第50話 開始の銅鑼
次回8月最初くらいにアップ予定です。
次は学園入学までを何とかまとめていきたいと思います。
リースが石鹸を開発し、王家御用達認定資格の提案をすることに偽装して、辺境伯の父イズンは、王国会議の前に王城入りした。飛翔騎士団を駆使して諜報活動の巡回を提案する為だった。飛翔騎士団はアドルシーク所属なので、他国や他領を巡回するなら、王家からの指示にするか、王家直属にする必要がある。戦争が起こりそうな時期に提案しても混乱を招くのみという理由で、比較的安定している時期に、準備を整える許可を求めに来ていた。国外からの間諜が暗躍する時期に、かのような案件で王都に向かえば、他国はおろか自国の他領の貴族も警戒する。
イズンは、リースのアドバイスのもと、石鹸を隠れ蓑にして、軍事的な準備の打ち合わせを進めるため、王都入りを早めたのであった。
「イズン様、飛翔騎士団の件で、陛下への報告は私からでよろしいのでしょうか?」
「ああ、スティングランド、概要説明までは俺がする。詳細は例によって任せるぞ。」
「はい!わかりました。」
「もう一つの案件は、アフィセ。お前に任せる。」
「ふぁっ、はい‼」
「ん?どうした。」
「あああああ、あの、あの、私で大丈夫でショウカ?」
「どうした?いつものお前らしくない?」
「いいい、いえ、はの、はじめて陛下のような偉い方とご一緒するので…。」
「うん?一応お前の上司もこの国の位では第三階位なのだがな?」
「え?イズン様の事ですか?どうしてですかね?緊張しないですね?」
「おかしいな。もっと敬え!それより、お前は資料を読むだけだから、問題ないだろう。質問はこちらが答えるしな。」
「ででで、ですが、へへ陛下ですよ!緊張するなっていうのが無理な話です‼」
「帰ったら、ちょっとお前にはじっくり話をしないといけないな?」
「何をですか?言っておきますが、アティ様(第一婦人)とチョー仲が良いんですよ?プレゼントの品私が選んだことバラしますよ?」
「ま、まあ、陛下に緊張することもあるだろう。がんばれ。」
「そ、そうですね…。」
◇◇◇
王城につくと、先ぶれを出していた為、イズン達はすぐに王の執務室へと案内された。
「陛下、失礼します。」
「うむ、イズンよ。ご苦労。此度はどうしたんだ?会議は来週からだろう?」
「はい、此度はお忙しい中お時間頂きありがとうございます。」
「うむ。早速本題に入れ。」
「はい。では…」
イズンは、執務室にいる王ライディアと宰相セアトに1週間前入りにした、経緯を話した。
◇◇◇
「イズンよ。」
「はい。」
「卿の提案に近しい形でセアトと煮詰めている最中じゃった。そこまでの詳細は詰めていなかったが、対外的な調査の方法を検討していたのだ。我が国としては大きく動くつもりはないが、調査の動きを見せれば、他国も必然的に動く。それは避けたかった。また卿の飛翔騎士団を流用しようにも、卿をわざわざ呼ぶ必要がある。そうするとあらぬ疑いが掛かるでな。思案しておったところ、卿が商品の売り込みで王都に来ておると喧伝してくれたおかげで、こういった話が出来る。しかも既に準備しているではないか。大儀である!早速取り掛かってくれ。」
「はい。それと石鹸の事ですが…。」
「もちろん、こちらも許可しよう!王家にとって益あることだ、しかも断りにくい環境を狙って居る。イズン卿よ、良い策士でもいるのか?」
「ははは。」
「ふっ、持て余し気味じゃの?」
「え?」
「いや、それでは、先ほどの飛翔騎士団の件は軍務大臣ビスター、警務大臣カルガ、防諜団団長デュオナを迎えて打ち合わせをしよう。石鹸については、他の大臣を迎え詳細を詰めこととしよう。」
それから一週間、会議室には、王ライディア・キュエル・アヴァルートと、宰相セアト、軍務大臣ビスター、財務大臣マイス、法務大臣ポラン、魔務大臣ヴォー、外務大臣ドアート、内務大臣トイン、労務大臣ダルダン、商務大臣ザザセラ、贈務大臣ポーラ、警務大臣カルガ、防諜団団長デュオナ、魔術師団団長ビニルエルと辺境伯イズンが詳細を詰めて王国会議の議題に提出された。
◇◇◇
「冬の前に大きな諍いが起こり古い国が一度滅びます。」
ここは、マーブルティア聖国(勇者召喚陣の有る国)にある神聖教会の大聖堂
神域が突然顕現し、若き一人の聖女に集約されて行く。
「穢れを持った意志が多くの人々を蹂躙し、古い国を一度滅ぼします。」
次代の大聖女いう評判は、ただ一人に降りてきた神託で証明された。
「どこで諍いが起きるのでしょうか?」
役職が高い聖女が、次代の大聖女に尋ねてくる。
「恐らく、一番最近戦争を仕掛けた、かの国と思われます。」
「そうですか。近隣の国の教会へ伝えなさい。そして受け入れ態勢を整えるのです。私たちも、諍いが起きぬようしっかりと祈りましょう。」
「はい、例の勇者様はどうされるのかな?」
部屋の片隅で佇んでいた枢機卿の一人は聖女に尋ねた。
「勇者様ですか?
何年か前の神託ですね。本当にいらっしゃれば、今回の件に関りがあるかも知れませんが、…本当に勇者様でしょうか?
私には、勇者様特有のその存在が感じられません。今現在、あいまいな存在よりも世界の勇者が顕現するまで、どれだけの国が持ちこたえることが出来るのか…。それは私たちに掛かっています。」
◇◇◇
ここは大地の城グラヴァダ、武術に秀でた八つの一族がひしめき合い、競い合っていた。体術の師匠の言いつけで、ここには毎日のように修行で通っている。今、リースは、八人組手の開始前に精神を整えている最中だった。この八人はそれぞれの一族の同世代の代表。実力は折り紙付きであった。
「リース。もうすぐだ。」
リースの背後に控えていた創造と破壊を司る聖魔フィーヴァがつぶやく。
「ん?なにがだい?フィーヴァ。」
「もうすぐ、一柱の聖魔が目覚める…」
開始の銅鑼が鳴り響いた…。
7月の末までに表現が荒いところと、説明が足らないところの修正を入れると思います。
誤字脱字言い回しのアドバイスお待ちしています。
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