夜明けの光
「まだこんな時間か…」
夜中とも早朝とも言えない時間。
時計を見ると午前3時。
辺りはまだ暗い。
「もう寝れそうにないなー」
身体を伸ばし大きなあくびをを一つ。
今日は日曜。
いつもなら昼過ぎまで寝ているが
たまには散歩も悪くないか。
そう思い立ち外に出ることにした。
季節はもう春。
だが、この時間帯はまだ肌寒い。
寒さからか
歩いているうちに目が冴えてくる。
身体が起きてくるのを感じた。
歩いていても
まだ早い時間帯だからだろう。
人とすれ違うこともなく
自分だけしか居ないのでは?と
勘違いしてしまうくらい静かだ。
心地よい静寂に澄んだ空気。
忙しない日々。
休日と言っても
何処から休まらない日々が続いていた。
こんなにゆったりした気持ちはいつぶりだろう。
心地よい時間が流れている。
気づけば空は白み
太陽が登り始めている。
夜と朝の狭間。
その場に立ち止まり大きく深呼吸。
身体の中の空気が全て入れ替わるような
そんな気さえした。
足取りも軽く
このままどこまでも歩いていけそうだ。
そんな気持ちを表すかのように
歩みを止め駆け出していた。