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第18話 料理密談

執務室では、5人の大人達が集まっていた。


辺境伯のイズン、その妻レフィーナ第三婦人、執事のカーセリック、料理長バルカン、メイド長のレナである。

部屋にある、打ち合わせの席に座り、イズンが3人を見て語りかけた。


「集まってもらったのは他でもない、末っ子のリースの件だ。先日のはぐれ魔獣以来、

あの子は他の兄弟と発想が違う。すごく気になる。誕生日祝いが出来なかったから反動でリースの言いなりになってしまったが、皆それぞれ気付いたことを共有したい。」


「 …。」


「リースはかわいい、私の息子‼

…最近は料理人になることもあるけど⁉とってもかわいいと思うの、それに作った料理は、美味しいし‼かわいいし!」


「        ・・・・レフィーナ、いつから料理ができるようになったのだ?」


「…そうね。 まず最初に気付いたのは、つまみ食いをしたプリーツね。 あの子が教えてくれたの。リースは、料理が出来るみたいって、その時かな?わたしもその料理をちょっと食べたのは。」


「・・・レナ、どんな状況で気付いたのだ?」


「はい。娘のプリーツが、坊ちゃまに食事を運んでいたときに、『もっと、こうしたら美味しくなるのになぁ~?』とおっしゃったのです。」


「それは、すでにどう調理するというのが、わかっていたということか?」


「はい、その調理法は、料理長にお話しして実際に作ってもらったら、ほんとに美味しく、まだ、リース坊ちゃまに食べてもらったことも、作って見せた事もなかった料理なのです。ですので、ご自分で考えない限り出来るはずないのです‼」


「…………。何⁈」「え?」


「なんと!天才料理人がここに顕現したのか?」

イズンは感心した表情で、ソファーにのけぞる


「当初、遊びで厨房を新設されたかとも思ったのですが、確かに火力の調整、導線の配置、食材保存の方法。どれもこれもが斬新かつ理にかなっておりました。まったくリース様には驚かされます。」

バルカンは、イズンを見てあきれる風を装い肩をすくめた。


「ファティマさんに助言した揚げる?料理のから揚げですが、使用人も含めて大絶賛です。」

カーセリックは最も賛辞の高い事を話し、イズンもそうだろうと思っていたが…


「そうだな、から揚げか・・・、うちの郷土料理で行けるな!」

「 ・・・・フフフ。私の息子が開発した料理だもの‼」


      「「フフフフフフフ」」


「ところで、バルカン。厨房を改良してほしいとのことだが…。」


「はい!リース坊ちゃんのような火力調整がし易い厨房に刷新してほしいです!」


「すまんが予算が今なくてな?来期になる。」


「ま、まさか、リース坊ちゃまの厨房代が…。」


「いや違う!対外的にきな臭くなってきたから、厨房代より諜報代が掛かっているのだ。タイミング的には、リースが厨房を増設して欲しいと言ったときなら、良かったのだが…。」


「そんなぁ~!そこを何とかお願いできませんか?おいしい料理を作るには、設備が重要なんです!」


「おかしいですね?リース様に、料理長は鼻で笑ってませんでしたか?料理に形から入るなんて素人の発想ですぜ?でしたっけ?」

カーセリックは、料理長が思い出したくない事実を披露する。


「くっ!あの時の自分を殴ってやりたい‼」

料理長バルカンは、リースにお願いして、厨房を借りるのだった。


◇◇◇


コンコン。

「入ります。」

執事のカーセリックが扉を開ける。


「おーよく来てくれた、セーラン。パルピス君」

イズンは、新しく雇った職員を招き入れた。


「紹介しよう、セーランは、セファイティン家の縁戚で魔術師だ。パルピス君は、王都の学園で教授の助手を務めていた、一度学園外の貴族、または学習社で研修してから、学園の教授になる。今回、キース達の学業をそれぞれ個別指導してくれる。」


「お願いします。」「宜しくお願いいたします。」


「それで、アズン様から面白い子がいるって聞いたんだけど…?」

セーランが、イズンに目を輝かせて問いかける。


「ああ、たぶんリースの事だな…。」


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