第69話 第三王女の話
アップですが、不定期のぺースになります。
時々修正もしています。
王都に行きました。今回もリース視点です。
「ジゼル様、先ほどから特に発言が有りませんが良かったのですか…」
イズンがジゼルに確認をする。
イズンは、リースが王都につく頃、飛翔騎士団のスティングランドにワイバーンに乗って王都に来ていた。
「ああ、わしから言うことは何も無い。アリスの身辺も申し分無いしな。
3公爵が付いているんじゃろ」
「はい。父上、アリスの世話係兼友人として長年共に過ごしていますので、そのまま継続しても問題ないと…。」
「そうか、このまま良き家族となってくれる事を願うばかりじゃの。」
「しかし、3公爵はリースの事をどこまでご存じなのでしょうか?」
「アリスティアから、聞いている話がそのまま流れている。まあ、わしからもアリスに聞かれたら報告できるものは語っておるからな。将来性が誰よりも有望と判断されたのだろう。」
「そうですか…。」
◇◇◇
王城の裏庭の庭園にティータイムが出来そうな東屋があった。心地よい日差しが眠気を誘いそうだな。そこに用意された椅子に座ると、アリスが侍女の紹介を始めた。
「リース様、紹介します。
こちらの侍女は、ルティーミル、ペイシルク、マルトアナです。」
「どうも。リーフィス・セファイティンです。どうぞ……仲良くしてください。アリスさ、ゴホン、アリスの許嫁になりました。先ほどの話で、正式な婚約はまだ先だと思いますが、それまでよろしくお願い致します。アリスさ…も、初対面の私に対して、気軽に話し掛けてくれてありがとう。」
「初対面?」
ん?アリス…は小首をかしげてしまったけど。初対面だよね?
「ではそういうことにしておきましょうか?」
含みを持たせた笑顔で俺を見る。
「えっ?」
どういうこと?まさか?ね。
「それでは早速お茶をお持ちしますね。リース様のことをもっとお聞きしたいですわ。せっかくのお時間ですから、たくさんお話ししましょう!」
仕草がいちいちかわいいなぁ。和む。
「それで、リース様は、王都には何度来られたことはありますか?」
「いえ、ありません。この度が初めてです。」
「まあ、そうですの。それでは滞在中は私がご案内させて頂きますね」
「姫様。王城の外への外出は認められませんが…。」
アリス…、外に出れないんだ…。そういえば、後ろのお三方のプレッシャーが重いような…。
「お父様にお話をしてこないといけませんね…。そうですわ。リース様はお姉様がいらっしゃいますね。」
「はい。王都の学園に通っています。」
「私の姉とも仲が良いみたいでよくご一緒にお茶をさせて頂いておりますのよ。それで、いつも話題になるのがリース様のことなのです」
「そうなんですか?気恥ずかしい限りです(何のネタで話をしているんだ?)」
「そうですわリース様。ある少女の話をさせて頂いても?」
「はい、いいですよ。(ふふふ。友達の恋煩いの相談かな?)」
「はい、では、そのある少女は、いつも退屈しておりましたの。
少女は三女であり、姉たちが何でも出来てしまうから、することが無くなってしまって、お稽古事や、習い事の毎日だったのです…。」
よよよ。と目にハンカチをあて、うそ泣きをする。
「そんなある日、隣国から贈られてきた貢物を許可なく開けてしまい、中に入っていた何かが飛び出し、その少女は呪いに罹ってしまいました。」
「ふ~む。それは大変ですね。どのような呪いなのですか?」
呪いを解呪できるならしてあげよう。こっそりが条件だけど。
「体内の魔力の流れを乱し、やがて魔力暴走をさせて命を落とすという物でした。治癒師の見立てでは余命いくばくかと言う事でした」
「それは、急いで対策を講じないと…どちらにいらっしゃるのですか?」
「ご安心ください。結果的にはもう解決しております」
「なんだ、そうでしたか、良かったです。」
「ふふふ、リース様は、やはりお優しいんですね。」
「えっ、いえ、そんなことないですよ」
あぶない。解呪が出来るかもしれないけど、実力を見せるわけにはいかないからね。
「なにか対応できる術をお持ちだったんですか?どなたか聞かれようとされていましたが?」
「あっ、いえ、対応できるか、知り合いに聞いてみようかと思っただけです。」
あぶないあぶない
「すみません。話の腰を折ってしまって。続きを教えてくださいますか?」
「はい、もちろんです。私、この話に出てくる方が大好きなんです!」
「そうなんですか?僕も続きが楽しみになってきました!」
「はいでは、続きですが、その少女にはお爺さまがいました。そのお爺さまの事もその少女は大好きでした。お爺さまは症状を見ると、呪いに罹っているとすぐにわかったそうです。昔、冒険者だったお爺さまは、知り合いの冒険者が同じような症状の方を直した仲間がいるとの事でした。」
「ふむふむ。なんかドキドキしますね。」
「はい!
そして、お爺さまがそこに行くのは2週間掛かるところを約1週間で駆け抜けたそうです。」
カッコイイ!
「それで、どうなったんですか?」
手に汗握るな。時間的に大丈夫か?仲間を見つけても、連れて帰る時間がギリギリか…。
「…お爺さまは、知り合いの冒険者に事前に連絡を入れ、そこの貴族の屋敷で落ち合う事にしました。そこには、その少女と同い年の貴族の息子がいました。」
「うん?」あれ?なんかデジャブ?
「立ち寄られた貴族のご子息に、ことの経緯を話されたおじいさまは、翌朝、治癒の経験がある仲間の魔女様の元へ急ぎ向かわれました。
その時、お爺さまのお話に耳を傾けた貴族のご子息は、王都まで2週間は掛かろうかという道のりを危険を顧みず、単身駆けつけました。
そのご子息は、力のある聖霊様と大きな鳥の神鳥様を伴われて、空を駆け、山を飛び越え、風のようにいらっしゃいました。」
……あれ?いつの間にかその手に持っているのは、神鳥の羽根やんか?
「……。」
うそだよね?
「それからお城に掛かる結界をものともせず…」
「……。」
おいおいおいおい、ちょっと待て全部ばれてる。俺がやったのばれてる。
「彼は私に罹った呪いを愛のチカラを持って解いて頂いたのです。」
ちょっと脚色が入ってる
「ハハハ、す、凄いですね」
「………フフフ、という夢を見て、朝、目が覚めると体中すっきりした状態でした。そして体中にあふれる魔力があったのです。
治癒師様や魔術師様のご意見では奇跡が起こったとしか言えなかったそうです。私はその夢に出てこられた方が、呪いを解いてくださったと信じています。そして、そのお方のお顔がリース様そっくりなのです!」
じっと、潤んだ瞳で見られると直視できない。
「えええっ!い、いや、それは、光栄です…。」
「本日リース様のご尊顔を拝見させていただいて、夢の通り素敵な方だと思いましたもうこれは運命であると思っております。
おじい様から伺っていた通りリース様に早く行きたい気持ちがありましたが王都とアドルシーク領では距離がありますので、実際の成人の議でしかお会いできないものと思っておりました。
それがこんなにも早く会えるとは思いませんでした。」
「…ありがとうございます。そんなに楽しみにしていただいていたとは」
これは、フィーヴァに相談だな…。
「リース様は王都にどれだけ滞在できるのですか?」
「…そうですね。おそらく10日前後ぐらいになると思います」
「分りましたそれでは王都にいらっしゃる間、改めて私がおもてなしをさせていただきますね」
ニコっと、満面の笑みがかわいい。
◇◇◇
後にある会議室では盗賊が持っていた腕輪について議論が紛糾していた。
「この腕輪が簡単に作れるようでは同じ数が対峙した場合、膂力の差があって一方的に負ける可能性もある。」
「魔務卿、この腕輪の機能は分ったか?」
「はい、まだ詳細は検証中ですが、おおよそは…。」
「早いな。さすがだ」
「光栄です。判った範囲で報告します。」
「この腕輪は装備者の魔力を利用し膂力に変える付与がされています。通常の3倍の膂力を持つが、それに比べて魔力の消費が激しいです。おそらく長期戦では向かない装備で、短期決戦用の装備であると考えられます。
ちなみに製造はコアとなる魔石と術式を込めた錬金術師もしくは魔術師兼付与師が必要となります。
その製作者が1人で製作しているならば、その者がいなければ、製作できませんが、既に技術として広まっているならば、国が後ろ盾として存在するならば劣勢は否めません。
また、今回の魔導具が流出した経緯が、盗難であったならば、我々に認知されたことが吉へと運びましたが、試作の試験と言う形で配布された物で有れば、完成品はまた別の能力が他にあるのかもという可能性が出てきます。
この腕輪をもたらしたものはバートラルからの移住者で、その向こうにマーノルーナ、ウリットバーンがあります。ですから、先程の推察が試作の試験としての配布の場合、ウリットバーンの新兵器の可能性も否定出来ません。」
「……魔務卿、同じ物は製作できるか?」
「大変申し訳ありません、我国にはこちらを製作する技術者が居りません。」
「…っ。そうか。早急に他に腕輪が拡散していないか、または、他の能力があるマジックアイテムが出回っていないかを調べるのだ。」
「はっ。」
こうして、遺跡の財宝からゴーレムなど国力を上げるものが見つかったのだが、盗賊が持つアイテムが原因で、国家の命運を左右する情報収集により一層拍車が掛かった。
◇◇◇
王都にある領主邸にやっとついた
「あー疲れた。
はぁ、今日はまさか許婚ができるとは、これからどうなっちゃうんだろう。まだ、正式な婚約じゃないから公にはできないけど。」
そういえば、フィーヴァとテトラはどこ行ったんだ?
「あ、リース!」
「無事着いたのね。」
「大変だったみたいねいろいろ。お話を聞かせて。」
「妹達はどう。」
姉さんたちが矢継ぎ早に聞いてくる。あれ?兄さん達は?
「いや姉さん達こそどうなんだい?」
「まぁまぁまぁまぁ今日はゆっくりしなさいよ」
「それよりリースもらったレシピでわからないところがあるんだけどちょっといいかな」
そうして俺は背中を押され、王都領主邸の厨房に連れ込まれるのであった。
「まあ、しばらく滞在するんだから、王都見学してきなさいよ」
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つぎも王都編です。




