第12話 絵本密談
第12話 絵本密談
辺境伯4男リーフィス・セファイティンが、高熱にうなされ倒れてから、前世の記憶が蘇ったひと月後、創造と破壊の聖魔フィーヴァが、実体を持つ約2ヵ月前。
執務室では、5人の大人達が集まっていた。
ソファーに辺境伯のイズン、その妻レフィーナ第三婦人、医事療師のベルン、控えめな位置に立つ執事のカーセリック、メイド長のレナである。
部屋にある、打ち合わせの席に座り、イズンが4人を見て語りかけた。
「集まってもらったのは他でもない、4男のリースの件だ。先日の大病以来、
あの子は何かが違う。すごく成長した気がする。それぞれ気付いたことを共有したい。」
「 …。 」
「気付いたことはねぇ~、私の息子のリースは、とってもかわいい‼
…最近は娘になることもあるけど⁉とってもかわいいと思うの、それに賢いし。かわいいし!」
レフィーナは、目をつむり両手を胸の前で組み、自分のことのように自慢する。
「 …レフィーナ、どの辺りが賢いと思ったのだ?」
イズンは、ちょっと引き気味に確認する。
「コホン。 …そうね。 まず最初に気付いたのは、いつも一緒にいるプリーツね。 あの子が教えてくれたの。リースは、字が読めるみたいって、その時かな?わたしも気が付いたのは。」
プリーツは、リース専属見習いメイドで、四女ララティナと同い年。セファイティン家の子息には、専属メイドがおり、長男には、領主を引き継ぐため、専属執事見習いもついている。
「レナ、どんな状況で気付いたのだ?」
イズンは、メイド長のレナを見て問いかける。
「はい。娘のプリーツが、坊ちゃまに絵本を読んで聞かせようとしていたのですが、本棚を指さし『今日は、それじゃなくて、黄色の[びっくり爺さんと、尻もち婆さん]の本を読みたい気分』とおっしゃったのです。」
「…何かおかしいのか?」
ピンとこなかったイズンはレナに真意を確認する。
「はい、その絵本は、大人のお腹の高さの本棚にあり、まだ、リース坊ちゃまに読んだことも、見せた事もなかった{大ベストセラー:びっくり爺さんシリーズの}絵本です。ですので、背表紙のタイトルを読むことが出来ない限りわからないはずなのです‼」
「…………。何⁈」「え?」
一瞬の静寂から、驚きをあらわにするイズンとレフィーナ。セファイティン家では、5歳より、読み書きの特訓をしていたので、どこで覚えたのかと驚愕していた。
「なんと!神童がここに顕現したのか?」
イズンは感心した表情で、ソファーにのけぞる。
「親バカですねぇ~?」
ベルンは、イズンを見てあきれる風を装い、肩をすくめた。
「まあ、事前に誰かから聞いていたのかもしれませんし、ちょっと様子を見ていたら良いと思いますよ?」
カーセリックは最も可能性の高い事を提示し、イズンもそうだろうと思っていたが…
「そうだな、まあ、なんにしても、将来が楽しみだな!」
「 ・・・・フフフ。私の息子? …娘? だもの‼」
「「フフフフフフフ」」
シリーズ全巻好評発売中‼
{びっくり爺さんと、どっきり爺さん}
{びっくり爺さんと、しゃっくり爺さん}
{びっくり爺さんと、とっくり爺さん}
{びっくり爺さんと、世話好き婆さん}
{びっくり爺さんと、尻もち婆さん}
{びっくり爺さんと、焼きもち婆さん}
{びっくり爺さんと、ぎゃっふん婆さん}
・・・
まあ今度皆が集まった時に、大きくなったら、大人になったら何をしたいのか聞いてみるか…。
びっくり爺さんシリーズは、プロットをそのうち創ろうと思います!絵本の構成ってシンプルなので難しいですね…。




