第34話 孤児院
先日のサーカス団盗賊襲撃事件の翌日。
従士長バナンの報告には、盗賊団の親分が仲間を半分率いて西の商隊を襲撃に行った。どうやら商隊の護衛が優秀で、返り討ちにして逃走した。現在は行方不明。盗賊の残り半分は待機がてら、サーカス団を襲って、旅費を稼ごうとした。
◇◇◇
リースは、ある老朽化した孤児院に遊びにきた。
「よっ!こんにちは‼また遊びに来たぜ!」
リースは勝手知ったる自分の家のように上がり込んだ!
「リース!お前も何時も、懲りないな!」
リースに気付いたこの孤児院のちっちゃい子のリーダー的存在のウォルは、リースが来て嬉しそうだがぶっきらぼうに返事する。このウォルは、孤児院の裏にわにできた芋を市場に売りに来ていた兄妹だった。
「まあまあ、ウォルそう言わずに?今日は、知り合いの木こりさんから、木の遊び道具をもらったんだ?これで遊ぼうよ?」
「仕方ないな⁉」
「まったくウォルは、調子いいんだから!」
孤児院の女の子からウォルに突っ込みを入れる。
「まずは男の子が好きなのは剣かな?これは、軽くて振りやすい。剣先は柔らかいけど、周りの人にぶつけちゃダメだよー?」
「おー、良いね!あ、りがと。」
「えっ?なんて?ウォル?聞こえなーい!」
「うるせー、リース‼聞こえてたんだろ!」
「ハッハッハッ、ハイハイ。あと、弓と矢、輪投げ、積み木。と棒積み木。棒積み木は、崩したら負けよっていう約束。後で使い方教えるネ!
それと女の子には、ママごとセット、あとニコちゃん、ほらお人形。仲良く遊んでね!」
「わーい‼リース君!ありがと~‼」「ありがと‼」
「じゃあ、使い方教えるネ!」
「はーい!どうするのー?」
「これはねー?…」
◇◇◇
数日後、
「おい!ここに孤児院が有るぞ‼」
「ちょうど良い!ここをしばらく拠点にするぞ!」
「ドラぁ!静かにしろ!ここは俺たちがしばらく住むことにした!殺されたく無ければ、言う事を聞け‼」
盗賊の男は、ドアを蹴破り、指示を出す。
「なんですか⁉あなた達は?ここは、マーブル聖教教会所属の孤児院ですよ?立ち去りなさい‼バシッ⁉」
「ウルセェ⁉ばばぁ!俺たち盗賊団には関係ねぇ!こっちはけが人がいるんだ?慈悲はねぇのか?それとも何か?子どもら死んで良いのか?俺たちはこれでも慈悲はあるんだぜ?」
「わ、分かりました。子ども達には手を出さないでください。」
「わかったんなら、お前たちが食ってる飯を寄越せ?それと静かにしろ。あと、ばばぁ!」
「は、はい。なんでしょうか?」
「ポーションを持って来い。」
「あ、ありません!そんな高価なもの…。」
「嘘を言うな!孤児院には、万が一の時に非常用のポーションが常備してある事はわかっているんだ!殺されたく無ければ、さっさと持って来い⁉」
「わ、分かりました…。お待ちください。」
「さっさと言う事を聞けば、手荒な真似はしないんだよ」
老修道女は、奥からポーションを4つ持って来る
「ポーションをお待ちしました。」
「なんだぁ?このちっさなポーションは?」
「子ども様のポーションなので、この大きさなのです!」
「チッ!貸せっ!頭っ!ポーションです‼」
薄汚れた包帯を巻いた体格のしっかりした男がポーションを一気に飲む。
ゴクゴクゴク!
「ふぅ、やばかったぜ⁈ばあさん助かった。いまから言う三つの中で、ひとつだけ願いを聞いてやる。」
「おい!」
「ヘイ!
一つ、金貨一枚に付き、1人解放する。
一つ、ガキは解放、ばあさんは死ぬ
一つ、ガキは奴隷、ばあさんは解放
「一つ、ガキは解放、俺たちは、奴隷落ち」
「さあ、選べ⁉」
「え?あ?何言ってやがる⁉おまえは誰だ‼」
◇◇◇
ポーションを盗賊団の頭ががぶ飲みしている時、リースは既に隠密スキルで人質と盗賊の間に割って入っていた。
盗賊が質問をする。
「一つ、ガキは解放、俺たちは、奴隷落ち」「さあ、選べ⁉」
「え?あ?何言ってやがる⁉おまえは誰だ‼」
「(言ってやった!)お前たちは、西の街道をいた商隊を襲った盗賊団だな?」
「なんだぁ?ガキィ?てめぇ?どっから出て来た?」
「質問に質問で返すなよ?マナー違反だぞ?」
「なんだとぉ⁉」
「選べ‼死か?奴隷落ちか?」
(リース、さっきと質問が変わっているぞ?)
フィーヴァが質問の内容が変わったことに念話で突っ込みを入れてきた。
「「ウルセェ⁉」てめぇが死ね‼」
(盗賊とウルセイがかっぶった。くそ恥ずかしい。)
ヴヴン‼
身体強化と、風魔法で、一瞬にして10人もの盗賊を弾き飛ばす。
イベントリからロープを出し、一人一人を拘束する。
「よし!大丈夫でした?」
「…。」
「あれ?もう大丈夫ですヨー⁈」
「わー!凄い…。」「エーン‼怖かった〜!」「凄い凄い!リースちゃんカッコいい!」「やったぁ!」
「ははは。」
「院長さん大丈夫でしたか?」
「リース君ありがとう!とっても強いのね。」
「いえ、毎日の鍛錬のおかげです。」
「…リース!頼む!」
「なんだい?ウォル?」
「俺もお前みたいに強くなりたい!教えてくれ‼」
「…良いけど、厳しいよ?大丈夫?」
「大丈夫だ!妹達を守りたいんだ!その為なら、厳しくても平気さ!」
「あたしも!僕も!私も!俺も強くなりたい!」
「わかった!じゃあ、明後日から鍛錬しようか!」
「「「「やった〜⁉」」」」
「ふっふふふ~。こいつらより、地獄を見ることになるぜ…。(アドルシーク領強靭化計画開始だぜ‼)」
リースは不敵に笑う。
「なんか言った?」
「いいえ。なにも、ガンバローゼ!」
「まずはコイツらを騎士団に突き出すか?来い!ゴーレム8号!」
「サラサラッと。手紙を書いて」
「よし、これを騎士団に持って行け!」
コクン、ダッシュ!
「おい、リース?それはなんだ?」
「ゴーレムだよー?騎士団にお知らせしないといけないでしょう?ここを離れるのは危ないから、お使いさ?」
「ゴーレムを使役出来るのか?」
「習いたい?」
「「「習いたい!」」」
「じゃあ、勉強もしないとダメだけど?大丈夫?」
「「「「「する‼」」」」」
「私も!」「僕も?」「あたしも勉強する〜⁉」
「じゃあ、これも明後日からネ!それより、お腹空いたでしょう?」
イベントリから、籠経由でパンとおかずを出す。
「わーい!お腹空いた!ありがとう!リースちゃん」
「リース君、あなたは一体?」
「ふふふ。まぁ良いじゃあないですか?」
◇◇◇
ダダダ‼
「盗賊達はどこだ⁉」
「こっちです!」
「あっ、リースふぉが…(様)」
リースは素早く動き、副団長スティングランドの口をふさぐ。
「副団長こんばんは!西の商隊を襲った盗賊団だと思います。」
「ふぁんべふっふぇ?(なんですって?)」
「あ、ごめんなさい!」
リースは塞いでいた手を慌て手はずす。
「やめてくださいよ?わかりました!駐屯地に連行して吐かせます!」
「よろしくお願いします!」
「では!リースさ、君もお願い出来ますか?」
「えーと、そろそろ家のご飯が…。」
「連絡しておきます!」
「…わかりました。」
しばらくして騎士団駐屯地で、イズンに絞られることとなった。
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