第45話 解除
50話まで掲載後、10日間くらい修正したりするので休みます。
今リースがいるのは、アヴァルート王国の王城の尖塔の上にいる。
天候は、星空きらめく晴れの夜。
「ふー、
王城となると、忍び込むのも一苦労するな。
と言っても、まだ中に入ってないけど…。」
時は、3時間ほど前に遡る。
◇◇◇
ジゼルが、リースの住む領主邸に尋ねてきた日の夕食後。
リースは、ジゼルについて、生みの母レフィーナに聞いていた。
「ジゼル様は、若い頃から勇者の存在と、この世界に来臨される条件を探すため、王位を今のライディア様に譲られ、アズンさんと共に遺跡の調査に出かけられたの。」
「なるほど、そうでしたか。」
◇◇◇
そしてその夜、家族の皆が眠りにつく頃。リースは領主邸の屋根の上にいた。
「マンタ、ちょっと遠いけど、王城まで頼むよ。」
リースは、スカレイ(エイに似た空飛ぶ魔獣)のマンタに乗り、優しくなでて声を掛けた。
「キュイ」
「良し、フィーヴァ行こうか!」
空中に浮遊する創造と破壊を司る聖魔のフィーヴァに合図を送る。
「リース、お主は、夜の移動となると、まずいのでは?」
リースは、一日のうち2時間は完全停止状態で睡眠に入る。いかなる事象でも目が覚めないと検証されていた。
「王都までの距離なら、マンタでの移動時間は2時間半くらいになるから、その移動の時に寝ておくよ。
それで、フィーヴァが先行で進んで、マンタの案内を頼むよ。
ファディ、君には、お願いがあるんだ。
移動中、俺は目を覚まさないから、危険があったら、排除してくれ。」
「ピョー(わかった)」
「部屋には、ゴーレムリース君4号が居るから大丈夫。
さあ、夜の冒険に出発だー‼」「キュイ」「ピョー」「…。」
◇◇◇
「って、もう着いたの?」
リース達は、出発して2時間後、王城が見える近くの高台付近で停止した。
「リースが寝てる間にな。」
「あはは、ごめんごめん。」
「で、どうかな?ノープランで、来たけど、アリスティア様はどこに居るんだろ?」
空の上から、ゆっくり王城へと向かう。
「我が見て来よう。不可視になれるからな?」
フィーヴァは、不可視にもなれるし、壁をすり抜けることも可能であった。
「わかた。頼む。」
リースは、城の尖塔に立ち
「マンタ。しばらく休んでて。」
「キュイ」
「ピョー(空から警戒しておく。)」
「ああ、ファディ頼んだ。」
リースは、フィーヴァが戻ってくるまで、王城を見渡す塔の上から下を見渡す。
(前世でいったら、ドイツの城のような感じか?たぶん5倍は大きいな?)
…数分後、やがて、フィーヴァが帰って来た。
「リースの言う女児は東塔の個室で眠っている。」
「どんな症状だ?」
「ああ、たいしたことは無い。我が昔作った魔力を鍛える術式に掛かり、その解除が出来ていないだけだ。」
「なんだ、そうか?良かった! じゃあ、もう解除したのか?」
「いいや。まだだ。」
「なんでだよ‼」
「この解除は、リースがしろ。」
「…は?」
「経験しておけ。いずれ、必要となる。」
「…わかった。」
「あと、少し術が脆い、稚拙な術師が仕掛けたのだろう。その影響で暴走している。」
「よし、早めに解除しよう!案内してくれ‼」
◇◇◇
「周りに騎士と従者がいるな?」
「前に教えた幻覚睡眠魔法を使え。」
「ああ、わかった。」
リースは対象の者たちに照準を合わせ
「ライトスリープ、 …良し!」
周りの騎士、専属メイドが眠りに入る。
「そおっと、そおっと。」
豪奢なベッドの中、小さな少女が薄く点滅するように魔力光がもれる。
「こちらが、アリスティア様か?」
「ああ、」
「よし、どうすれば良い。」
「まず、リース。
自分の魔力で彼女を包み込むよう展開させ、それから凝縮する。
その時、丸く球を作るイメージで、彼女の中心に彼女の拡散した魔力を集める様に集中させる。
コツは、優しく包み込むように。速さでなく、ゆっくりでいい。」
「わかった。やってみる。」
リースはまず自分の魔力を拡散させ、アリスティアの周りに展開させる。それから丸く風船を縮めるイメージで彼女の中心に集めていった。
パァァ シュッ!
「ふむ、これは…、 成功したみたいだな。」
フィーヴァは、何かに感づいたが、
「そうか?じゃあもう大丈夫か?」
「ああ。」
いま語る気はないようだ。
「ううっ、あっ…、誰?」
アリスティアは、暗い泥沼のような意識から解放され、おぼろげに目を開く。
「アリスティア姫、もう大丈夫。ゆっくりお休みください。」
リースは、そっと頭を撫で、眠りを促す。
「あっ…、 すぅ。すぅ…。」
アリスティアは、悪夢から解放されたのか、
リースの優しい声掛けと、撫でられて安心したのか、
安らかな顔で深い眠りに入った。
「良し、もう大丈夫だな。護衛の人たちの睡眠魔法を解除して帰るか。
ファディ、しばらくここで待機して
アリスティア様の容態に何かがあれば、念話で教えてくれ。
安定したら帰って来てくれ。」
「ピー(わかった)」
◇◇◇
リースは、領都への帰り、マンタの上でフィーヴァに語り掛ける。
「ふー、良かったな!フィーヴァ。」
「そうだな。
…リース。」
「なんだい?」
「先ほどの女児が掛かっていた術は、
…魔力増幅術は、人にとっては、生涯一度しか使えない。
本来、開始術と停止術が一対なのだが、長い時間が経つに連れ、
この術の本来の意味を知らずに発動させたのだろう。
魔力を暴発させる術として。」
「そうか、なるほど。呪術の類にしたという事か。」
「そうだ。そしてあの娘は、おそらく通常の10〜100倍魔力が増幅されたはずだ。」
「えっ、…そんなに?大丈夫かな?」
「王都には、優秀な魔術師がいるから大丈夫だろう?
それより、増幅された者は、稀に術を掛けた者と繋がりを持つ事がある。」
「はっ?聞いてないけど…。」
「聞かれてない…からな。」
「おい!ま、まさか?だから俺に任せたのか?」
「安心しろ、ごく稀な案件だ。万に一つだろう。」
「そう…か。大丈夫かな⁉」
「ただ…。」
「ただ、なんだよ⁉」
「施術した者の才能がある場合は、稀にみる優秀な魔術師になり、それぞれの位置が分かる。」
「オイィー⁉
やばいじゃないか?
まずいじゃないか?
解除出来ないのか?」
「出来んな。
まぁ、万が一の話しだ。同調者になったらなったで面白いじゃないか?」
「面白くない‼
まぁ、アリスティア様の回復と、万が一が無いことを祈ろう…。はぁ。」
◇◇◇
翌朝、王都は晴れやかな天気で、王女の寝室に優しく光が差し込む。
「ふああぁ~。むにゅむにゅ。…良く寝た。ふぅ。あ、おはよう!アルバ」
「姫様⁈」
アルバと呼ばれた専属メイドは、アリスティアが目覚めたことに思考が停止した。
「どうしたの?そんなところで?」
普段は起きた時まで隣の部屋で待機しているはずのメイドがベットの傍らにいたので聞いてみた。
「ひめさまぁ~‼」「ひめさまが‼ひめさまがぁ‼」
普段は居ない部屋の中に何人もメイドがいた。
「ちょっと、うるさいわよ。なんか頭に響くし…。」
長期で寝むっていた反動で、軽い頭痛がした。
「どうした。なにがあった!」「まさか⁈」「そんな‼」
外を警護していた近衛兵が扉を開けて入ってくる。
「姫様が、目を覚まされましたぁ~‼」
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誤字脱字言い回しのアドバイスお待ちしています。
7月の末までに表現が荒いところと、説明が足らないところの修正を入れると思います。
評価☆☆☆☆☆、ブックマークしていただくと元気になります。
宜しくお願いいたします!
やっと、神獣と九つの城が出てきました。
たぶんだいぶ後に、神獣と九つの城を加筆すると思います。
あと、聖魔と準ヒロインを出したら、本題に入れます。




