第41話 見学
37話くらいから順番が間違ったりしてたので、ご確認ください。
数日後、今日はサーカスを見に行く日。天気は晴天だった。
「座長のグラムラさん。今日は宜しくお願い致します!」
「これはこれは、リーフィふぉがが(リーフィス様?)…。」
リースは全力で座長のグラムラの口を塞ぐ。
「リース君でお願いいたします‼貴族は伏せて…。」
コクコク、うなずくグラムラ。
「こほん。リース君こんにちは!皆さんこんにちは!」
「「「「「「「こんにちは!」」」」」」」
「今日は、サーカスのお仕事の見学と、ショーを楽しんでね!」
「「「「「「「はい!」」」」」」」
「リース君‼」
「よっ!ステラ!元気?」
「元気だよ!リース君!もっと早く来てよ~⁈」
「ん?いや、ちょっといろいろ忙しくてね?ごめんね!」
「も~!」
「あの~、リース?その子は?」
ウォルは、見たこともない可愛い子に目を奪われた。
「ああ、ごめんごめん!この子は友達のステラリリ・オーネルト、座長さんのお孫さん」
「「か、かわいい!」」
「ありがと!君は?」
「俺は、ウォル!よろしくな‼」
「ウォル君よろしくね!ステラちゃんって呼んでね!」
「わかった!ステラちゃん」
「じゃあ、リース君!裏方を案内するね!」
「…?(ステラちゃん?)ありがと!よろしく!」
◇◇◇
「まず、ここは出番を待つ控室。ここの窓からはね~、今やっている演目を間近に見ることが出来るんだよ!」
「へぇ~、凄い近いな?迫力ありそう‼」「私も見たい‼」
ウォルは感心し、小さなニコは、台を持ってきて小窓に寄ってきた。
「ふふふ、演目の確認や、出番があるとすぐに出れるようにこの場所にあるんだよ!」
ステラはサーカスの構造を自慢げに話をすすめる。
「ふ~ん。凄いね!次はどこ?」
リースは、前世での知識があるためそこまで関心はない。
「むっ…。じゃあ、次はテイムした魔獣を見に行く?」
「「「「「行きたい‼」」」」」
同行する孤児院のみんなが笑顔で同意する。
◇◇◇
「…ステラは、どんな演目に出るんだ?」
リースは、ステラの案内でテイムされた魔獣の檻の前で、演目の内容を聞いた。
「私は歌と踊り!弟は音楽を奏でてくれるの♪後で見てくれる?」
「ああ、わかった!楽しみだよ‼」
◇◇◇
一匹の蜂に似た昆虫が、炎を吐くライオン、ファーライオンのお尻に針を刺す。
グワーッ!
この蜂は、グリーンポイズンビーといい、毒性は低いが幻覚を見せる。
グウウウウウゥ~。
ファーライオンの訓練の順番になると、担当者が、いつもと違う状態のファーライオンを止めようとしたとき、
ガワワウ‼グォー‼
暴れだし、炎をリースに向かって吐いた‼
(リース。あのファーライオン、幻覚症状が出ているぞ。)
「なんだと?フィーヴァ、眠らせる感じにできるかな?」
「ふん。やってみよう。」
フィーヴァは、ファーライオンに幻覚を重ね掛けし、睡魔を装うようにして行動させる。
「ふー、あっぶなかったな?今度その魔法教えてよ?」
「良いが、使う相手は気をつけろよ?」
「ああ、もちろん!」
◇◇◇
ステラリリの案内が終わり、サーカスが始まると指定の座席に陣取った。
ファーライオンも原因を突き止め、解毒の魔法を掛けた。
演目は後半に変わったが、ファーライオンも無事演目の役割を果たし、やがて、全ての演目が終わるとステラの出番がやってきた。
ステラは、6歳とは思えない化粧と立ち振る舞いで、観客を魅了した。
「わ~!凄い素敵。」「きれいな歌声!」「あ~いい。」「すごい‼」
ステラリリの声は6歳にしては伸びがあり、引き込まれる錯覚を起こし美声であった。
「今日はありがとう!とても楽しかった!」
リースは代表してサーカスの皆さんに感謝の意を述べる。
「「「「「「ありがとうございます!」」」」」」」
「いえいえ、どういたしまして!」
「また来ます!」
「リース君!また会いに来てねっ‼」グスン。
うっすら涙を浮かべるステラに困惑したリースだったが、
「ああ、わかった!(というか、あと四つ他の孤児院の子達と一緒に来るって伝えたはずだけどな?)」
◇◇◇
イズンは、王から認めてもらった飛翔騎士団のワイバーンで、急ぎアドルシークに戻っていた。
リースにアークのナイフの件の説明を求めるためだ。
「父上、お帰りなさいませ。早いお帰りですね。予定ではひと月半は王都にいるものと…。」
「うむ、本来なら、王都邸で公務をこなす予定だったが、急ぎお前に確認することが出来たからだ。
まあ、早く帰れたのは発足したばかりの飛翔騎士団のお陰だな。生きた心地がしなかったが…。」
王都から辺境のアドルシークまで、馬で7日、馬車で2週間の道のりをワイバーンなら、ワイバーンで2時間半の距離である。実際は休憩を入れながら飛ぶので、4時間の道のりだが…。
「それで、お話とは何でしょうか?」
リースは、王都からとんぼ返りしてセッティングされたこの会談にいやな予感がした。
「テイムの魔道具と、アークのナイフの件だ。」
「魔道具と兄上のナイフ…。」
(う~ん、良い言い訳が思いつかない…。フィーヴァ。良い案はないかい?)
リースは内心、冷や汗を掻きながら、フィーヴァに念話で尋ねる。
(…ナイフは、付与魔法が使える事を正直に話せ。作ったのは、ダナラントの鍛冶工房だろ。)
(…うう、仕方ないか。)
「父上、今からお話しすることは、ご内密にお願いいたします。」
「なんだ?」
「兄上のナイフを製作したのは、ダナラントさんの鍛冶工房ですが、魔法付与は私がしました。」
「何!リースが⁈」
「はい、流れの魔法師に習い、付与魔法が出来るようになりました!」
「なんだと!…やはりそうか!」
(知っていたのか?鋭いな‼父上…)
「いつから気付いていたんですか?」
「ふん!最初からだ!」
「さ、さすがです。」
(くっ、ばれないようにいろいろ工作していたのに…、無駄になったな。)
リースは崩れるように膝を落とし、両手を床に着いてうなだれる。
「ふっ、まあな。俺の息子は天才だった!レフィーナも知っている事だ!」
イズンは、腕を組み胸を張り、無駄に鼻の穴を広げている。
「…。(ただの親バカなんじゃ…。)」
「しかし困ったな、リースの能力は国家戦略級レベルだな。王家に話はいずれ通さないといけないが、まずは安心したぞ‼よく身に着けたな⁈」
「はい、なるべく目立たないようにしたいのですが、国の所属になると自由が無くなるので、なるべくなら今の状態のままが良いのですが…。」
「…うむ。だが、魔法付与が出来ることを知らせないわけにはいかないからな⁈」
「例えば、架空の人物をあてては如何でしょうか?国家からの依頼があれば、父上を通してから話が伝わる事にすれば…。人嫌いの人物として、無理な注文は、受け付けない、もしくは他国へ引っ越す等にすれば、露見しにくいかと。」
「うむ。そうだな。謎の魔術師という事にするか?」
「はい、それでしたら、一度父上の耳に入りますし、絶対にアドルシーク領の不利益になりません。」
「よし、その線でしっかり対策を練るようにしよう。」
◇◇◇
イズンとリースが、謎の魔術師を擁立する計画を立てている時、時を同じくして、アヴァルート王国王城執務室では、今日入った二つの情報に頭を悩ませている。一つ目は、南洋にある大きな島で、ダンジョンが発生し、魔物があふれてきたという事。二つ目は、デランガル王国(勇者召喚陣の有る国)で、辺境の街に突如地面からダンジョンが出来そこにいた人々が取り込まれ壊滅した…。
「…引き続き詳細な報告をするように調査継続で掛かれ。」
「「「「はっ!」」」」
今のところ毎日0時頃更新中です。
字脱字言い回しのアドバイスお待ちしています。
7月の末までに表現が荒いところと、説明が足らないところの修正を入れると思います。
評価☆☆☆☆☆、ブックマークしていただくと元気になりますので、宜しくお願いいたします!




