第43話 仲間作り
50話まで掲載後、10日間くらい修正したりしてするので休みます。
リースは7歳になっていた。
この春は、次男のキースと、三女のレティールが王都の学園に入学することになった。主席と次席で。
例によって、リースは二人に贈り物をし、王都に旅立っていった。王都邸には、第一婦人のアールティナが待っている。第二婦人のフィンリールと、第三婦人のレフィーナは領都邸に住んでいる。王都のアークは学生寮、長女のフェルリナと次女のラーベルティナは王都邸、それ以外は領都邸で過ごしていた。
◇◇◇
長女のフェルリナと次女のラーベルティナは、第一王女のお茶会に呼ばれていた。
クリスティア・キュエル・アヴァルート(第一王女クリスティ)
第一王女クリスティは、二人と親友である。入学試験は、フェルリナが主席、ラーベルティナが次席、ちょっと離れてクリスティが三席という成績であった。本来なら十分主席の成績である。この飛びぬけた二人に、どのような方法でその成績を収めているのか探る目的で頻繁にお茶会を誘っていたら、学力魔力も向上し、気の許せる友達となっていた。今では、セファイティン家の令嬢二人と肩を並べる成績を収めている。そんなまじめで頑張り屋さんのクリスティが、酷く沈んでいた。
「クリスティ、どうしたの?」
「いつものクリスちゃんじゃないよ?大丈夫?」
「うんちょっと。妹の調子が良くないの…。」
「どうしたの?」「相談にのるよ?」
「うん、実は…内緒にしててね…。」
◇◇◇
時は同じころ、王城の執務室では、
「国中の治癒師と呪術師を見つけてこい。」
「しかし、陛下。基本的に優秀な治癒師、呪術師は王都におります。」
「陛下、ご冷静に。先代の知恵も拝借しましょう。事はお孫様になりますので、此度の件に関しては、知恵をお借り出来るやもしれません。」
「ぐむぅ~!父をお呼びしろ!」
「は!」
◇◇◇
ここはリースが面倒を見ている五つの孤児院のうちのひとつ、
その孤児院の手前の広場。
リースはカーズを連れて上機嫌で馬車に揺られている。
それに反してカーズの機嫌は最悪だった。
孤児院について、修道女に挨拶を終わらすと
「では、カーズ兄よろしく」
「ではよろしく!じゃない⁉
なんだ、このガキンチョ供は!やっと、ボルデリア師匠と修行の旅が終わったのに、ゆっくりできねーのかよ!」
「(いやいや、カーズ兄もガキンチョだよ!)さては、馬車の中で話しを聞いてなかったね?良いかい?この子達をカーズ兄が鍛えるんだ!」
「鍛える?オレが?なんで?」
「もう!思い出してよ!カーズ兄がやりたい事は、なんだよ?」
「そりゃお前、騎士団を率いて、アーク兄さん達を助ける様になりたいんだよ!だから、自分の鍛錬に忙しいんだ!馬車で寝てたのは、鍛錬の疲れからだからだよ!」
「カーズ兄、騎士団を率いるっていうのは、団の誰よりも強いっていう事か?」
「そうだ!」
「それだけでいいんですかねー?」
「…なんだと?」
「例えば、魔物が二ヶ所で同時に発生したら、どうするんだ?
カーズ兄が、両方行くのか⁈その間、領民は無事か?」
「むっ…。」
「ほかにも例えば、国同士の戦争が起き、千人対千人が対峙したとしよう。
カーズ兄が1人で戦うのか?」
「それは…。」
「…確かに、先陣を切って戦う必要もあるだろう。だから強くなっておくのはわかる。だが、その時、部下への指示は誰がするんだ?部下は、カーズ兄がしたかった戦いのフォローが出来るくらいに、能力があるのか?…何も教えて無いのに?何も聞かずに?何も言われてないのに?」
「 …っ。わかったよ!
要は、こいつらを鍛えて、将来的にオレの部下にすること。
そして、オレの指示能力の向上と、 …孤児院の雇用対策だろう?」
「さすが、カーズ兄‼
姉さんが
「不器用さえ無ければ、アーク兄さんにも、キース兄さんにも負けない天才なのにねー!」
って言っていただけはありますネ!」
「だ、だれがそんな事っ!」
「えっ、シア姉ですが…」
「アイツが⁈」
五女シアーティは、カーズと同い年。何かとライバル視して競い合う中。いがみ合いながらも姉弟の事は心配している。
「それより、孤児院の指導をすると、いいこといっぱいだよ?」
「はぁ~ん? いいことぉ?」
カーズがジト目でリースをにらむ。
「良いところ見せれるじゃない?プリーツが好きなんでしょ?」
「ブッ!な、おまえ⁉なんでそれを!」
「え?見てたら普通にわかるし…。」
「多分、父さんとプリーツ以外、皆んな知ってるんじゃないかな?」
「ま、マジか…」
「まっ、そんなことより。」
「おい!俺の大事な事を「そんな事」呼ばわりすんなっ!」
「さっ、剣術指南始めよう〜!」
「おいっ!お前も話を聞けっ‼」
◇◇◇
「ふー、慣れない事だから、疲れたな?」
「すぐ慣れるよ、あと4つあるから。」
「…なっ、なにっー⁉」
「だから、週5日。それぞれ半日教えて、1週間後にまた、教えて、鍛え上げたら、もー凄い騎士団が出来ると思わない?カーズ兄の騎士団!」
「お、おう⁈そうだな?(カーズ騎士団‼…わるくない♪)」
「いや、楽しみだなぁ!カーズ兄の騎士団。今から、剣、槍、弓、魔法を鍛えたら、凄い騎士団になるよ!」
「おっ、それはいい考えだなー!って、槍と弓と魔法も教えるのかよ?」
「うん。カーズ兄の別日になるけど、それぞれ講師を付けて、鍛え上げ、そのうち得意な事に集中させて、さらに鍛え上げる。凄くない?」
「 お、おう。しかし、他の講師は誰か当てがあるのか?」
「魔法は、姉さん達にお願いしようかと。」
「それは良いが、引き受けないだろう?大丈夫か?」
「大丈夫。僕がついていくし、教えることは、自分の復習と訓練になるから、王都の受験が楽になるし、悪い話じゃない。それに姉さんには、甘味料を付けるとなんとかなるよ?」
「チョロいな?」
「シア姉は、カーズ兄には負けられないって言ってたよ。入学試験で…。」
「なっ、俺が負けるわけないだろっ!勝つのは俺だ‼」
「はいはい、仲がいいよね。」
「良くない‼
…ところで、リース。
お前は大人になったら何になるんだ?
アーク兄さんは領主だし、キース兄さんは、内政官か、地方領主だ。オレは領内の騎士団を率いたい。と、父さんには伝えているが、リースが何をしたいのか、聞いたことがないなー?」
「前にも言ったと思うけど、僕がしたい事は、商人兼旅人。伯父さんみたいに遺跡巡りも良いネ。」
「なんだよ?そのポワンとした目標は?強くなって、魔物を倒すとか、近衛騎士団に入るとか、いろいろあるだろう?」
「僕は、身近な人が守れるくらいで良いんだよ。
大それたことをするのは、周りの皆さんにお任せるよ!
普通の人生を終えて、そばにいる方に、君と一緒で幸せだったって、言って逝くんだ!
ただ、それだけなんだ。でも、楽はしたいのだよ。
…辛い人生は、こりごりだからね。」
「ははは、まだ8歳だろう!目標が老いすぎないか?」
「ふふふ。まだ7歳だよ!それよりカーズ兄、意外と楽しかったろう?
習う事も教える事も、自分の糧になる。1番駄目なのは、何もしない事さ。」
「ああ、そうだな?ところで、その言葉、誰に習ったんだよ?」
「ん?ああ、通りがかりの爺さんさ、年寄りの言葉は、時に大事な事が含まれる。
老練とした経験からくる真理があるだから、老人は大事にしないとな?」
「…そうだな?」
こうして、アドルシークの人員強化が人知れず行われるのだった。
◇◇◇
エロ爺さんこと、
ジゼルがやってきたのは、実に一年ぶりである。
もともと王都に居を構えている関係もあり、そこを拠点に地方を回っているので、アドルシークに訪れるのは久しぶりの事だった。
「ジゼル様こんにちは、一年ぶりですね。ご無沙汰しております。ご健勝で何よりです。ところで、今日はどうされましたか?」
「うむ。
リースよ。お主ちょっと他の子どもたちとは違うのぅ?
いろいろ、動き回っておるようじゃが、よく耳に入るわ。
ちょっとや、そっとの事では驚かんが、ワイバーンをテイムできたことは驚いたぞ!」
「あ、いや、それは…。」
「ふぉふぉ、まぁ良い。
ワシの孫もお主と同じ歳の子がいるのじゃが、体調を崩しての。本来なら、ここに連れて来る予定じゃったのじゃが、難しくなった。」
ジゼルの表情が暗くなる。
「はぁ?大丈夫なのですか?その方のお名前は?」
「アリスティアじゃ。」
「アリスティア様ですか?素敵なお名前ですね。」
「おう、そうじゃろうそうじゃろう!
本来なら、孫自慢をお主にしてやろうと思っていたのじゃが、とてもこちらに来れるほどの体力も残っていない…。」
「(孫自慢かよっ!っと思ったけど、語尾の様子からして、相当危険な状態なのかな?)大丈夫なのですか?アリスティア様は?」
「まあ、ここからは話せられん。」
「…。(調べてみるか…。)そうですか。」
「…。」
「…いつか、お目通りさせて頂きたいものです‼
元気で美しいアリスティア様に!」
「うむ。そうじゃな…。」
「今からアズン伯父様のところに行かれるのですか?」
「いや、あやつをこちらに呼び寄せた。しばらくわしはここに逗留する。」
「わかりました!ゆっくりしていってください。」
「うむ、なにか良い情報があるといいのじゃが…。」
「…。」
コンコン
「ジゼル様、リース様。夕食の準備が出来ました。」
「ああ、わかった。」
少々覇気のない翁の後ろ姿だった。
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7月の末までに表現が荒いところと、説明が足らないところの修正を入れると思います。
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