第65話 リースの獣魔
アップですが、不定期のぺースになります。
時々修正もしています。
「リース。」
アズンが半眼でリースを見る。
「は、はい。」
「お前の獣魔、騎士の証言では分身出来るらしいな。ちょっと見せてくれ。」
「えっ、はい。…分身。(どうしたんだ?分身ぐらい出来るだろ?)」
ローガ、ファディ、テンがそれぞれ、5体づつ分身する。
「……っ。(聞いていた話だと、子ザルだけが分身をしていたようだが……)」
アズンは、騎士の証言で出てなかった、ローガとファディの分身を見て驚愕した。
「「「「「「「「「「「えぇっ?」」」」」」」」」」」
その場にいた皆が驚愕する。
「えっ⁈(なんだ?どうした?)」
リースは周りが驚いたことがわからず困惑する。
「じ、じゃあ、魔法は放てるか?」
「えと、はい。では風魔法(魔法が使えることが珍しいのか?)」
ブホォー!
ゴァー!
バァーン!
それぞれ、分身の一体が、風魔法を放つ。
「「「うわっ」「きゃ」「おわっ」「わわっ」」」
近くにいた騎士や魔術師が風の影響を受けてよろける。
「火魔法」
「「「わぁー」「あつっ」「わっ」「きゃっ」」」
ゴオォー!
ボッゴッー!
ボボッ!
「水魔法」
「「「うわっ」「わっ」「……」「…」」」
バッシャー!
ドバァッ!
ドドッ!
「土魔法」
「「「「「「「……」」」」」」」
既に驚き疲れた皆は、無言で事の成り行きを見つめていた。どこか遠くを見つめながら。
ドゴゴ!
ボゴゴ!
ゴゴゴゴ!
「雷魔法」
「もう良い、わかった!」
アズンは、頭を抱え天を仰いだ。
「……最後に、大きくなれるか?」
はぁ~、と大きくため息をつきながらリースに質問した。
「闘身(体くらい大きくできるだろ?何が問題なんだ?)」
分身を解いて、それぞれ大きくなる。
「「「「「「「おおっ!」」」」」」」
周囲にどよめきが広がる。
ローガは体高2メートル半、テンは2メートル、ファディが翼長5メートルの大きさになった。ちなみに、リオと、ヴァルも大きくなる。
「リース。お前の召喚獣だが、いろいろ普通と違うんだが、どう言う事か説明出来るか?」
「えっと。(え、なに?何が違うの?)……スミマセン。
周りに従魔獣を扱っている人が居ないので、良く分からないのです。
…よろしければ、ご教示ください。」
リースは、やってしまった感はあるものの、下手にごまかす行動をするより、成り行きに活路を求める方向にシフトした。
「……いいだろう。」
「従魔獣は、魔獣をテイムしたものを言い、魔獣をテイムする者を従魔術師またはテイマーと言う。そこまではいいか?」
「はい。」
「獣魔術師をここではテイマーと呼ぶ。テイマーは、魔獣をテイムすることは出来るが、魔獣もそれぞれ、意思を持っているから、テイムすることは通常難しい事なのだ。だから、まず仲良くなり、そこから従魔契約を結ぶ。だが、その仲良くなるが難しい。
故にほぼ強制調教になる。もしくは、生まれたての魔獣をテイムすることになる。
強制調教になると、調教に労力(魔力)がかかり、そのテイマーの調教出来る個体数が少ない。それが従順な調教ほど、個体数が増える。まあ、魔力量にもよるんだが…」
「……。」
「次に魔獣の知能。魔獣の知能は低い。より、高度な命令をこなそうとすると、調教出来る個体数が限られる。そして知能は、魔獣、霊獣、聖獣、神獣と言う順に高くなる。ちなみに、その順番にテイムが難しいとされる。
また、魔獣と霊獣、聖獣、神獣との違いは、
魔獣は、体格は変わらない。
魔獣は、個体スキル意外は、数種類の魔法を使えない。
魔獣は、分身しない。」
「……。(やっちまった。)」
「リースの魔獣は、全て当てはまらないのだが、それを踏まえて、説明出来るか?」
「え、えっと(うそうそうそ、知らんかった知らんかった。ヤバイヤバイ)…。」
「加えて言うなら、リースの魔獣は召喚獣だろう?」
「えっと、……はい。」
「召喚獣は、今、この世界で扱えるという話を聞いたことが無い。」
「(なにぃ~っ‼)……っ‼」
「しかも伝説の召喚獣は、召喚師が召喚した魔獣だけが来る。契約獣が勝手にあるじの元に来る召喚獣を聞いたことは只の一度もない。」
「アズン伯父さんすみません。ローガ達の事については、説明出来ません。」
「なに?どう言う事だ。」
「はい。今からお話しすることは、全てが真実です。
……アレは僕の部屋にいた時の事です。パァッと光り、気がついたら、見知らぬ土地にいたのです。それから、また、パァッと光り、ローガがいる群れで、僕に威圧を受け、ローガと仲良くなり、またパァッと光り、今度は山の上で木登りして、テンと仲良くなり、またパァッと光り、空の近くで歌を歌っていたら、ファディと仲良くなったと言っても、誰が信じるでしょうか?……いえ、誰も信じませぬ。明らかにそこで仲良くなったのに、実感がなくて、明晰夢だったのだろうか?と、ある時ローガ達を呼んだら、実際に来たのです。その時の僕の驚きようったら、人に見せられるものではありませんでした!」
「(リース、それは流石に苦しいと思うが…。)」
フィーヴァが呆れてつぶやいた。
「(うるさい。ウソは言って無い。鑑定魔法でも証明できない。このまま、あの子、ちょっと天然さん?で押し通す‼)」
「(フフフ、リース様は面白いですね。いまだかつてこのような主は居なかったですよ!)」
テトラは、リースの面白さと、フィーヴァの普段とは違う言動を楽しんでいた。
「そうか。どうやらウソは言って無いらしいな。」
アズンが、セーランの鑑定魔法を確認し、言葉を紡ぐ。
「当然でございます!」
リースは執事があいさつするポーズで、返事する。
「では、不思議な事に、いつのまにか、どこかで従魔出来ていたと言う事だな。」
「はい。」
「そうか、わかった。
ジゼル様。」
「うむ。」
アズンと目が合ったジゼルが頷く。
「よし。リース。」
「はい!」
「では、王都に行くぞ。」
「はい?」
「王家に仕えるものとしては、此度の遺跡での騒動を含め、王家に報告する義務がある。」
「あ、いえ、その通りなのですが、僕はまだまだ育ち盛りの小さな子どもです。ですので、王都への道は長く険しく、とてもとても8歳には務まりません。
アズン伯父さんが代行して、陛下へご報告をお願いいたします。」
「なにを言っている?
オレが例えば陛下に報告をしたとする。リースお前が陛下だとしたら、…次はなんて言うと思う。」
「獣魔を見てみたいと…」
「わかっているじゃないか。
そう言われて、また戻って、連れて行くのか?面倒だろ。」
「ともかく、決定じゃ。」
「それに、リースにはさっきの件、王都でやってもらわないと行けないからな?(吟遊詩人に口添え)」
アズンはニヤニヤしながらリースを見た。
「そういえば、さっきアズン様に何を吹き込んだのよ!」
セーランは、今の言葉のやり取りで、何かしらの取引があったと感じ
「えっと、アハハ。セーラン姉帰ったら美味しいお菓子をあげるからさ。勘弁して」
リースは、またしても遠方に行く羽目になってしまった。
◇◇◇
時は盗賊と対峙し、リースがジゼルにお願いをしている時間まで遡る。
「……いえ、僕はお子様なので、後ろで大丈夫です!(…そうだ!)
あの〜、ジゼル様、少しお願いが……。」
「なんじゃ?」
「ちょっとお耳を拝借。ゴニョゴニョゴニョ。『アリスティア様が喜びそうな事を考えたのですが、アズン伯父さんとセーラン姉様にここは任せてもらえますか?セリフはこうです!「アズン、セーラン、やっておしまいなさい!」』」
「何じゃと!よし…わかった。
ゴホン。アズン、セーラン、やっておしまいなさい!じゃ。」
「「…は、はい?」」
「アズン伯父さん、セーラン姉!ジゼル様からのご命令ですよ!
やっておしまい!(イケイケゴーゴー)」
「リースゥ〜。後で説明してもらえるんだよなぁ〜?」
「リースくぅん。教えてねー。」
「ハハハ。」
「はぁ、いくぞ!」
「盗賊のみなさん。覚悟はいい?」
「行け!オレらの方が強いんだ!やっちまえ‼」
このセリフの後、一方的に盗賊たちの悲鳴で塗りつぶされるのであった。
◇◇◇
「伯父さん、アズン伯父さん………たいちょ」
「なんだ?リース」
「いいから、耳貸して。ゴニョゴニョゴニョ。『アズン伯父さんが王都でモテモテになる方法があるんだけど…聞きたい?』」
「えっ、オレが王都で…」
「ゴニョゴニョ『ジゼル様を引き立てて、ここの悪人どもを退治する様を吟遊詩人に詳しく伝えると、王都の娼館でモテモテ間違いなし!』」
「ふむ、…ホントか?」
「ゴニョゴニョ『だから、今から言うセリフをしっかり伝えて、まず……』」
「絶対だな!」
「よし!静まれ‼…ええい、静まれェ!」
こうして、元国王の世直し旅として、吟遊詩人に長く伝えられるのであった。
◇◇◇
誤字脱字言い回しのアドバイスお待ちしています。
評価☆☆☆☆☆、ブックマークしていただくと元気になります。
宜しくお願いいたします。
このままメインのサブキャラまで行く予定が、領都⇒王都編になってしまった。メインのサブキャラの子スタンバっていたのにすまぬ。




