第32話 調獣術
リースは、自身の中で冬眠状態の聖魔を起こすには、相当の魔力が必要と知り、フィーヴァの助言により魔力を鍛え、ハイエルフの知識を吸収する為
最初に訪れてから毎日、天空城に空いてる時間を見つけては訪れていた。
「ポー、チーおはよう!」
ハイエルフのポーシャルルと、チーミュララ、リースと同い年。
ハイエルフは長命だが、年に5名程度新しい命が生まれていた。
「「フィーヴァ様おはようございます。」」
「うむ。」「おい!あいさつしたのは俺なんだけど‼」
「あら?リース。おはよう。早いね!」「…おはよ。」
「今日から魔法を教わるんだよね!」
「リースはそうだったね。一緒に行こう。」「…いこ。」
「おう!先輩達、宜しくお願いしまーす!」
「ん?先輩って、なに?」「?」
「同じ学んでいる事を道に例えると歩いている人で、先に歩いている人の事、逆にその人から見て後から来る人を後輩って言うよ。」
「ん、先輩だね。行こ。」「私…せんぱい。」
「頑張ろ!おー。」
◇◇◇
「良し、そこまで!少し休憩じゃ。」
ハイエルフのケーナフル4代前の魔法師範。趣味は玄孫とかくれんぼ。
「し、死ぬ…。」
リースは、久々の限界を感じて地面に座り込む。
「ケー爺は、修行が厳し過ぎ、そのうち死人が出る。」
チーミュララは、ハイエルフの馬鹿でかい魔力があるため疲労は少ない。
「何を言うんじゃ、ぶっ倒れるまでしないと、魔力は身につかないんじゃ!昼からは、セー婆じゃろ?死ぬなよ?」
「そうだった…。」
リースは今、10人の師匠に、朝と昼に修行を見てもらっている。朝と昼に修行をして、夜は館に帰る。領主邸の方には、自主練で夕方遅くまでしているから、心配しないように伝えている。当初、そのアリバイ作りに監視を撒くのが大変だった。
◇◇◇
「それでは、調獣術について説明します。」
ポーシャルルの姉、アーシャルルが地表で言う調教について教えてくれるらしい。
「わ~い!アー先生お願いします!」
「?」
ポーはちょっと機嫌が悪いようだ。
「コホン!皆さんが仲良くしている動物って、魔獣ですか?」
リースは、ポーを気遣いつつ、アーシャルルに質問する。
「そうですね?魔獣以外も聖獣・神獣がいます。」
「⁈どう違うのですか?」
「主な違いは、魔力量と知能と権能です。」
「なるほど、優秀なほど魔獣・聖獣・神獣となるのですか?」
「そうですね。ちなみに、神獣になるほど、調獣術は掛かりません。」
「地表の調教と調獣術の違いは何ですか?」
「調獣術と調教は、本質的には同じかもしれませんが、調教を見たことがないので、地表に降りた方の伝聞によりますと、調教は魔獣などをチカラによって服従させることにより、契約をするという事らしいです。こちらでの方法は、動物達と触れ合って、仲良くなり、同意を得てから、同調契約する事になります。まあ、従魔にとって、契約者とは、親分子分か兄弟かの違いでしょうか?それで同調契約をすると、生息域にいる契約獣を呼び寄せることが出来ます。呼び寄せる方法はいくつかあり、声で呼ぶ方法、印を結ぶ方法、法陣で呼ぶ方法、魔法具で呼ぶ方法など有ります。ちなみに調教では、常に契約者の傍にいないといけない様ですね。」
「なるほど、調獣術と調教の違いは興味深いです‼それで、かっこいい呼び出し方は、どんな風になりますか?」
「かっこいい?ですか?」
「そう、かっこいいです!」
「…。」ポーがじっと見つめてくる。
「かっこいい…です。」
「かっこいいという概念は、人それぞれになりますので、今から見本を見せますから、それで判断して下さい。」
「わかりました‼」
「じゃあ、印を結ぶ方法。手に魔力を宿し、決められた印、手で形作ることですね。コツは、召喚する獣魔を想う事です。」
バババッ!
「ハイッ!こちらが私の聖獣のヨーちゃんです。」
羊のような角を持ち、トナカイのような体躯は強靭で、神々しさがある。
「私は聖獣ですが、魔獣は、いくつでも契約出来ますが、微量の魔力を消費します。多く契約した場合は、消費魔力を気を付けないと、魔力を吸われて死んでしまします。また、聖獣や神獣など格が上がる分、魔力の消費が上がるので、契約する魔獣・聖獣・神獣は絞った方が良いですね。ご注意を
では、次に法陣ですね。
これは、身に宿しているものを見て下さい。
法陣に魔力を宿すと、法陣から出てきます。
1つの法陣から、1つの獣魔です。」
「ちなみに、自分の獣魔を人に貸与することは可能でしょうか?」
「?」
「例えば、自分の契約獣魔を人に宿した法陣から、その人が召喚する。と言う方法です。」
「…?それには、どんな意味が有りますか?」
「え〜と、例えば、僕がいない時に、その人が危なくなった場合、僕の契約獣魔が、その方を守るため法陣を経由して、守るって事です。」
「なるほど。理論的には可能です。ですが、試して試みた事が有りません。」
「じゃあ、僕で実験してもらえますか?」
「え〜と、理論的に可能と言うのは、獣魔が主人を認識している状態、主人が守る様に命令した人物、主人とは違う法陣の召喚を理解している状態です。が、獣魔にそこまでの知能が有りません。」
「…。つまり、賢い子でないと無理って事ですね〜。ちなみに獣魔の知能はどんな感じですか?」
「そうですね。魔獣は5前後、聖獣10~15歳児でしょうか?神獣は20~40歳くらい?これも格が上がると人より知能があります。契約者を認識する知能は確実ですが、契約者が直接命令をしないと、守護対象者を認識出来ません。」
「なるほど、承知しました。」
「話がそれましたね。では、魔法具で呼ぶ方法です。」
「私は、この笛を使用します。」
「縦笛ですね…。」
「どうかしましたか?」
「いえ。(笛で、獣魔召喚を美少女がするなら、オカリナか、横笛だろ!)」
「では、召喚します!」
「おおっ!良い音色!(惜しい!ビジュアル的に蛇使いにさえ見えなければ!)」
「この子が私の神獣です!かわいいでしょー?」
リスに似た神獣が出てきた。
「そうですね!(やはり、横笛をプレゼントしよう!)」
「魔法具に召喚を施すのは、どの様にするのですか?」
「召喚する法具に、今回は笛ですが、魔石を組込み、音色を登録して、魔力を込めたら施術完了です。他にも、例えば、石板に魔石を埋め込み、掛け声、もしくは、文字をなぞり、魔力を込めたら施術完了になります。」
「なるほど!それは、僕でも作れそうですね。」
「…。それは、ちょっと、難しいかもしれません。」
「え?なぜですか?」
「魔法具に召喚する獣魔の登録は微量な魔力で大丈夫ですが、魔法具に魔石を組込む時に、大量の魔力を必要とします。常人では魔力が足りないでしょう。」
「なるほど、確かに魔力のある鍛冶師は少ないですね。(だがしかし、こちらにはフィーヴァという友がいる!)」
◇◇◇
「とりあえず、魔獣と仲良くなってみます。」
リースは基本が大事と思っているから、どんな小動物でも良いから始めたかった。
「城の裏側にスカレイ(空飛ぶエイ)の生息地があるのですが、とりあえず、それを調獣術に挑戦してみますか?3メートル級の大きさなら空を飛べますよ!」
アーシャルルにとっておきの言葉を言われて、
「はい!はい!はい!やりま~す!飛びたいで~す!」
最初の決意をどこかに忘れてしまった。
「リースは、ひとりで飛行魔法で飛べるのでは?」「この前、ケー爺に習った。」
「チッチッチッ!動物に乗って空を飛ぶって言うロマンがわからないかな~?」
リースは腰に手をあて、ついの手の人差し指を振って挑発する。
「「わかんない⁈」」
ハイエルフのポーシャルルと、チーミュララは、はっきりモノ言う女の子だった。
◇◇◇
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