第51話 八人の代表者
アップですが、3日に一回くらいのペースになるやもしれません。
「もうすぐ、一柱の聖魔が目覚める…」
◇◇◇
時は数刻遡る
ここは大地の城グラヴァダ、リースは師匠のゼライと一緒に大地の城にやってきた。
「えっと、今日はどうしてこちらに?ゼライ様」
「いつもの場所ばかりだと飽きるだろう。それにリースは、私相手だと物足りないと思ってな。ちょうど良い鍛錬の相手を見つけにきた」
「(いや、もう充分なのですが。)…、そうですか。ありがとうございます(棒)」
「まあ、他にも理由があるが、まずは説明をしよう。
この城の周りに八つの里がある。
それぞれ独自の武を極める為に切磋琢磨している。リースは、その者達と試合し、私はお茶でも飲みながら、お前の苦戦している顔が見れるというわけだ。」
「はぁ?いや、それは師匠としての資質を疑う発言ですよ⁈」
「ハハハ、まぁ冗談だ」
「ハハ、ですよね」
「ボロボロになったリースを励ましたいと思ってな?」
「もっと酷いわ‼」
「ハハハ」
つかみどころのない師匠の冗談に付き合いきれなくなったリースは、疑問に思った事をゼライに聞いた。
「ところで、このお城はどなたが住んでいるのですか?見た感じあまり人気がないような」
「この大地の城には、ここの里の者達は住んでいない。精霊の民たちと里の代表者、修学者、怪我人と妊婦だけだ。」
「(へーなるほど。国会と学校と病院が一緒になった感じか。)ん?病気の方は、どちらに居るんですか?」
「病気の者はそれぞれの里の隔離施設に居る。城の治癒師が出向き治癒に当たる。妊婦や国防の中心に病気がうつりでもしたら大変だからな」
「ゼライ様、ご無沙汰しています!」
リースと同年代ぐらいのひとりの少女が駆け寄ってくる。
「ああ、サファ、久しぶりだな?爺やは元気か?」
「はい!相変わらずです。今度の奉納演舞は、私達が頂きますよ!」
「ふふふ、そうか。期待している」
「それであのゼライ様、その子は誰ですか?」
「ああ、我が弟子のリースだ」
「はじめまして、リーフィス・セファイティンと申します。リースと呼んでください!」
「…。私はサファエル。…なんで君みたいな子が、ゼライ様の弟子をしているの?」
「えっ?」
「君、私と勝負して」
「えっと?」
「ゼライ様、私がこの子に勝ったら、私を弟子にしてください‼」
「ん?いやー、サファはまだ早いだろ。」
「お願いします!」
「ふーむ。どうする?リース」
「嫌ですよ。僕にメリットが無いじゃないですか?(あっ、いや、待てよ?僕が負けたら、サファエルが師匠の弟子になり、僕は卒業になる。それは悪くない…)」
「…言っておくが、リースが負けた場合は、今の三倍のノルマをこなしてもらう」
ゼライは、リースの発言の途中からの悪だくみの表情を見逃さなかった。
「ほぁぁ〜⁈なんで?いや、その前に、どうして、僕の思っていた事がわかったんですか?」
「心の声がだだ漏れだ。
そうだな、ならば、リースが勝ったら、私がリースをハグしてやろう。」
ゼライは、お世辞にも豊満とは言えない胸を張りだす。
「結構です。
じゃあ、君、えっと、サファエルさん、僕が勝ったら、僕と友達になってくれ!君が勝ったら、僕が友達になってやろう。これで良いんじゃないか?」
「なんでよ!私が勝ったら、ゼライ様の弟子になるの!」
「良いだろう!負けたら、師匠の一番弟子だ!」
「おい。リース、勝手に決めるな。つか、ハグはいらんのか?」
「行くぞ!」
「待て‼」
話の途中から聞いていたサファエルの爺が、街中で始まる試合に待ったを掛けた。
「お爺さま⁉」
「どう言う事じゃ。対外試合は硬く禁じておる。ゼライ様の目の前で何をしておる?」
「なんだぁ?どうした。」「…」「どしたの。」
サファエルの幼馴染が通りかかった。三人とも別の里の者だが、サファエルとは同年代である。
「カルラ?それにバシャス。アルテも
…お爺さま、その子がゼライ様の弟子だと言うの、だから、私が勝ったら弟子になりたいとお願いしたの!」
「何?本当ですか、ゼライ様?」
「ああ、本当さ。もっとも、弟子にするとは言ってないがな。
リースは私が認めた弟子だ。勝負したいのならばするが良い。何事も、自分の手で掴み取らなければ…、
闘わなければ、生き残れない。
それは、ベルギダン、お前も良く知っているだろう?」
「は、
では、せめて闘技場にて、決着を」
「まったー!」
「それは、俺たちにも資格は有るんだよな?」
「俺たちも、ゼライ様の弟子になりたい!」
「あのー、盛り上がっているところですが、(弟子代わっても良いのですが…うっ、これは、師匠の闘気による口封じ)」ムッ、クッ、クッ。
ゼライは、せっかく面白くなってきたのを邪魔するリースの口を闘気によって封じた。
「リースよ、そろそろその性根を治さないとな?
良かろう。各一族、リースの同年代の代表と闘い、勝った者を我が弟子としよう。負けたら、リースの友となれ。」
「やったぁ!」
「よし!」
「里に知らせて来ますので、お待ち下さい‼」
「ああ、また俺の意思が反映されてない」
リースは勝手に決まっていく予定に頭を抱えるのであった。
◇◇◇
「で、どう言うルールで闘うんですか?」
「決めてないな。勝ち抜きで良いんじゃないか?」
「ししょ~う、いい加減、適当に決めるのやめてくださいよ?はぁ。それだと最後に残った人はバテバテですが。」
「偉い!そうか。全員と闘いたいというか。」
リースの肩に手を置き、逆の手は親指を突き出した。
「いや、なに言ってんですか?んなわけないでしょうが!(しまったぁー、バテバテの方が良いじゃんか!)勝ち抜き…」
「じゃあ、全員と…、」
「お待ちください。ゼライ様」
「我ら全員と闘いでは、我らが有利過ぎます。この闘技場迷路選択戦で決めたいと思います。」
「わかった。」
「あの迷路選択戦とは?」
「闘技場の観客席の下に等間隔に入口があるだろう?そこから各々入り、闘技武台に出て来た者と闘う。武器は選ぶことが可能だ。」
「お待たせ致しました。
準備が整いましたので、闘技場中央にお集まりください。」
「はい。」
◇◇◇
闘技場の中央に集まった9人の少年少女と、審判とゼライは、
「では、ここに集まった九人が闘い、最後に残った1人がゼライ様の弟子となる。
致命傷となる攻撃の禁止、闘え無くなった段階で、試合は終了。
闘技場から落ちても終了。
東と西の入口から出て来た者が闘い、勝った者は、また、迷路入口に移動して闘いの準備に入る
良いか?」
「「「「「「「「「はい。」」」」」」」」」
「では、それぞれ迷路の入口から向かうように」
◇◇◇
「これが迷路か真っ暗だな。まあ、風の流れで分かるけど。幽霊屋敷に一緒に入った事思い出すな。ん?アレが出口か?」
「うっ、眩し、
うーむ。まずは俺と女の子か。」
「オレはリース。君は?」
「ソアラ。」
少女は、手に愛用の武器を持ってた佇んでいた。
「よろしくな!」
「…」
「リース。武器はどうする?」
ゼライがリースに聞く。
「武器ですか?ああ、彼女は弓ですか…。では、素手で良いです。」
「…っ、馬鹿にするな」
ソアラは激怒した。侮られたと思っていたから
「いや、いたってまじめさ。これじゃないと勝てないからな」
「…。後悔する」
「良いか?始めるぞ」
ソアラは闘技場のやや端に立ち、3本の矢を持ち1本の矢を構える。
リースはやや中央に立ち、正対に構える。
グァン‼
「はっ!」バスッバスッバスッ‼
「…」スッスッスッ
「…。避けた」
「あぶなっ」
ソアラは、1本を残し、3本を刹那に放っていた。リースはそれを上体を動かし避けた。
リースは、試合が始まる前に師匠のゼライの縛りを思い出していた。
◇◇◇
「リース、今からの闘いは、必ず向こうに最高の技を出させてか、もしくは開始1分は相手の攻撃を受けろ。」
「何でですか?あの子強そうですよ!やばいじゃないっすか」
「相手の本気の技を見た方が勉強になるだろう?その技を見てさらに強くなれ」
「くっ、簡単に言っちゃってぇ~」
◇◇◇
再び、ソアラとリースは相対してにらみ合う。
「はっ」バスッバスッバスッ‼
ソアラは、3本天空に打ち、素早く矢づつから矢を補給し天空の矢が落ちてくるタイミングで、
「とどめ…。ハッ‼」バスッバスッバスッ‼
ババババババ
リースは今度は全身を使い3本は避け、3本は手刀でかわした。
「くっ、そんな」
「ふぅ、危なかった」
「私は、…負けない」
「そろそろ、俺からも反撃をさせてもらう、俺が勝ったら、君とは友達だ」
ソアラは背中に寒いものを感じたが、気合で気を引き締める。
「来い!最高の一撃を俺に打ち込んでみろ」
リースはソアラに声高々と宣言した。ソアラは力の限り弦を引いた。
「くっ、ハッ」バスッ!
バリン‼
「そこまで!」
ソアラの弓の弦は、リースによって切られた。ソアラの打った矢をリースがからめとり、投げ返して事によって弦を切ったのであった。それは瞬きの時間。わずかな者たちしか見れなかった。
「…負けた」
ソアラは、切れた弦を見つめ、敗北を認める。
「ふう、じゃあ、これからよろしくな!」
「…っ、よろしく。また勝負して」
「ああ、いいよ」
「次は負けない」
「よし、じゃあ、次の対戦だ」
ゼライは、進行に指示を出す。
「扉を開け!」
「次の対戦は、槍と盾剣か?」
「リース、次の準備に入れ」
「あい」
リースは、初見で闘うために次の闘いを見ずにまた迷路の中に入っていった。
◇◇◇
5試合目でやっとリースの番がやってきたが、いままで出番のなかった子と試合という事になった。くじ運が悪いらしい。今度はサファエルか、
「サファエル、久しぶり」
「うるさい。勝負」
「まて、武器を選べ」
審判から手ぶらのリースに武器を持つように指示がでる。
「サファエルは、剣か。では、俺も剣で」
リースに腕を組んだままのゼライが、剣を試し切りしているところに話しかける。
「さっきのソアラは遠距離だったからお披露目無かったが、基礎は武闘だからな、気を抜くとやられるぞ。」
「君がソアラに勝ったとは、信じられないけど、事実は事実。最初から本気で行く!」
サファエルが、リースに向かって高らかに言う。
サファエルは、開始の合図に合わせて、猛烈に斬り込む、リースは円の軌跡を描き紙一重で避ける。サファエルは、更に速度を上げ、リースに迫る。リースは剣で受け流し、耐えて時を待つ。
そして、一瞬の隙を突き、サファエルに1本を取った。
「なぜ?」
「ふふふ、後で教えてやる。ほれ、闘技場所を空けろ。」
「ゼライ様…」
「リースもさっさともぐれ」
「はいはい。」
◇◇◇
「やはり、バシャスとアルテが残ったか。」
「リース、どちらと闘いたい?」
「どちらも嫌です!仲良くしたいです!」
「…」
ゼライはあきれ顔でリースを見た。
「バシャス。」
「おう!」
「アルテ」
「はい!」
「二人が試合して勝ったら、リースと勝負しろ。」
「はい!」「おう!」
「バシャスは槍、アルテは双剣を構え、正対した。」
「はじめ!」
リースは後ろ向き、ふたりの闘いが終わるのを待つ。
バシッバシャッ
バシャバシュッ、ガンガン
バキン、カ、カ、カカッ
リースは両耳を塞ぐ
(ヤバイ、耳を塞いでも動きが分かる。これじゃ初見にならない。)
バキン‼
「それまで!」
「勝者バシャス。」
審判がバシャスを指さす。
「うーむ。アルテは手を抜いたな。」
「リース。」
「はいっ?」
「バシャスの動きが見えたんだろう?」
「いや、そのう、見えたというか感じたというか。」
「バシャスとの試合は、速攻で決めろ。」
「はいっ?いいですけど、いいんですか?」
「ああ、その方が都合がいい。」
「?、都合が…?また何か企んでる顔だ‼」
誤字脱字言い回しのアドバイスお待ちしています。
評価☆☆☆☆☆、ブックマークしていただくと元気になります。
宜しくお願いいたします!




