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第53話 遺跡調査

アップですが、3日に一回くらいのペースになるやもしれません。

時々修正もしています。

「お爺さま、ここにいらっしゃったのですね?」

王城の書庫にこもっている元国王のジゼルに、第三王女アリスティア・キュエル・アヴァルートもうすぐ9歳が、尋ねてきた。


「ああ、アリスか?」


「はい。お爺さま、

また、何か見つかったのですか?」


「そうじゃ、東の辺境のそのまた奥に、古い遺跡が見つかったらしいのじゃ。

遺跡探索はワシの生き甲斐じゃからな。」


「ね。お爺さま、リース様のところには行きますか?」


「ん。ああ、何日か泊まる予定だ。」


「では、私も行きたいです!連れて行ってくださいまし。」


「ワハハ、それはダメじゃ。」


「…っ、どうしてですか?」


「王族の男子は、成人を迎えるまで、王都から出られない決まりがある。さらに女子は、齢15にならないと出られない。」


「そんな!それでは、いつまで経ってもリース様に会えないではないですか⁉」


「まぁ待て、わしに怒るな。

確かに会いには行けないが、来年の10歳のお披露目会では、向こうからやって来る。その時には会えるじゃろう。」


「あっ、お披露目会…。でも来年ですか…。」


「そうじゃ。だが、余り時間が無いぞ。」


「えっ、どうしてですか?」

アリスは来年という長い時間を思っていたところに、ジゼルの思いがけない言葉に驚いた。


「アリスが慕うリースが、素晴らしい技量を持つ男子なら、今のアリスは釣り合うかな?」


「えっ?」


「王族としての習い事、民草を守る力量を持つことが出来てこそ、リースに向かって恥ずかしくないとは思わんか?今のアリスは、王技の習得もあり、魔力にも振り回されておるんであろう?」


「うっ、……そうでした。」


「王族としての役割もある。それらをこなして自分を磨き、来るべき時に備えておった方が良い。」


「……はい。お爺さまのおっしゃるとおりです。」


「うむ。良い子じゃ。

まぁ土産話しを待っておれ。」


「はい!早く帰って来てくださいね!」


「わはは。まだまだ出発してないのじゃがな?」



◇◇◇


時は同じころ王城の会議室では、例によって、国の重鎮が集まっていた。

「陛下。ウリットバーンに忍ばせた者から戦の準備を進めていると言う情報が入って来ました。」

防諜団団長デュオナが、会議室の主席に座る王へ近況報告をする。



「うむ。そうか。」


「陛下、いかが致しますか?」

会議の進行役を務める宰相セアトが尋ねる。


「マーノルーナと我が国の間には、バートラルがある。そこを越えて救援など行けない。ましてや、要請もあるわけでもないしな。仮にマーノルーナから救援要請があったとしよう。どれくらいで救援の準備が出来る?」


軍務大臣ビスターが、王の質問に答えた。

「規模にもよりますが、マーノルーナという遠征場所を考慮すると、軍備と物資の準備に約ひと月です。

それから、マーノルーナまでの移動に約ひと月掛かります。」


「計、ふた月掛かって、マーノルーナに着いたとしよう。勝算は6割以上有るとしても、見返りがなさすぎる。かと言って放置することは愚策でもある。

皆の者の意見を聞きたい。」


「恐れながら申し上げます。私はバートラルに楔を打つ必要があります。」

外務大臣ドアートが他国との折衝で気になる事案として提案する。


「ふむ。具体的には?」


「軍事同盟を結び、バートラルに士官を派遣して、マーノルーナ、ウリットバーンの動向を観測しておく必要があります。ただし、バートラルにウリットバーンの間者が居るかも知れ無いと言う事も考慮すべきですが。」


「我が国の中にも既にウリットバーンの間者が居ると見ていた方が良いでしょう。」

防諜団団長デュオナが、補足を述べる。


「デュオナ、引き続きウリットバーンの動向を注視しろ。他国の動きもな。」


「はっ!」


◇◇◇


王城で、ウリットバーン対策が話し合われている時から約2週間後。

アドルシーク辺境伯の領主邸の厨房横に、新商品開発部門と噂されるリース専用の厨房は今日のも賑やかだった。

「リース兄、今日は何を作ってくれるのですか?」

「リース兄様、お菓子ですか?」

最近リースの厨房に入り浸り、リースに引っ付いてくる七女のローベルティと八女のクリスティールがリースの背後から尋ねる。


「うん、焼き菓子を作ろうと思ってね。手伝うかい?」


「はい、やってみたいです。」「やりたーい!」


「ふふ、こういう事はホントは女の子の方が上手なんだよ?」


「えっ、そうなのですか?」

「ほんと~?」


「そうだよ。だってかわいいものが好きでしょ?」


「うん。好き!」「あたしも好き!」


「じゃあ、今回は味はこちらで調整するから、形をかわいいのにしてね。」


「はい!」「は~い!」


◇◇◇


王都から約2週間かけてアドルシークの領都領主邸の前についたジゼルは、ため息を漏らしながらつぶやいた。

「はぁ〜やれやれ。やっと着いたか。

相変わらず、遠いの〜アドルシークは。」


「ジゼル様、お疲れ様です。道中おかわりなかったですか?」

領主のイズン自ら、元国王のジゼルを出迎えた。


「おお、イズンか。元気にしておったか。」


「はい。ジゼル様もあい変わらずお元気で何よりです。

取り急ぎ、旅の疲れを温泉でおとりください。」


「おお、そうじゃった!風呂があったな!

さっそく頂こう。」


領主邸の裏山にリースが作った露天風呂の温泉に案内されるのであった。


◇◇◇


「ジゼル様、ご無沙汰してます。」

温泉から上がり、ゆっくり部屋でくつろいでいたジゼルの元に、辺境伯イズンの兄。元冒険者Sランクのアズンが尋ねていた。


「アズンか、久しぶりじゃな。どうじゃ首尾は?」


「はい、詳細は夕食後に致しますが、かなり詳しい事が判明すると思います。」


「そうか、楽しみじゃのう。新しい発見があるとよいのじゃが。」


「はい。それと今回は、リースを連れて行こうかと思っています。」


「何⁈

それはダメじゃろう。リースはまだ幼い。ダンジョンでは無いとはいえ、未確認の地じゃ、何があるか分からん。」


「ははははは」

アズンは、ジゼルの発言に不意にこみ上げた笑いを抑えることが出来なかった。


「何がおかしいんじゃ?」

ジゼルはアズンを見て不機嫌となる。


「ははは、スミマセン!

ジゼル様がリースを心配されるとは思っていなくて。

また、リース自身が言った事とまるで同じことをおっしゃったので。」


「…っ、くっ、はははっ。

そうか、一緒か。そりゃいかん。

……して、アズン。

お前がリースを連れて行く根拠はなんだ?」


「ふふふ。ジゼル様も勘付いていらっしゃるご様子ですが、…まずあいつは、相当強い。多分中級冒険者並みかそれ以上かもしれませんが。

そして、賢い。老練な冒険者のように。そして何より、リースの獣魔、これには驚かせられました。

飛行、運搬、索敵、戦闘、防御、治癒…」


「まて、治癒とはどう言う事じゃ?」


「リースのテイムした獣魔の中に、リスに似た物がいるのですが、袋を持っているのです。

その中に治癒の宝珠を持っており、そのリスが周囲の魔素を集め宝珠の力と相まって、治癒の魔法を発動しております。」


「驚いたな。そんな魔獣が居るとは。リースはどこで見つけたんじゃ?」


「……裏山だそうです。」


「嘘じゃな。」


「はい。リースにはスカレイも居ます。どこかの遠方で見つけたのでしょう。場所が話せるようなところで無いことは、確かです。」

スカレイとは、エイに似た魔獣で空を飛び、3メートルくらいの体長だと大人も軽々と運ぶ。


「そうか。

くっ、ふっふふふ。そうか。そうか!良いじゃろう!

これ、リースは今どこに居る?」

ジゼルは、部屋の隅に控えていた世話係のメイドにリースの居場所を尋ねた。


「は、はい。今リース様は外に出かけております。

いつもでしたら、夕刻には、お戻りになるかと…」


「そうか。では、続きは夕食後だな。…ところでリースの専属メイドはおるかな?」


「は?…はい。プリーツだと思いますが、呼びましょうか?」


「ああ、頼む。」


◇◇◇


ジゼルが滞在する私室にリースは呼ばれた。

「失礼します。ジゼル様。ご無沙汰しております。」


「うむ。元気そうじゃな?うん?なんじゃそれは?」


リースは手に小さなかごを持ってメイドのプリーツと一緒に入って来た。プリーツはワゴンにお茶の準備をしている。

「妹が作った焼き菓子です。食後のお茶のお供にお持ちしました。」


「おおそうか、ローベルティとクリスティールか?」


「はい、そうです。美味しいですよ。」


「ワァハハ、そうか、頂こう。」


「ところでジゼル様、御用というのは?(なんかいやな予感がするな?)」


「いや、たいしたことではない。今回わしがここに来たのはどのような理由か知っておるな?」


「はい。静の森の奥の遺跡調査と伺っております。」


「うむ、その調査にリースも同行せよ。」


「スミマセン。遠慮致します。(大地の城で鍛錬させられるし、天空城で他の修行もあるし、料理開発もするし、時間はないし。ムリッ!)」

リースは即決で答えた。


「ん?なぜじゃ、男子なら、冒険に興味があるじゃろう。」


「いや、まだまだ幼いですし、危ないですし、遠いですし、いつ帰れるのかわかりませんし、アズン伯父さんはむさくるしいし」


「ふぉ〜お?そうか、そんなことを言って、本当は魔物が怖いのではないか?」


「ええ、そうで「そんな事はありません‼」 えっ?」

傍に控えていたプリーツが、リースの返事に、被せ気味にジゼルに申し入れる。


「…いや、静の森に行きたくない理由など、魔物が怖い以外にはないじゃろう?」


「お言葉ですが、ジゼル様。

リース様は、魔物など怖くはありません。

この歳にして既に、ゴブリンの集団を駆逐し、オークの討伐もこなし、バラットなどは、片手間に狩って来るのですよ!しかもお一人で。」


「す、ストーップ⁉プリーツ!」


「あっ、イケナイ!

そうでした!私は、お嬢様のご入浴の手伝いに向わないと。(棒)」


「プリーツゥ〜⁈」


「では、リース様がんばって!」

プリーツはかわいいウインクをして出て行った。


「……と言う事らしいのう。」


「………プリーツを買収しましたね?」


「何の事じゃ?」


「プリーツのセリフが、わざとらしいんですよ!」


「わぁははは!よく見ておるな!

じゃが、事実じゃろう?行きたくない理由を述べよ。それとも同行するか?」


「………同行します。」


リースはこうして無理やり決まった遠征に同行するのであった。


誤字脱字言い回しのアドバイスお待ちしています。

評価☆☆☆☆☆、ブックマークしていただくと元気になります。

宜しくお願いいたします!

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[一言] 老獪王にしてやられました
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