第64話 盗賊の腕輪
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「おっとそこまでだ!動くなお前たち‼」
宝物庫に全員入っていた時点で、ゴーレムの残骸に隠れていた者たちが姿を現す。半円状になって取り囲み、数重の弓を構えている。盗賊と思われるその者たちは、人が入れるくらいの箱にゴーレムの残骸を取り付け、隠れていたらしい。
「くくく、扉を開けてくれて助かったぜ、ご褒美にお前達には、死んでもらう。」
盗賊の頭と思われる男が宣言する。
「(盗賊は、全部で22名、宝物殿を半円状に取り囲んでいる。対してこちらは隊長アズン、大隊長ジゼル、隊長見習いリース、護衛騎士2名、魔術師3名、治癒師1名、冒険者10名、神栗鼠リオ、(聖魔フィーヴァ、聖魔テトラ)全部で19+3:22か、どうしてこの戦力差で勝てると思ったんだ?取り合えず、+3は奴らは知らないからいいか。
女性がいるからか?子供(俺)がいるから?まあ女性と子供(俺)を引くと10:22だが、盗賊の味方が外から流れ込んでくる予定だったから強気なのか?それならわかるが…。
うーむ。俺1人でなんとかなりそうだが、それは目立つし、今後生きづらくなる。せっかくだ、冒険者と騎士のみなさんで頑張ってもらおう。)よし。たいちょ〜。こわーい。助けて〜。」
リースは、アズンの後ろに隠れる
「キャハハ!リース君なにそれ、おもしろ~い」
セーランは、リースの潜在的な魔法力を知っているため、リースが怖がっている演技に虚を突かれて笑ってしまった。
「(くっ、セーラン姉のツボを突いてしまった。)セーラン姉はタヒしている。」
「おい、リース。何言ってるんだ?日頃の成果を見せないのか?」
アズンは、弟の息子が冒険者に鍛えられて既に中級冒険者以上に強い事を知っていたので白けた目で見ていた。
「いえ、僕はお子様なので、後ろで大丈夫です!(…そうだ!)
あの〜、ジゼル様、少しお願いが……。」
リースはよからぬことを思いついた。専属メイドのプリーツやファティマがその顔を見たら、鋭く指摘して、詳細を暴いただろう。
「なんじゃ?」
「ちょっとお耳を拝借。ゴニョゴニョゴニョ。」
「何じゃと!よし…わかった。
ゴホン。アズン、セーラン、やっておしまいなさい!じゃ。」
「「…は、はい?」」
「アズン伯父さん、セーラン姉!ジゼル様からのご命令ですよ!
やっておしまい!(イケイケゴーゴー)」
リースはジゼルの後ろに隠れそこから、命令を復唱した。
「リースゥ〜。後で説明してもらえるんだよなぁ〜?」
リースがよからぬことをジゼルに吹き込んだことに気付いた。
「リースくぅん。教えてねー。」
リースにダシにされたことに気付いた。
「(ヤバイ!やっちまった。だがまあ、二人ともチョロいから何とかなるか?)ハハハ。」
「はぁ、いくぞ!」
「盗賊のみなさん。覚悟はいい?」
「行け!オレらの方が強いんだ!やっちまえ‼」
盗賊たちは、持っている腕輪が光り、強力な膂力を発揮する。
「「「「「「ウオォ〜‼」」」」」」
「こんな弱っちい力で、勝てると思うなよ!」
盗賊の一人とアズンが剣を打ち合わせ力比べをする。
ゴゴゴゴ
「誰が、弱いだってぇ?」
アズンは仮にも元Sランク冒険者。秘めたる膂力は常人では計り知れなかった。
ガキン「ゴァー!」
アズンが、盗賊の剣を折り弾き飛ばす。
「(ふうん。あの腕輪が切り札のマジックアイテムか。膂力を数倍にするからゴーレムの残骸に隠れていても平気だったというわけか。なるほど。かなり重いはずだしねぇ~)」
「あの女魔術師に矢を射掛けろ!」
盗賊たちの腕輪のチカラで常人の3倍に増した力で引き絞られる弓から矢が放たれる。
「青盾の風、吹きすさべ、ウインドウォール」
「ウワァ〜、風で、矢が、そんな馬鹿な!」
「バケモノだ!」
「だぁ〜れがぁ、バケモノだぅってぇえぇ〜?」
セーランの髪が風によって逆立ち、それはそれは見るものを恐怖に誘う。
「茨の道、指し示せ、サンダーアロー」
「「「「「ぐあぁー!」」」」」
「こんなかわいい女の子に対して失礼しちゃうわ!ね。リオ」
肩口に乗ったリオ(神栗鼠)は、コクコク頷く。
「「「「「……。」」」」」「こわっ。」
「伯父さん、アズン伯父さん………たいちょ」
「なんだ?リース」
「いいから、耳貸して。ゴニョゴニョゴニョ。」
「えっ、オレが王都で…」
「ゴニョゴニョ」
「ふむ、…ホントか?」
「ゴニョゴニョ」
「絶対だな!」
「よし!静まれ‼…ええい、静まれェ!」
「この紋章が目に入らぬか!」
先ほどジゼルから預かった王家の紋章入りの短剣を高く上げる。
「「「「「「「「「……。」」」」」」」」」
盗賊は知識が不足しているが、中に1人気づいた者がいた。
リースはそれを見逃さなかった。
「……ゴホン。
こちらにいらっしゃる方をどなたと心得る。
先の国王陛下、ジゼル・キュエル・アヴァルート様なるぞ。
皆の者頭が高い!控えおろー!」
「「「「「「「ハハー」」」」」」」
「おお〜、(一同平伏した!感動〜!)」
「(リース……これはもしかして、時代劇のアレか?)」
フィーヴァは、リースの記憶の中で見たテレビの映像を思い浮かべていた。
「(おっ、気づいた?どう?)」
「(……感動だ!素晴らしい!)」
「(えっ‼フィーヴァが、感動するなんて。テトラもビックリだよ!)」
テトラは、ギャルかって言うくらいの反応をした。
「(いや~、珍しいものが見れた、余は満足じゃ)」
リースは手元にない団扇を仰ぐ。
「盗賊の頭よ。面をあげろ。
お前達だな。半年前から、この遺跡にちょっかいを掛けていたのは。」
「そうだ!…です。」
雰囲気で、つい臣下の礼を取った盗賊の頭が答えた。
「どうして、ここの存在を知った。
地元の者でも、つい最近までは遺跡が有る事も知らなかったと言うのに?」
「それは…」
言い淀む盗賊の頭が見た先にいた男を見た。
その男が逃げだそうとしたところ。既に背後に周り混んでいたリースが、男を捕らえた。
「ふむ。その男が何か知っている様じゃな。…良し、後ほど吐いてもらおう。」
◇◇◇
「全員縛ったか。」
「「「「「「はっ!」」」」」」
「待て、ここにあった、白い騎士と黒い騎士はどこに行った?」
実は、既にリースによって回収されていた。
「……っ!」
「見てません。」
「どう言う事じゃ?いつ、いなくなった。」
「あっ、白い騎士と黒い騎士のところに何か跡が?」
騎士の一人が何かを見つけた。
「あちらに何か有るみたいです。」
「おおっ。コレは!」
そこには、未稼働状態の数百と並ぶゴーレムがいた。
「ゴーレムによる工作機ですね。」
リースが率先してゴーレムに近づき調査をする。
「ジゼル様。コレは。
ふむふむ。多分こうやって動くようになってます!
凄いですね!コレを使ったら、農作業が楽になりますよ!」
ジゼルは農業の労働についてのいくつかの問題が解決できると一瞬で分かった。
「おおっ!それは良い。」
「ジゼル様、このゴーレムはゴーレム農機と名付けましょう。」
リースは、ひそかに思っていた名称を告げる。
「いいじゃろう。問題はどうやって財宝とゴーレムを持ち帰るか。じゃな。」
「それは私にお任せを!」
「どうするんじゃ?」
「ここに先ほど拾ったマジックバックがありまして、その中に入れたらよろしいかと存じます。」
リースは、事前に準備していたマジックバッグを取り出し提案する。
「拾った?どこにあった。」
「そこです。」
リースは、こんなこともあろうかと予備で作っておいたバッグを3つと、壊れたバッグを5つほど投げておいた。
「(都合がよすぎる気がするが、)助かったな。」
「じゃあ、外に出ましょうか?心配ないと思いますが、外にも盗賊は居ますから。」
「いかん、すっかり忘れていた!騎士が4人しかおらんが大丈夫か?」
「大丈夫ですよ。ローガ達がいますから。」
◇◇◇
地下遺跡には約2時間滞在していた。ゴーレム農機各種類10体づつと、財宝・碑文が刻まれた石板などを押収し、ジゼルの遺跡巡りの中でも最も大きな収穫があった遺跡であった。その遺跡の出口につながる廊下をリース達は歩いて出てきた。そして出口に広がる散乱に息を飲んだ。
「こ、これは…。」
死屍累々と広がる盗賊たち
「これはどうしたんじゃ?」
ジゼルは、付近に立っていた騎士に説明を求めた。騎士たちは特にケガもなく、盗賊たちを縛ったり、集めたりしていた。
「はっ、
えっと、盗賊たちが一斉に入り口に向けて襲ってきたのですが、そちらの白い狼が大きくなりまして、蹴散らし、そちらの小さな赤い猿が、大きくなったり、何匹にも分身したりして、殴り飛ばし、あちらの小さな青い鳥が、大きくなり風魔法やら、水魔法やら、火魔法、最後に電撃を放って撃退しました。」
ローガ達は、出てきたリースに集まり、褒めて褒めてとじゃれていた。
「ハハハ、こら、ちょっと遊びすぎたんじゃないのか…な。」
「リース。ちょっとこちらで話を聞かせてくれんか?」
ジゼルは青筋を立ててリースを手招きする。
「えっと。知らなかったことに……なりませんよね。」
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メインのサブキャラまでもう少し。メインなのにサブとはいかに




