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第60話 帰還報告

アップですが、不定期のぺースになります。

時々修正もしています。

「…帰って来た。やっと…。

………おーい。(だめだ、声にチカラが入らん。)」


「ん、なんだ?朝っぱらから、どこの者だ?」


まだ、薄暗い明け方、トラニカの町を守る門番は、静の森の方角から朝早くに現れた男に怪訝な視線を送る。


「………おーい、助けてくれー。」


門まで後少しと言うところで男は倒れたのだった。


「おい、倒れたぞ。ちょっと見に行けよ。」


門番の1人は男が倒れているところに向かって行った。


倒れた男は、「草薙の風」の盗賊キッシュである。

静の森から、疲れの見える仲間を休ませて、自分は助けを呼びにトラニカまで走って来た。

実はもう少し体力は有るが、門まで行くのが面倒になって、倒れる事にした。


「ふぅ、疲れた。

……風が気持ちいい、ははは、空って広いなー。

ん?」


ビュッ


仰向けに寝転んだキッシュの視界の端を何かが飛んでいる。


「なんだ?鳥?……いや、なんだ?人が飛んでいる?」


キッシュは見間違いかと、目を擦りふたたび凝視すると見えなくなっていた。


「………見間違いか?」


スカレイは、下から見ると保護色になって見えないが、横から見ると乗っている者が丸見えなのである。


「おい?ん?……お前、キッシュじゃないか?」


「……おう、お勤めご苦労さん。」

キッシュはなじみの門番に軽めの挨拶をする。


「無事だったのか!」


「ああ、静の森から脱出して来た。俺の仲間も途中で休んでる。迎えに行って欲しい。揃ったら、ギルドに報告したい。」


「わかった!ちょっと待ってろ!」


門番の男は、急ぎ門の駐屯所に戻り報告する。

慌ただしくなった門の周辺から、やがて、馬車と馬が出て来た。


「おい、お前たちの仲間をちょっと迎えに行ってくる。場所はどこだ?」


「街道沿いのかがみ峠の腰石で休んでる。…頼む。」


「わかった。任せろ。」


「良し、君はこっちだ。」


こうして無事が確認された「草薙の風」のメンバーは、ギルドの治療室で体調検査をして、ギルドマスターの執務室に案内されるのだった。



◇◇◇



トラニカの町のギルドマスターの執務室

ギルドマスターのベラドランと副ギルドマスターのボルニーの前に「草薙の風」の5人がソファーに座る。


「「草薙の風」のみんな。良く無事で帰って来たな!アデル、疲れているところすまない。あらましを報告してもらって大丈夫か?」


「はい。じゃあ、まず最初から…」

執務室の外がドタドタと騒がしい。


「おい!ドラン!森で消えた冒険者が無事だったって?」

トラニカの町の町長ジャルマンが無造作にドアを開けた。


「おい!ジャル、ノックくらいしろよ!」


「おー、すまんな。わしらもおるでな。」


「あ、おはようございます。

わざわざすみません。ボルニー、椅子の用意を……」


「はい。畏まりました。」


「では紹介します。こちらが「草薙の風」の5人です。

お前たち、こちらにいらっしゃる方は、元国王のジゼル様、アドルシーク領、領主の実兄のアズン元Sランク冒険者だ。知っていると思うが、町長のジャルマンだ。アズンとジャルと私は昔冒険者パーティのメンバーだった。」


「Sランクパーティ…」


「こ、国王様…」


「元じゃ、

それで、ベラドラン。どこまで話したんじゃ?」


「いえ、まだです。ちょうどこれからでした。」


「そうか、じゃあ、話してもらおうかの。」


「は、はい。」


「えっと、我々のパーティは、静の森にある遺跡の様子を見に行きました。」


「遺跡は特に問題なく、近くで夜営して、昼には帰る予定で段取りをしていました。

すると次の日、辺りの風景が全く変わっていました。

気付いてすぐ、トラニカに向かいました。ですが、同じところをぐるぐるめぐる様になって、仕方なく、安全な場所に夜営しました。

次の日から、少しずつゴーレムが出て来て、いつのまにか遺跡近くのところまで戻って来ていました。やがて、だんだん出てくるゴーレムが強く、大きくなって来て、昼間だけだったゴーレムの活動時間が、夜まで延びて来ました。

そして、とうとうパーティの限界に達しそうになった時…、

銀の騎士に助けてもらいました。」


「何?銀の騎士とは?」

ジゼルが気になる言葉を問いただすが、


「待ってください。話しの最後に質問しましょう。続きを…」 

ギルマスのベラドランが提案した。


「はい。銀の騎士は、盾を使って回復魔法で怪我人を治しました。」


「なんじゃと?」

ジゼルは聞きなれない名称に義務を投げかけたが…、


「しー。」

アズンがジゼルをたしなめる。


「あっ、すまん。」


「それから体高3メートルはする白い騎士と黒い騎士が来て、周りのゴーレムを破壊して行きました。それから銀の騎士は、我々に武器とポーションと飯を分けてくれました。

その後、銀の騎士は、別のところに行くと言って立ち去り、白い騎士と黒い騎士が我々を護衛して、森の外まで誘導してくれました。」


「それで、その……、森の外で、白い騎士と黒い騎士は…」


「ん?どうしたんだ?」

ベラドランは言いにくそうなアデルに続きを促す。


「えっと、空を飛んで行きました。」


「な、なにぃ〜⁉」


ゴンゴン

「失礼します。ボルニーさん!」

ボルニーが部屋に入って来たスタッフから耳打ちで報告を受ける。



ボルニーは目を見開き、すぐに報告したほうが良いと判断する。

「ベラドラン様」


「なんだ、騒々しい。」


「「月下の炎」と「草原の花」が帰って来ました。」


「なんだって!全員無事か?」


「はい。無事です。」


「そうか!良し!こっちに来れるか?」


「もう少しで来れます。」


「良し!」

執務室に緊張した空気が和らいでいくのをみんなが感じていると、


ベラドランは、

「それでは、アデル、「月下の炎」と「草原の花」が来るまでもう少し詳しく教えてくれ!」

話の続きを促した。


「はい。」


「まず、銀の騎士にもらった武器を見せてくれ。」


「は、はい。」


「…これはマジックアイテムだな。」

ベラドランは、下賤された武器類を鑑定する。


「うむ、これは一級品じゃ。ダンジョンのドロップアイテムより物が良い。

なんと言ってもらったのじゃ?」

ジゼルは武器の品質を見て判断した。


「えっと、頑張ったからと。」


「なに?其奴の名は?」


「いえ、頑なに名前を名乗りませんでした。ただ、貴族の方だと思います。

たたずまいと言うか、雰囲気と言うか、身長2メートル50センチくらいの方っていらっしゃいますか?」


「は…?なんだと?2メートル50センチ?そんなに大男なのか?」

町長のジャルマンは、そんなに大柄の人とは思わなかった。


「はい。

あと、白い騎士と黒い騎士はもっと大きく3メートルはありました。」


「なにっ!(そんな人物を抱えた貴族など知らないぞ。)他には何か気づいた事はあるか?」

ベラドランもそんなに大型の騎士達とは思わなかった。


「あの、白い騎士と黒い騎士は動きが早すぎて、およそ人間とは思えない感じでした。」


「うーむ、静の森のゴーレムの件より、銀の騎士、白い騎士、黒い騎士の方が興味あるな。」

アズンは、大きな特徴があるにもかかわらず、詳細が不明な騎士に興味が移った。


「そうだな。そして、空を飛んだと…。」


「他には何か気づいたか?」


「えっと、ポーションとご飯をいただきました!」


「ふむ。どんなポーションと飯だ?」


「はい。ポーション容器が通常の半分の大きさで…」


「なに⁈」


「えっと、はい。効き目が数倍はある様な感じがしました。」


「そのポーションはあるか?」


「あの、飲んじゃって、容器しか。」


「…見せてくれ。」


「はい、…どうぞ。」


「このポーションは…」

アズンは、心当たりがあった。


「飯はどんな飯だ。」


「えっと、白いパンの間に具が挟んである物でした。」


「まさか…な。」

アズンは、先日食べた昼食を思い出す。


「まて、2つのパーティの話しを聞こう。」


「お前達、ゆっくり休んでくれ、後日また話しを聞く。あと、2組のパーティはお前達を捜索に出かけたんだ、もし会う事があったら、ねぎらいの言葉を掛けておいてくれ。」


「はい。分かりました!」



◇◇◇



「草薙の風」の聴取が終わってから、1時間が経とうとする頃、ギルドの執務室に複数人が尋ねてきた、今までの経緯から足取りは重い。


「「月下の炎」と「草原の花」の者達だな。

入ってくれ。疲れているところすまない。時間は取らせない、簡単に状況を報告してくれ。」


「はい。

俺たちは、ゴーレムに追い立てられ、森の深部まで囲まれました。最初の数日は、日没後、ゴーレムは襲って来なかったのですが、日が経つにつれ、ゴーレムの活動時間が長くなり、夜まで延びたのが昨日で、もうダメだと思ったのですが、その時駆け付けた銀の騎士に助けてもらいました。」


「また、銀の騎士か?それはいつだ?」

ベラドランは確認する。


「昨夜です。だいたい12時近かったと思われます。」


「という事は、「草薙の風」を救った後駆け付けたという事になるな。」

アズンは推測を述べる。


「治癒魔法も掛けて貰い、ポーションとご飯を分けて頂きました。」

女性治癒師が、治癒魔法時の事を説明する。


「腕と、足をそれぞれ欠損した状態だったのですが、その治癒魔法で完治しました。」


「欠損状態をという事はエクストラ・ヒールか、ハイヒールの重ね掛けか?」


「いえ、一瞬で治りましたが、銀の騎士の盾から魔法光が発せられて治癒したのですが、無詠唱だったので、詠唱破棄の効果がある盾かと思うのですが、凄いマジックアイテムです。」


「あと、武器もくれて、白い騎士と黒い騎士が来たら、銀の騎士は一緒に休んで、それから、白い騎士と黒い騎士に森の外に送って頂きました。

銀の騎士だけは、森の調査に行くと言って、森の奥に行きました。」


「月下の炎」のメンバーの一人が言う。

「多分アドルシークの騎士様だな。」


ジゼルが断言するメンバーに聞く。

「なぜ、そう思うんじゃ?」


「全然傲慢じゃ無くて、なんか俺たちに寄り添ってくれる様な?」


アズンは続けて疑問に思っていた事を聞いた。

「何才くらいの騎士だ?」


メンバーのみんなが顔を見合わせ、

「二十代か、女性か、子供?でしょうか?」

女性治癒師が、答えた。


「どういう事じゃ?」


「えっと、最初に声を掛けて来た時が、女性の声の様な、子供の声の様な?」

女性治癒師が、ふと漏らした銀の騎士の声を聴いていたので。


「でもすぐに二十代の男性になったんですけど。」


「……アズン。あやつは今何をしてる?」


「今は部屋で寝ているようですが、」

実はリースは、日頃の習慣で、明け方から鍛錬の為、「草薙の風」のメンバーが戻ってくる頃には走り込みをしていた。「月下の炎」と「草原の花」の聞き取り調査のこの時は既にトラニカの町へ散策に出かけていた。


「そうか、ファティマに今日一日離れない様にな。」


「それでは、譲ってもらった武器を見せてくれ。」


「は、はい。これに…」


「うむ。」


「あ、あの〜、やっぱり取り上げるのですか?」


「ん、なぜじゃ?」


「い、いや、こんな凄い武器をくれるなんて、普通はありえないので。」


「うむ。そうじゃな、お前達にはもったいない。」


「くっ、やっぱり…」

メンバーのみんなは絶望感に満ちてうなだれた。


「ふっ、安心しろ。取り上げたりなどせん。今のお前達の技量では、この武器に振り回されるだけだ。もっと鍛錬して強くなれ!よいか?」


「「「「「はい!」」」」」


「うむ。銀の騎士も喜ぶだろう。」


メンバーのリーダーが

「いつか強くなって、銀の騎士に見てもらうのが目標です!」

そういって宣言する。


「ふふん!その意気や良し!まあまずはゆっくり休め!」

ベラドランはねぎらいの言葉を掛けた。


「はい!失礼します。」


「ジゼル様、明日の予定はどうされますか?」

アズンは、わかりきっていたが、ジゼルに確認した。


「予定通りに決まっておる。」


「恐らく、何も起こらん。銀の騎士とやらが、全て終わらせておるだろう。」


「つまらん。まあ、何か残して有ると思うが、危険は無いじゃろう。

明日は、その現場も見てみないとな。あやつと一緒にな。」ニヤリ



誤字脱字言い回しのアドバイスお待ちしています。

評価☆☆☆☆☆、ブックマークしていただくと元気になります。

宜しくお願いいたします!

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