第66話 不穏な影
アップですが、不定期のぺースになります。
時々修正もしています。
今回は残虐な表現があります。
「(リース様落ち込んでいらっしゃるところですが、いくつかしておかないといけないのでは?)」
いくつか衝撃の事実を突きつけられ、落ち込んでいたリースだが、テトラが小さなアバターで姿を現し、耳元で囁いた。
「…ふう、アズン伯父さん。この森の外に盗賊の仲間達がいる可能性がある。」
「……っ。それはそうなんだが…。」
「ちょっと、空から見て来て良いか?知ってるんでしょ、マンタの事。」
「ん?ああ。この広い森を見つけられるのか?」
「それは、やってみないとわからないけど、とりあえず行くね!マンタ!」
足元が光り空飛ぶエイ、スカレイのマンタが現れる。リースは、マンタに飛び乗り、空高く舞い上がった。
「先にファティマ達に現状を教えておいてくれ!しばらくしたら、俺たちもキャンプに向かう。」
アズンは、リースにこれからの事を指示した。
「わかった。まかせて!」
まずはジゼル一行が静の森に入って来た別働隊が駐屯しているところに向かった。
数分で着くと、リースに気づいたファティマが、手を振っている。
「リース様‼どうされました?空から帰って来るなんて…。」
リースが使役従魔で、空を飛べる事を知らない様に装っていたファティマは、驚いて見せた。
「ああ、ごめん。
えっと、遺跡で盗賊に襲われたけど、返り討ちにしたから、その報告と、盗賊の仲間が付近にいる可能性があるから、警戒するように。ヴァル!」
神豹ヴァルは普段なまけものだが、神獣で一番早い。ゴーレムの残骸で偽装した箱に隠れていた盗賊を刹那で駆け寄り、魔力波の塊で吹っ飛ばす。
ドゴン!ガガン
「…あそこか。」
「えっ、なに⁈」
ファティマが、リースが呼んだ時にヴァルを見ていたところから、一瞬にして消えたヴァルが300メートルは離れた小岩を破壊する。
「あそこに盗賊の仲間がいる。ここを監視していた者たちだ。捕獲して。」
「は、はい!」
「それと僕は盗賊の拠点を調べる。」
「えっ⁈危ないですよっ!」
ファティマが驚いてリースを制止しようとする。
「大丈夫。上空から見つけるだけだから。」
「本当ですか?」
「うん、行ってきます。」
リースは再びマンタに乗り、上空へと消えて行った。
「ん?なんですか?今の音?」
ノンカがテントから出てくるのが見えた。
◇◇◇
リースは、夜間に来たルート以外で考えうる想定した地点に向かった。
「……やはりそうか。トラニカの町の反対側にあったか。まぁ、ここまでトラニカの冒険者は来ないしな。」
盗賊の拠点にリースは降り立った。拠点を守っていた盗賊が簡易な住居から出て来る。
「てめぇ?ガキィー、どこから来た。この辺りに近づく奴は、必ず掛かる仕掛けがあるんだよ。」
「さてね。それより、ここの仲間はコレで全員か?」
「ああん?小僧には関係ねー。ここを知られたからには死んでもらう。」
盗賊の仲間がわらわらと出てきた。
「なんだぁ?このガキは。」「おい、殺せ。」「俺にやらせろ!」
「うるせーぞ!」
『ライトスタン』
無詠唱で雷魔法を発動し、軽い電撃を浴びせ、盗賊たちの行動を止める。
「「「「「「ぐあぁー‼」」」」」」
『スネークバインド』
ロープをヘビの様に操り対象を拘束する。
「「「「ぐぉっ。」」」」「「ぐう」」
「……。まず腕輪を回収する。」
盗賊の拠点を慎重に見まわす。その中で、ボロい掘っ建て小屋に数十人の人の気配がした。
「……。もう大丈夫ですよ。」
捕まっていた、うつろな目をした女性たちに声を掛ける。約20名はいる
「もうちょっとだけ、…我慢していてくださいね。」
リースには、掛ける言葉は……正直なかった。
土魔法で壁を作る。盗賊たちと距離を置くためだ。
「おい。お前達。他の人達は、どこに居る?」
リースは、低い声で捕まえた盗賊たちに聞く。
「ヒャハハハハ、知るか?」
「お、お前、こんな事して良いと思っているのか?」
「もうすぐ仲間が戻って来たら、それが最後だ。それが嫌なら、縄を解け!」
「ああ、…お前たちの仲間が来るなら、早くしないとな。全部で11人だな。
……最初に言っておく、俺は悪を許さない。」
威圧を掛けながら、リースは言葉を掛ける。
「……いまから質問に答えてもらう。」
ウギギッ!
「「「「な、なんだお前はッ!」」」」
リースの威圧は、体中が押さえつけられつぶされそうな錯覚を覚え、気を張っていないと簡単に気絶する。ちなみに殺気はこの10倍は威力があるため、心の弱い者だと死亡する。
「彼女たち以外の他の捕らえた人はどこにいる。」
「知らん。」
拠点に残っていた盗賊の中でも胆力のあるものがぶっきらぼうに答える。
ザン
「なっ、ぐぁああ〜。俺の腕がぁー!」
リースは、なにも感情を込めず、無造作にその者の腕を切り、切れた腕を剣で刺して上にあげる。
「どうする。素直に話すなら、治癒魔法で腕を繋ぐ。今ならきれいにつながるぞ。」
「は、話す。だから腕を…、」
「…………最初から言う事を聞け。」
パァン
『ハイヒール』治癒魔法の光放ち
「う、腕がついた。」
「捕らえた人たちはどうした?」
「…殺して埋めた。」
「……そうか。」
ギリリと音が鳴り、歯を食いしばる。
「次の質問だ。どこに埋めた?」
「そこの茂みです。」
「くっ………。」
リースは茂みを見つめ申し訳ない気持ちでいっぱいになった。しかし、
「次の質問だ。お前は、この腕輪はどうやって手に入れた?」
リースは自分を戒め、必要な情報を優先的に聞いた。
「そ、それは、シナカと言うヤツが、持ってきて、その褒美で仲間になった。」
「そいつは、どこにいる。」
「静の森の建物のところに行った。こ、ここには居ない。」
「お前たちとそいつは、どこからきた。」
「お、俺たちはバートラル王国から、一緒に来たんだ!
シナカの奴が、静の森になんでもすげーお宝が有ると。」
「ヤツは、ヤツがいろいろな国に有る昔の遺跡に財宝があって、その財宝の場所を知っているから、協力してくれと!」
盗賊たちが次々と知っている情報を吐く。
「わかった。後でまた聞くかと思うが、とりあえず口を塞いでおこう。」
それからしばらくして、ジゼルがキャンプ地に合流し、リースも盗賊の馬車等で、移動した。
「………これは、不味いかも知れないな。」
リースは、考えうる事態の想定を修正して、早急に対策を取る必要を感じた。
3倍とはいえ膂力を手軽に変えられるマジックウエポンがこんなに数多く出回っている状況は非常に危険である。この腕輪を回収し、製作場所とどれくらいの製作費が掛かるかによって、戦争に使用される量が決まる。もし、少ない労力でこれが造れる国があるなら、戦争は一方的となる。
また、性能に関しても、現状で3倍だが、これが10倍などというものがあったら、それこそ兵士が何人いてもかなわない。この腕輪を持ち込んだシナカと言われる男に、どこで入手したのか、誰が造ったのかを聞かなければならないと、リースは思った。
遺跡調査の過程で、盗賊をなりゆきで討伐したジゼル一行は、キャンプ地で体制を整える事とし、リースにはアズンの指示で、トラニカの町長ジャルマンに報告し、盗賊を連行する騎士か、冒険者を手配してもらった。翌日の昼には到着するらしい。
盗賊達の内、怪しい行動をとった男シナカをジゼルが尋問したら、何やら不穏な事を言いだし死亡した。
「どこから来たんじゃ、お前は?」
「……。俺はウリッ、グッハ。
……くっ、やつらめ、の、呪いを掛けて や がった。……う…………けろ。」
血反吐を吐いてその場で死亡した。
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宜しくお願いいたします。
つぎ領都に戻り、王都に行きます。




