あ、うん。そう、かな?」
なんで君が照れてるの?
「それより、ちょっとお供の人を探そうか?もう夕方になるし、さすがに夜は一人じゃ危ないから、そうなったら僕の知り合いの家に泊まれるからそちらでもいい?」
「あ、うん。なにからなにまですみません。す、すまない。」
口癖じゃないよね?
◇◇◇
あれから2時間探したけど結局見つからなかったな?
「(リース様準備が出来ました。)」
「マジでッ!(早くない?)」
「どうしたの…のだ?」
ロディが不安そうに尋ねてくる。まあ、14歳のお子様だから不安にはなるよね。
「あ、いいえ、それじゃ、今日はもう暗くなるからあきらめて、明日探そうか?」
明日の午前中は大丈夫。午後からアリスと街の散策だけど、……何とかなるか?
「う、うん。いいの?」
「いいよ。大丈夫。(場所は?)」
テトラに念話で確認しておこう。
「(ローガが、ご案内します。)」
さすが、自然に誘導できるという寸法だね。すばらしい。
「(わかった。)」
こうして、二人で人気のない家で一晩一緒に過ごすのであった。この時の俺は全く気付いていなかった。ロディが女の子だったなんて。
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つぎも王都編です。




